2019/05/29

2019年5月29日(水)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年5月29日(水)アジア・欧州市場序盤の動き

アジア市場は、人民日報が「中国が貿易戦争で米国への対抗手段としてレアアースを利用する用意がある」と報道。終わりの見えない米中貿易摩擦の拡大、米景気の減速懸念、中国経済の低迷のリスクも変わらず。

せっかく米国が中国の為替操作国の認定入りを見送ったにも関わらず、USDCNHは上昇し人民元安へと動き、リスク回避の株安+債券利回り低下、原油価格も59ドル台から下落。

為替市場は「ドル高+円高」へ。円はクロスでも全面高で、市場は取り巻くリスクを危惧した流れが止まらず。

日経平均株価は1.21%の下げ、上海総合はようやくマイナスを脱却するも勢いは今一つ。欧州通貨もマイナスからスタートし、ダウ先物も弱い。米債利回りは軟化傾向が止まらず。

USDJPYは109.44を高値に109.50を試すことなく109.15~44のレンジで、円はNZDJPYが0.39%下落をベストにクロスで全面高。日本株、欧州株、米株先物の下落もさることながら、米債利回りの下落を意識した動きで、先の109.00~10の底値を試す動きは止まりそうに無い。

EURUSDは、1.1173を高値に欧州市場の序盤では1.1150台へと下落。EURを買い上げる動きは弱く、また材料はいまだ見当たらず、底値を試す動きが続きそう。

GBPUSDは、1.2665を高値に欧州市場の序盤では1.2630台へ下落。GBPを買い上げる材料はポジション調整以外に見当たらず。


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米財務省は半期に1度の為替報告書(28日)で、中国の為替操作国認定を見送り、中国は補助金や国有企業など市場をゆがめる要因の是正に積極的に取り組む必要があるとも指摘。

米財務省は半期に1度の為替報告書(28日)では、通貨政策分析の対象となる主要貿易相手国・地域を21に拡大。通貨政策を注視する監視リストには、前回に続き中国、ドイツ、日本、韓国を指定するとともに、新たにアイルランド、イタリア、マレーシア、シンガポール、ベトナムを追加し、計9カ国を監視対象とした。

ムニューシン米財務長官は声明で、中国の対米貿易黒字が極めて大規模かつ拡大しつつある中で人民元相場が過去1年でドルに対し8%下落したことを踏まえ、財務省は為替相場の問題に関する中国との2国間の取り組みを継続すると表明した。

中国の共産党機関紙・人民日報が29日の論説記事で、貿易戦争を巡る米国への対抗手段としてレアアース(希土類)を利用する用意があると表明。


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10:00    NZD 5月 ANZ 、経済活動見通し=8.5%(予想2.9% 前回7.1%)=経済信頼感-32.0(予想-42.7 前回-37.5)

15:45    FRN 第1四半期 GDP・確報値=前期比0.3(0.3% 前回0.3%)、前年比1.2%(予想1.1% 前回1.1%)→ 前年比は予想を上回る

15:45    FRN 5月 CPI・速報値=前月比0.2%(予想0.3% 前回0.3%)、前年比1.0%(予想1.1% 前回1.3%)、HICP前月比0.2%(予想0.2% 前回0.3%)、HICP前年比1.1%(予想1.1% 前回1.5%)

16:00    CHF 5月 KOF景気先行指数=94.4(予想96.2 前回96.2)→ 予想を大幅に下回る


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