2019/05/04

2019年5月4日(土)昨日3日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

2019年5月4日(土)昨日3日、海外市場の動き(午前5時半ごろ)

日中が不在の週末金曜日。終わってみれば材料はともかく、5月1日のFOMC後の記者会見でパウエルFRB議長のタカ派発言から続いたドル買いの反動となった一日。米株は強く米債利回りは軟調ながら他国と比較すれば相変わらず別格。

「主役」の米雇用統計は上下変動から、米株は上昇し米債利回りは低下しドル売りへと波乱、「脇役」のISM非製造業景況指数が弱くドル売りが加速、「飛び入り」のクドロー+ペンス両氏はFRBに利下げ圧力を加える。

米雇用統計は、失業率は約49年ぶりの低水準と好調でNFPも予想外に大幅増加。逆に労働参加率が低下し賃金の伸びも期待に届かず、週平均労働時間は縮小と、ドルは上下変動しながらも、米債利回りは低下しドル売りへと動く。

ISM非製造業景況指数は、予想と前回を下回り2017年8月来の低水準にドル売りが強まる。クドロー+ペンス両氏は、FRBに利下げ圧力を強める。

原油価格は、1日のEIA週間石油統計の原油在庫が2017年9月以来の高水準で、米原油生産量は過去最高を更新するも、ロシア産減原油の品質悪化でパイプラインによる欧州向けが10%の減産となる可能性に上昇傾向を維持。

注目の米地区連銀総裁や理事らの発言は総じて、利下げに対して前向きながら、現状は現行の政策維持をにじます。

英統一地方選は、与党・保守党の大敗が確実な情勢で、最大野党の労働党も議席を減らす見通し。逆に、EU残留支持の自由民主党の勢力が拡大。コービン英労働党党首は、統一地方選の結果があらゆる議員にとって大きな刺激で、膠着している交渉の打開を促進し、ブレグジットに向けた「合意成立」につながると発言し、GBP買いの材料に。

ユーロ圏HICPは、前年比、コア前年比共に予想と前回を上回るもEUR買にならず。

為替相場は、GBPUSDが1.14%の上昇と変化が目立っている。英総合PMI+サービス業PMIは前回より上昇。英地方議会選で与野党ともに議席を大幅に減らす見通しに、GBPUSDは一時1.3000の大台を割り込みGBP売りが強まる。米雇用統計と米ISM非製造業景況指数の悪化を受けて反発し、与野党でブレグジット協議が週明けにも再開との報道もあり、1.3170台まで一時急伸。1.3130台まで下押しするも終盤にかけては再び1.3175まで上昇し高値圏で終えようとしている。

USDJPYは、クドローNEC委員長は、日米貿易協議は月末までに合意する可能性あるとのことで、今後の相場変動要因へ。米国市場では注目の米雇用統計を受け111.50近辺→111.67まで急伸後に米債利回りの低下もありドル売りへと変化。さらに、弱い米ISM非製造業景況指数に111.15まで下落。米債利回りが下げ幅を縮小し一時111.31まで値を戻すも、終盤にかけては111.07まで下落。5月1日のFOMC声明後のボトム111.05に並ぶ水準で推移。

EURUSD+0.27%の上昇、AUDUSD+0.33%の上昇、NZDUSD+0.42%の上昇、USDCADは-0.41%の下落とドル全面安。

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18:00    EUR 4月 消費者物価指数・速報値=前年比1.7%(予想1.6% 前回1.4%)、コア前年比1.2%(予想1.0% 前回0.8%)→ 前年比、コア前年比共に予想と前回を上回るもEUR買にならず

21:30    USD 4月 雇用統計: 失業率=3.6%(予想3.8% 前回3.8%)、非農業部門雇用者数=26.3万人(予想18.5万人 3月19.6→18.9万人 2月3.3→5.6万人)、労働参加率=62.8%(予想63.0% 前回63.0%)、時間当たり賃金=27.77ドル(予想 前回27.71ドル)、平均時給=前月比0.2%予想0.3% 前回0.1→0.2%)、平均時給=前年比3.2%(予想3.3% 前回3.2%)、平均週間労働時間=34.4(予想34.5 前回34.5) → 失業率は約49年ぶりの低水準と好調、NFPも予想外に増加するも、労働参加率が低下し賃金の伸びも期待に届かず、週平均労働時間は縮小、ドルは上下変動しながらも、米金利は低下しドル売りへと動く

22:45    USD 4月 総合PMI・改定値=53.0(予想 前回52.8)、サービス業PMI・改定値=53.0(予想52.9 前回52.9)→ 予想と速報値から小幅ながら上回るが、前月より低下

23:00    USD 4月 ISM非製造業景況指数=55.5(予想57.0 前回56.1)→ 予想と前回を下回り2017年8月来の低水準にドル売りが強まる

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【北米】
クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、日米貿易協議は月末までに合意する可能性ある。

ペンス副大統領は、ワシントンで来週開く協議で中国側と通商合意に達することにトランプ氏が「大きな希望を持ち続けている」。

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、ホワイトハウスが新貿易協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」の履行メカニズム強化に取り組む。

クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、FRBは低インフレを踏まえ利下げを検討している可能性がある。インフレに関するホワイトハウスの見解はFRBとそれほど乖離していない。

ペンス米副大統領は、低インフレ環境を踏まえ、FRBは利下げを検討すべき。「インフレは存在せず、経済は活況だ」とし、「今こそ、利上げではなく利下げを考慮すべき状況にある」

バフェット氏は、現行の財政や金融政策が「極めて低水準のインフレ」と共存することは、長期的には可能ではないが、「こうした私の判断はしばらく間違っているようだ」。

エバンズ・シカゴ連銀総裁は、米経済が軟調になればFRBは利下げを実施する必要がある。経済成長と物価上昇が予想を上回り、将来的に利上げを実施する必要が出てくる可能性もあるとしながらも、経済がアンダーパフォームするシナリオについてより大きく懸念している。変動の大きい食品とエネルギーを除くインフレが今年に入ってから低迷していることで一段の懸念を表明。

ブラード・セントルイス連銀総裁は、「利下げにオープンだ」。第2四半期以降もインフレが低調に推移するようであれば、FRBはインフレ押し上げと信認回復に向けて、利下げに踏み切ることが必要となる可能性がある。

クラリダFRB副議長は、米経済は非常に良好だ。失業率が50年ぶり低水準で、実質賃金は生産性に沿って上昇しつつあり、インフレ圧力も抑制され、物価見通しは安定している。一段の目標金利変更について決める前に、入手指標を監視する余裕が生まれた可能性がある。

【欧州】
英首相報道官は、与野党のブレグジット協議は週明けにも再開へ。

メイ英首相は、最善策は合意の離脱で、議会は合意なき離脱の回避を明確にしている。2回目の国民投票には反対。地方議会選結果はブレグジットを進めろとのメッセージ。

エルドアン・トルコ大統領(2日)、金利やインフレ率を引き下げ、通貨リラ相場も望ましい水準にするとの決意を示す。

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