2019/05/23

2019年5月23日(木)昨日22日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年5月23日(木)昨日22日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米中貿易摩擦と英国の政治的混乱はより深まり、FOMC議事録からは期待した年内の利下げに関するヒントは見られず。流れはリスク回避でドル高+クロスで円高へ。

リスク回避の動きに、米株は弱含みで推移しマイナス幅を回復できず、米債利回りは大幅低下し10年債は2.38%台へ低下。原油価格は在庫増が続き一時3%超の下落と61.30ドル台近くで推移。

FOMC議事録は、市場が期待していた年内の利下げに関するヒントは見られず。現行の忍耐強い姿勢は「当面」維持可能と一致で相場への影響は見られず。

米政府は、中国の大手ビデオ監視機器メーカーなど米企業最大5社をブラックリストに掲載することを検討との報道や、ファーウェイとの取引停止企業が拡大。

ムニューシン米財務長官は「協議再開に向け米当局者が訪中する予定はない」との発言にリスク回避の動きが強まり、米中首脳は6月末にあう可能性が高いとの発言にやや落ち着く。

メイ英首相の新提案が議会で支持される可能性は低く、離脱案の断念や即時退陣を求める圧力が強まり、英国の政治的混乱が深刻化するリスクが強まる。

米週間石油在庫統計で原油は+474万バレルと2週連続で積み増し増加し原油価格は2%近く低下へ。

USDJPYは、アジア市場の110.63を高値に、米中貿易摩擦と英国の政治的混乱に米株と米債利回りは弱く、一日を通じてリスク回避の円買いに110.24まで緩やかに下落し、クロスでも円高傾向が続く。昨日の欧州市場まで続いた110.00~30のレンジブレークから急伸した流れのポイント上限近くに戻っただけで極端な円買いも見られず。取り巻く環境は引き続き円買いを示唆するも実需筋の動きは弱い。注目はクロスでの円高がどこまでUSDJPYの売りを引っ張っていけるか!

GBPUSDは、メイ首相の退陣リスク、離脱案の断念リスク、解散総選挙のリスクなど、GBPを取り巻く環境は悪い。メイ英首相は、国民投票の是非を問う議会採決の提案や、次回の総選挙まで暫定的な関税同盟残留などの新提案を発表したが、保守党内の強硬離脱派が猛反対、労働党も法案審議で協力を否定。アジア市場の1.2719を高値に米国市場は1.2624まで下落。米国市場の買い戻しも1.2694が限度で引き続き弱さが目立つ。


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17:30    GBP 4月 消費者物価指数=前月比0.6%(予想0.7% 前回0.2%)、前年比2.1%(予想2.2% 前回1.9%)、コア前年比1.8%(予想1.9% 前回1.8%)、小売物価指数(RPI)=前月比1.1%(予想0.9% 前回0.0%)、前年比3.0%(予想2.8% 前回2.4%)、実勢インフレ率(RPIX)=前年比3.0%(予想2.8% 前回2.4%)、PSNCR=-71億ポンド(予想 前回→88億ポンド)、NCR=-98億ポンド(予想 前回→221億ポンド)、PSNB=50億ポンド(予想51億ポンド 前回→-10億ポンド)、=CPIは予想を下回るも、RPIは予想を上回る

17:30    GBP 4月 生産者物価指数:(仕入れ・投入指数)=前月比1.1%(予想1.2% 前回-0.2→-0.8%%)、前年比3.8%(予想4.4% 前回3.7→3.2%)、(出荷・産出指数)=前月比0.3%(予想0.3% 前回0.3→0.1%)、前年比2.1%(予想2.3% 前回2.4→2.2%)、コア前月比0.2%(予想0.2% 前回0.0→-0.1%)、コア前年比2.2%(予想2.2% 前回2.2%)

21:30    CAD 3月 小売売上高=前月比1.1%(予想1.0% 前回0.8%)、除く自動車・前月比1.7%(予想0.8% 前回0.6%)→ 予想を上回る

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【北米】
米政府は、中国監視関連企業のエンティティー・リスト入りを検討と報道。

人民日報、米中通商協議で姿勢を後退させているのは米国

NYタイムズ、トランプ政権は、米テクノロジー会社の買収を企てており、これを阻止する意味もあり、ファーウェイに続き中国の拍ビジョン社をエンティティー・リストに加えると報道。

