2019/05/03

2019年5月3日(金)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月3日(金)昨日2日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

今日、週末の米雇用統計を前にして利食い先行なのか? 米株は下落、WTIは大幅安。米債利回りは前日のパウエルFRB議長のタカ派発言から上昇が続き、為替相場はドル高傾向を維持。

ユーロ圏の製造業PMI・改定値は、フランスの上昇修正を除き大きな変化は見られず、引き続き50の分岐点を下回り弱い。ただ、次期ECB総裁候補の一人となるバイトマン独連銀総裁は「ドイツ経済の減速は一時的で減速後に急上昇する。個人消費は弱さを克服する兆候がある」と強気の発言をするもEUR売りは変わらず。

注目のBOE金融政策委員会(MPC)は、「穏やかで限定的な引き締めの必要性」を示しGBP買いへ、インフレレポートでは「インフレ見通しの引き下げ」に反応し下落、カーニーBOE総裁の会見では「今後は予想通りであれば利上げが必要に」との発言にもGBP買いは限定的。

また、カーニーBOE総裁国内メディに、「ブレグジットの衝撃を回避し、経済が中銀の想定通りに推移すれば、今後3年で利上げを実施する公算が大きい」と言うも市場は踊らず。

米中貿易交渉では、米政治専門サイト「ポリティコ」は1日、米国と中国の貿易協議が来週末までに妥結する可能性があると報道するも、あまり材料視されず。

USDJPYは、東京市場は国民の休日で休場、中国市場も休場で動きは緩慢。一日を通じて前日のパウエルFRB議長のタカ派発言から上昇した流れを維持し、米債利回りの上昇もあり、大枠111.35~65で変わらず。

EURUSDは、前日のパウエルFRB議長のタカ派発言に1.1200の大台を割り込み続いたEUR売り圧力を変えられず。欧州市場序盤にまずまずのユーロ圏PMIを受けた1.1219を高値に、米国市場の終盤では1.1170を割り込み売り圧力は止まらず。

GBPUSDは、前日のパウエルFRB議長のタカ派発言に下落した流れの影響は変わらず。注目のBOE金融政策委員会+議事要旨+インフレ報告+カーニー総裁記者会見と強弱多彩な材料に上下変動するも、一日を通じて1.3080を高値1.3018まで下落。カーニーBOE総裁の強気発言にも市場は踊らず、ただし、ブレグジットに関して何らかの合意期待なのか? 売り圧力は予想外に弱い。

AUDUSDは続落し弱さが目立つ。前日のパウエルFRB議長のタカ派発言に強まったAUD売り圧力は変わらず。アジア・欧州市場では大枠0.7010~30の狭いレンジで推移。米国市場に入り米債利回りの上昇が続く中で0.7000の大台を割り込み0.6995近辺と安値圏で推移。ただし、米中通商協議は「来週までに妥協する可能性」があるとの報道もあり、オオカミ少年気味ではあるが期待感も!

USDCADは、原油価格の下落の影響もあり、前日のパウエルFRB議長のタカ派発言に強まったCAD売り圧力は変わらず。アジア・欧州市場は大枠1.3430~50の狭いレンジで推移。米国市場に入り、原油価格の下げ幅が拡大し1.3470台へ上昇し高値圏で推移。ポロズ・カナダ中銀総裁(上院銀行委員会1日)は、「カナダ経済がさらされている逆風が後退すれば、金利は現在の極めて低い水準から上昇する」と強気発言、今度は、「現時点で金利は依然として非常に低い、高水準の個人債務を踏まえると、カナダ経済はこれまでになく金利に敏感になっている」と弱気発言をしており、気になる。

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21:30    USD 第1四半期 非農業部門労働生産性・速報値=前期比3.6%(予想2.2% 前回1.9→1.3%)→ 予想を大幅に上回る、雇用コスト指数・速報値=前期比-0.9%(予想=1.5% 前回2.0→2.5%)→ 予想外の「マイナスへ。

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=23.0万件(予想21.5万件 前回23.0万件)→ 予想を上回り悪化するも前回と変わらず
23:00    USD 3月 製造業新規受注=前月比1.9%(予想1.5% 前回-0.5→-0.3%)→ 予想を上回る

