2017/12/10

今週の為替相場を考える(12月11日~12月15日)

今週の為替相場を考える(12月11日~12月15日)

今年も残すところ残り3週間。今週の焦点は主要国の金融政策でFOMCは期待通り利上げを実施し来年に向け3度の利上げ期待を残すことがでるのでしょうか? また、政治的な動きも相場変動要因となっています。
 
金融政策では米国(FOMC)・英国(BOE)・ユーロ圏(ECB)・スイス(SNB)と主要国で金融政策を発表します。FOMCは利上げが既成事実化されており、BOEやECBもブレグジット交渉の不透明感が薄らいでくることにより、金融政策で何らかの変化が生じる可能性も気になります。
 
米国では、税制改革法案の成立期待+リパトリ課税の減額による更なる株高期待やドル買い需要があるのでしょうか? 2日に可決した米税制改革法案は最終的な調整・すり合せを経て目標の22日にトランプ大統領が署名できる動きなるかを注目しています。
 
英国とEUではブレグジット交渉の主要3要件でなんとか合意に達し14日のEU首脳会議の評価待ちで、次のステップへと期待を繋ぐことができるのでしょうか? 独では、メルケル首相は独連立交渉でSPDとの政権協議で、期待通りに合意に向けた具体的な話し合いをすることができるのでしょうか? 
 
米国のロシアゲート疑惑では、フリン前米大統領補佐官が司法取引でロシア疑惑について証言した流れの広がりはどうなるのでしょうか? トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として承認したことによる中東情勢の変化が今後みられるのでしょうか? 気になることが多く残っています。
 
 
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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】
 
 

◎USDJPY【予想レンジ 112.95~114.00 レンジの上限を上抜ける】
 
 
先週のUSDJPY相場は、税制改革法案の可決=年内法案成立期待と、「リパトリ減額=ドル買い需要の拡大期待」から始まる円売りは、英国とEUのブレグジット交渉の進展や独政権協議の再開に、「リスク選好=円売り」へと変化し、「株高=米債利回りの下げ止まり」もあり、113円をボトムとした流れに変化しています。これらの政治的な動きの結果によって方向性が決まってくると思いますが、今までの111.00~115.00の相場の抜け出すの至難の業と言わざるをえません。
 
DailyチャートのBBは、Basis=112.35、Upper=113.87、Lower=110.83で、先週は一時的にBasisを割り込む局面もあるが、基本はこのポイントをベースに上昇を続け、Basis~Upperのレンジで推移。
 
DailyチャートのStoch RSIは、K=95.81 D=88.41と、買いを継続していますが、買われ過ぎゾーンまで達しており、強いトレンドのある上昇でなければ警戒感も。
 
DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続で長期的な買いの流れは変割らず。200日MA close=111.66、high=112.07、Lower=111.23を上回り上昇傾向を維持。36日MA close=112.96、high=113.35をも上抜けし上昇傾向を維持、112.96までの下げの可能性は残るが逆にその水準で下げ止まることができるかを注目。
 
IMM通貨先物は、【円】-110,640→-114,267(-3,627)で、円は、ショートNO.1の座を維持し、10月10日以降は10万コントラクトのショートを下回ることはなく、11月29日から54週連続でショートを維持。今回も前日比で若干ながらショートが拡大し円先安を意識したショートポジションの維持で変わらず。
 
USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.25→-0.45%と上昇、1か月も-0.60%→-0.65へ上昇し、1年までの長いところも上昇気味で、円高リスクが弱まっている。
 
 
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◎EURUSD【予想レンジ 続落←1.1650~1.1850】
 
EURUSD は、EUR売りの材料となる米国のリパトリ減税によるドル買い・ユーロ売り需要の有無、EURGBPの売り要因が続くのでしょうか? 逆に、英国とEU離脱交渉の第一ステップは不安定ながらも何とか基本合意に達し、独連立政権交渉では与党はSPDと政権協議を開始することを決定しており、今までの不透明感が徐々に晴れつつあり、ECBの今後の金融政策で何らかの変化を期待できる半面、予想外に強いEUR売りにやや不安感も残り、これらのブル・ベア材料の綱引きになる可能性も考える必要がありそうです。

DailyチャートのBBは、Basis=1.1814、Upper=1.1943、Lower=1.1686で、Basisを割り込み売りの流れが続き、Lowerの1.1686をボトムとした動きも。

DailyチャートのStoch RSIは、K=1.828、D=27.07と、売りの流れは変わらず、売られすぎゾーンにあるも変化には時間がかかる可能性も。

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1408にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1748にあり先週はこの水準近くをボトムにした流れとなっている。high=1.1785、lowは=1.1714でこの水準で下げ止まることができるかを注目。

IMM通貨先物は、【ユーロ】89,681→93,106(3,425)は、ユーロは、相変わらずNO.1のロングで、5月9日からロングを維持し今回も微増となっていますが、ネットポジションで10万の大台を上回ることは一度もなく極端な強きムードには至らず。

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.45→0.30%へとEURコールが低下、1か月も0.55→0.35%へ低下、3か月から先の長いところも予想外に低下傾向が強く、ユーロ高先高リスクの修正が強まっている。



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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3250~1.3570】

ブレグジット交渉の動きや思惑に上下する相場が続いていましたが、ようやく主要3分野で合意に達したことで材料はGBP買いと思いながらも、GBPUSDの買いは予想外に鈍く、北アイルランドとの国境をめぐる話し合いは不透明感が続いていることが材料なのか、安値圏で終了していることも気になります。

今週はBOEの金融政策委員会ではブレグジット交渉の進展でなんらかの変化があるのでしょうか? それとも、従来通りの慎重姿勢は変わらないのでしょうか? GBPUSDは1
.3300を維持することができるかを注目したいと思います。。

DailyチャートのBBは、Basis=1.3326、Upper=1.3561、Lower=1.3091、先週の高値は4日の1.3539で4日のUpper1.3517を若干上回るも、比較的素直にBBバンドの上限で上げ止まっている。

DailyチャートのStoch RSIは、K=25.58、D=59.16と、先週の買われすぎから調整が進み若干の売られ過ぎからニュートラルに近い水準へ。

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.2958にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線のclose=1.3256、high=1.3304、low=1.3196で先週の安値は1.3320までとどかず上昇傾向を維持。

IMM通貨先物は、【ポンド】4,573→6,406(1,833)と、ポンドは、微増でロングを維持するもネットポジションのロングは極めて少なくニュートラルに近い。ロング・ショート共にネットポジションの傾きは少なく、10月17日以降では1万コントラクトを上回ることはなく、ブレグジット交渉の行方に自信がもてないでいるように思えてならない。

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.00→-0.15%とニュートラルからGBPプットへ、1か月-0.05→-0.25%%とGBPプットが拡大、3か月から先の長いところもGBPプットが拡大し、前週までの流れは変化へ。

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