2019/05/17

2019年5月17日(金)昨日16日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月17日(金)昨日16日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

ドル全面高で独り勝ち。欧米株価は上昇、米債利回りは上昇、原油価格は上昇、VIXは続落。

米国のファーウェイとの取引排除と米中貿易交渉の結末の不透明感、メイ首相の6月上旬の辞任意思表明、米国の自動車税追加関税の延期の裏に輸出数量規制の動きと日米通商協議の行方、欧州議会を来週に控えサルビーニ氏の強硬発言と支持拡大のリスク、サウジとフーシ派の攻撃に原油価格の止まらぬ上昇。

為替相場は、リスクとなる材料は豊富で未解決にも関わらず「織り込み済みなのか? 慣れてしまい感応度が低下したのか?」、今までの流れと異なり、株高+米債利回りの上昇で、「ドル全面高」。

AUDUSDは、アジア市場の豪雇用統計で失業率の予想外の増加(ただし、雇用者+労働参加率は上昇)に0.6890台まで下落した流れは、欧州市場で逆に0.6930台とアジア市場の高値まで値を戻す。米国市場ではリスク回避の巻き戻しが続く中で0.6880台まで続落し安値圏で推移。米国のファーウェイとZTE製品を米国から排除する措置や、米中貿易交渉の継続は不透明で、どうしてもAUD買を積極的にできにくい。

GBPUSDは、メイ英首相は、EU離脱協定の採決後となる6月上旬に辞任時期を表明へ。超党派による英国のEU離脱協議も楽観できず、6月3日の週に行う議会採決も不透明。アジア市場の1.2850台を高値に、欧州市場で続落し米国市場に入り強い米住宅着工・着工件数もあり1.2800を割り込み1.2788まで下落。ただし、この水準をボトムに米国市場では1.2788~00の狭いレンジで推移するも、ダウンサイドリスクは消えず。

USDJPYは、アジア市場の大枠109.30~60の動きから、欧州市場に入りリスク材料は変わらず継続する中で、悪材料にも関わらず円ロングの巻き戻しなのか? 他に円売りの材料があった動きなのか? 要因は不明ながらとりあえずクロスでは円高傾向を維持しながらも、強い米住宅着工・着工件数もあり過去数日間の高値109.70~80を上抜けショートカバーも入り一時109.97まで上昇。109.00~20が底堅くなっていることは確かながら、110.20~30を超えるまでは円高のリスクは簡単に変わりそうに思えず。注意は米国の日本とEUを対象に、自動車輸出の制限を求める大統領令を検討していること!

EURUSDは欧州市場の1.1224を高値に強い米住宅着工・着工件数もあり売りが強まり、前日の安値1.1178を割り込み一時1.1166まで下落。、欧州議会を来週に控え、サルビーニ・イタリア副首相は、選挙集会で「われわれをブリュッセルに送り出してくれたら、イタリアを窒息させている一つ一つの欧州規則を破ってみせよう」、「イタリアもルールを無視するトランプ大統領のような衝撃が必要」とある。財政規律違反を明言しており、党首を務める同盟の票が集まれば政治的リスクとなることを懸念。

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21:30    USD 4月 住宅着工件数=前月比5.7%(予想6.2% 前回-0.3→1.7%)、123.5万件(予想120.9万件 前回113.9→116.8万件)→ 件数は予想と前回を上回る

21:30    USD 4月 建設許可件数=前月比0.6%(予想1.4% 前回-1.7%)、129.6万件(予想128.7万件 前回126.9→128.8万件)→ 件数は予想と前回を上回る

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.2万件(予想22.1万件 前回22.8万件)→ 予想と前回より改善へ
21:30    USD 5月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数=16.6(予想9.0 前回8.5)→ 予想と前回を大幅に上回る

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【北米】
ムニューシン米財務長官は、私はまだ訪中の予定はない、ライトハイザーUSTR代表と適切な時期に訪中する見込み。米中通商合意に自信を持っているかとの記者団からの質問には「そうなることを望んでいる、自信があるとは言わない」と答えた。