ブルームバーグ、米政府は大手ビデオ監視機器メーカー、杭州海康威視数字技術など中国企業最大5社について、米国の重要技術利用を事実上禁じることを検討している。米商務省の「エンティティー・リスト」に追加されると、許可なしでの米国製部品やソフトウエアの調達が禁止される。これら関係者によれば、同リスト掲載が検討されているのは杭州海康威視数字技術と浙江大華技術のほか数社。関係者らが匿名を条件に語ったところでは、トランプ政権はこれら企業が新疆ウイグル自治区でのウイグル族抑圧に果たしている役割を懸念している。

ムニューシン米財務長官は、米中通商協議について、現時点で協議再開に向け米当局者が訪中する予定はない。「北京訪問の予定は未定」との発言にリスク回避の動きが強まるが、米中首脳は6月末にあう可能性が高いとの発言も。

ムニューシン米財務長官は、政府は現在、導入を発表した対中関税措置が消費に及ぼす影響を検証しており、実際の導入を巡る決定は少なくとも1カ月先になると

ブラード・セントルイス連銀総裁は、インフレ率が一段と弱い数字になれば、FRBは利下げに踏み切る可能性もある。昨年12月の利上げは若干行き過ぎた可能性がある。利下げの話は時期尚早、現状は若干引き締め気味。中国の米国債売却は言われているほど大きな脅威ではない。

ローゼングレン・ボストン連銀総裁は、米中は通商合意できると予想するも、通商摩擦への予想が違う場合には金融政策の再考も必要。関税は米経済にとって大きなリスク。

ウィリアムズNY連銀総裁は、金利をどちらに動かすか強い議論はない。インフレはしばらく2%付近にあることを予想したい。

カプラン・ダラス連銀総裁は、米経済は今年2.25─2.50%と堅調なペースで成長し、インフレ率はFRBの目標に向けて動いていく。米金利水準は適切な水準にある。

FOMC議事録は、金利変更に対する辛抱強さがしばらくは適切と、金融政策を巡る現行の忍耐強い姿勢は「当面」維持可能との見方でメンバーらが一致。会合ではバランスシートの構成などについても突っ込んだ議論が行われた。

トランプ大統領は、インフラ整備を巡る民主党との協議を突如打ち切り、ロシア疑惑を巡り自身への調査を拡大している民主党議員や、自身が「事実隠蔽」に関与したと非難したペロシ下院議長への反発

【欧州】
英労働党報道官は、メイ英首相は新提案を審議にかけないことが賢明。

ランスのルメール経済・財務相、今週の英国の欧州議会選について、EU離脱運動を主導したナイジェル・ファラージ氏率いるブレグジット党が勝利すれば、EUにとって大きな問題になると指摘、英国はできる限り早期にEUを離脱すべき。→ 世論調査によると、ブレグジット党の支持率は与党保守党と野党労働党を引き離し、トップの座を維持している。

ランスのルメール経済・財務相は、ファラージ氏が35%以上の票を獲得すれば、EUの運営が難しくなる」と述べ、「いつまでこのような状況が続くのだ」とコメント。「私は英国民がEU離脱を決めたと考えている。離脱は早いほうが良い」と指摘した

ブルームバーグ、自らの離脱案を断念し、数日以内に退陣するよう求める圧力に首相が直面している→ 再国民投票を巡り議会に意思決定の機会を約束するメイ首相の新たな提案は、最大野党・労働党から与党保守党内の離脱強硬派まで各方面から直ちに拒否された。複数の政府高官らは、首相の提案がこれほど早く、これほど悪い反応に遭った事実に衝撃を受けたと述べた

英保守党で離脱推進派のレッドソム院内総務が内閣の閣僚を辞任。

1922年委員会は、メイ首相の退陣を現時点で追及しないことを決定、24日に再び議論を行う。

メイ英首相は、国民投票の是非を問う議会採決を提案や、次回の総選挙まで暫定的な関税同盟残留などの新提案を発表したが、保守党内の強硬離脱派が猛反対、労働党も法案審議で協力を否定。

イタリア統計局は、今年の成長率を昨年11月1.3→0.3%へ下方修正。対外貿易の減速や欧州経済の見通し悪化のほか、昨年後半のリセッションを反映させた。

【アジア・その他】
中国の王毅外相は、米政府がファーウェイを含む中国の民間企業に圧力を掛けていることは、典型的な経済的ないじめであると批判

中国の習近平国家主席は、国際情勢が複雑化する中で、中国は困難な時代に備える必要があるとの認識を示した。米国との貿易摩擦には言及せず。

オセアニア外国為替市場の豪ドルは5カ月ぶりの安値付近。市場は年内に2回の利下げがあると予想、来年3度目の利下げがあると予想する声も聞かれる。

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