23:00    USD 3月 耐久財受注・確報値=前月比2.6%(予想 前回2.7%)、除く輸送機器=前月比0.3%(予想 前回0.4%)→ 速報値からやや低下

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【北米】
米政治専門サイト「ポリティコ」は1日(産経新聞)、米国と中国の貿易協議が来週末までに妥結する可能性があると報道。対立点だった米国による対中制裁関税について、米国が段階的に撤廃することで中国と大筋合意したためだという。ただ、関税の扱いでは詰めの作業が残されており、流動的な要素があるとみられる。報道によると、中国による知的財産権の侵害を理由に、米国が中国からの輸入品の計2500億ドル分に課した追加関税について、まず、10%を課した2千億ドル分の一部を速やかに撤廃し、残りを段階的に削減していく。25%を課した500億ドル分は、来年の米大統領選後まで据え置き、追加関税を維持することで中国に合意事項の順守を迫るという。1日まで米国から通商代表部(USTR)のライトハイザー代表とムニューシン財務長官が北京を訪れ、中国の劉鶴副首相と会談した。8日から劉氏が米首都ワシントンを訪問し、閣僚協議を再開する予定だ。米メディアによると、米中両政府は協議妥結後、首脳会談を開いて合意文書に調印する段取りを描いている。

バー米司法長官(1日)は、2016年米大統領選へのロシア介入疑惑を捜査したモラー特別検察官の報告書の扱いを巡り2日に予定されていた下院司法委員会での証言を取りやめた。

ポロズ・カナダ中銀総裁(上院銀行委員会1日)は、カナダ経済がさらされている逆風が後退すれば、金利は現在の「極めて低い」水準から上昇する。また数分後には「現時点で金利は依然として非常に低い」。高水準の個人債務を踏まえると、カナダ経済はこれまでになく金利に敏感になっている。

【欧州】
BOE金融政策委員会(MPC)は、穏やかで限定的な引き締めの必要性を示し、GBPUSDは1.3070台へ急伸するも、インフレ見通しを引き下げ、成長見通しを引き上げるも一時1.3020台へ下落。
MPC議事要旨は、慎重かつ穏やかで限定的な引き締めが必要。インフレを保つために一回以上の利上げが必要な兆候がある。ブレグジットの遅れは重大な影響を与えない。

四半期インフレレポートはインフレ見通しを引き下げ、成長見通しを引き上げた。◎インフレ率予想は、1年後2.35→1.72%、2年後2.07→2.05%へ下方修正、3年後2.11→2.16へ上方修正。CPI予想は、MPCの2%目標を若干下回ると予想。労働市場は依然として逼迫。2年後には2%の目標を上回り上昇へ。◎成長見通しを上方修正。GDP予想は、2019年1.2→1.5%、2020年1.5→1.6%、2021年1.9→2.1%へ上方修

カーニーBOE総裁は、緩やかな利上げを再開するペースについて市場は過小評価している、ブレグジットを巡る不確実性が存在することで現時点では金利の適切な水準が押し下げられていると。今後は予想通りであれば利上げが必要に。今回の会合では利上げの必要はなかった。2月以降世界経済の緊張は緩和されている。今年の世界経済の成長は穏やかに持ち直すとみている。家計は引き続き楽観的、企業は投資よりも雇用を選好している。

カーニーBOE総裁国内メディに、ブレグジットの衝撃を回避し、経済が中銀の想定通りに推移すれば、今後3年で利上げを実施する公算が大きい。ブレグジットが目立った経済的衝撃を引き起こさなくても、英経済のリバランスが起こる可能性は大きいと予想。消費支出による成長主導の勢いは幾分弱まり、企業の投資は一段と減少する可能性が高い

英国のイングランドと北アイルランドで2日、統一地方選の投票が行われた。2日深夜から翌日にかけて開票され、3日夜に結果が出そろう見通しだ。現地メディアはメイ政権のEU離脱協議の混迷の影響で、与党・保守党の苦戦が濃厚と報じている。

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