トランプ大統領は、安全保障上リスクのある企業との取引を禁じる大統領令に署名。大統領令は特定の国や企業を名指ししていないものの、米当局者らはこれまでにファーウェイを「脅威」とみなし、同盟諸国に対し、5G網に同社製の機器を使用しないよう呼び掛けてきた。

米商務省は、ファーウェイと関連70社について、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」に追加すると発表。事実上の禁輸措置となる。

トランプ大統領は、15日にファーウェイとZTE製z法の通信機器の米国内での販売を制限する大統領令に署名、商務省は米企業に許可取得を義務図けることを発表。→ 国家安全保障を理由に米国の通信ネットワークから同社の製品を事実上排除する措置となる。

ロス商務長官は、ファーウェイとの取引を巡る措置は17日から実施。措置はファーウェイとの交渉開始を意味するものではないと指摘。

ブルームバーグ、トランプ米大統領が日本とEUを対象に、自動車輸出の制限を求める大統領令を検討していると報じた。自動車への追加関税の発動を延期する代わりに、日欧に対米輸出を制限する策を180日以内に講じるよう求める内容だ。日本は輸出数量規制に強く反対しており、実際に発動されれば日米の対立は必至だ。

ブレイナードFRB理事は、2%の物価目標の未達は信任問題になる。貿易問題は不透明感を生じる。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、FRBは2%超のインフレを容認すべき。利上げ前に賃金上昇加速必要。インフレを健全な水準に導く際に、利下げに頼るのは好ましくない。

カナダ中銀金融システムの年次報告は、金融システムに対する全般的なリスクは2018年6月と比べてやや高まっている。全般的に金融システムは復元力を保っており、市場参加者の信頼感はなお高い。
BOC    ポロズ・カナダ中銀総裁は、引き続き年後半に成長が回復すると予想。米中貿易戦争の拡大は主要なリスク。

【欧州】
ビスコ・イタリア中銀総裁は、財政赤字削減の必要性について伊政府と今後も粘り強く議論する。世界経済はユーロ圏の状況はイタリアにとって厳しい局面に。

バイトマン独連銀総裁は、米自動車関税は独自動車産業に重大な影響与える。見通しが許すならば、金融政策正常化を延期する必要はない。米中貿易摩擦の高まりは米GDPにも悪影響与える可能性。

クーレECB理事は、低調な国際競争や賃金の硬直性などのため、サービス価格はもともと柔軟性に欠く度合いが高いと指摘。ユーロ圏でインフレ加速ペースが想定外に鈍い理由として、サービス部門のシェア拡大も考えられる。

メイ英首相は、EU離脱協定の採決後となる6月上旬に辞任時期を表明へ。

1922年委員会(与党保守党議員委員会)のブレイディ委員長は、メイ首相が6月にEU離脱合意案を議会で採決し、退陣スケジュールを策定することで合意

【アジア・その他】
中国商務省が発表した1─4月の同国への海外直接投資(FDI)は、前年同期比6.4%増の3052億4000万元(444億ドル)だった。

日銀の若田部昌澄副総裁は16日午前の参議院財政金融委員会で、日銀による金融緩和政策のもとでイールドカーブのフラット化が進行していることについて、フラット化は金融緩和の目的ではないとし、デフレからの脱却局面ではスティープ化していくことを期待している

中国外務省報道官、中国企業守るため必要な措置講じる。米国側の訪中に関する情報はない。

中国外務省報道官は、米政府がファーウェイに対する新たな規制を発表したことを受け、他国が中国企業に一方的に制裁を科すことに強く反対すると表明し、米国は中国との通商関係をさらに悪化させるような行動を避けるべきと指摘。

中国商務省 :米国によるいじめと最大限の圧力戦略に強く反対する。米国が続けるなら、中国は通商について必要な対抗措置を取らざるを得ない。中国はどのような圧力も恐れない、いかなる挑戦にも対応する自信ある。米通商代表団の訪中計画、現時点でいかなる情報もない。米国が通商巡る緊張高めていることは遺憾。米国による関税引き上げ、2国間の通商協議をより困難にしている。

原油価格上昇、サウジはドローンの石油施設攻撃の報復で、イエメン首都でフーシ派を狙った空爆を数回実施。

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