2017/12/15

2017年12月15日(金曜)昨日14日、海外市場の動き(午前5時前後)

2017年12月15日(金曜)昨日14日、海外市場の動き(午前5時前後)

前日のFOMCに続き、BOEやECBも予想通りながら、英国・欧州株は弱く英仏独の債券利回りは低下気味。為替相場は米株安+米10年債の伸びも続かず、一部のタカ派期待の反動なのか発表した国の通貨が売られる動きが続く。

為替相場は通貨間での動きも異なり、NZDUSD-0.5%超下落、AUDUSD+0.4%超の上昇でAUDNZDは+1%近く上昇。EURUSDは-0.3%超の下落、GBPUSDは0.1%近くの上昇でEURGBPは0.4%超の下落と、相反する動きが続く。

為替相場の反応はBOE理事会とBOE金融政策委員会の発表にも予想通りでサプライズもなく動きは鈍かったが、米10年債利回りは上昇傾向が続き、強い米小売売上高を受けドル買いの流れが続き、欧州市場の終盤で米債利回りの上昇幅が縮まるとドル売りも弱まる。

BOEは政策金利0.0%を予想通り据え置き、穏やかな引き締め見通しを維持。ECBは政策金利0.5%を予想通り据え置き、成長とインフレ見通しを引き上げ、逆に景気刺激策の維持を確約。

米小売売上高は、前月比=0.8%(予想0.3% 前回0.2→0.5%)と強くドル買いが強まる。米輸入物価指数の円年比は3.1%と石油製品の急騰に7年ぶりの伸び率へ。米企業在庫は、前月比-0.1%と予想と変わらず前回からは低下。米総合PMIはサービス業が予想外に弱く総合は前回を下回る。

米株は軟調に推移(午前5時45分現在)、ダウ-21.26(-0.09%)、Nasdaq-8.32(-0.12%)、S&P500-5.39(-0.2%)、欧州株も弱くStoxxEurope600は-1.79(-0.46%)と低下。

米債利回りは小幅高。10年債利回りは一時2.39%まで上昇し上昇幅を縮めて2.353%(+0.01%)、2年債は1.815%(+0.037%)と上昇へ。

AUDUSDは、アジア市場に発表の豪雇用統計は、新規雇用者数は前回が上方修正され予想を大幅に上回り、労働参加率も予想外に増加し、直後からAUD買いが強まる。BOE金融政策委員会+ECB理事会の結果にも動きは鈍く、強い米小売に一時0.7650まで値を下げる局面も見られたが、終盤には0.7680上昇し高値圏で推移。

USDJPYは、欧州市場の112.88を高値に112.50台まで一時下落。強い米小売売上高に112.80台を回復しながらも、動きは鈍い。米株が軟調に推移し、欧州市場の終盤に入り、米10年債利回りが2.39%を高値に下落するとドル売りへと変化、112.50を割り込むと売りが加速し112.07まで続落。円はAUDJPYとCADJPYを除き、特にNZDJPYでは-0.7%超と円高傾向が強まる。

EURUSDは、7年ぶりの高水準となった総合PMIにもEUR買いは鈍く、ECB理事会+ドラギECB総裁記者会見+ECBスタッフ経済予測と重要な発表にも、タカ派期待が強かった反動なのか、1.1810~40のレンジで大きな動きは見られず。強い米小売売上高の発表を受け1.1860台→1.1800の大台を割り込み1.1770台まで下落し、終盤にかけては1.1800台を回復するも続かず。

GBPUSDは、英小売売上高が予想外に強く1.3460台へ上昇から1.3400台まで下落と上下変動。BOE金融政策委員会も予想通りながら、タカ派な発言もなく反動に1.3410のトライが続き、強い米小売売上高に1.3400を割り込み一時1.3390台まで続落から、1.3440台まで値を戻し推移。

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ECB=政策金利0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.40%の据え置きを決定、予想通り。月額の買い入れ枠600→300億ユーロに減額し、期間を1月→9月まで延長は変わらず。

ECBの予想値=経済成長見通しを引き上げ、2017年2.2→2.4%、2018年1.8→2.3%、2019年1.7→1.9%。インフレ見通しは、2017年1.5→1.5%、2018年1.2→1.4%、2019年1.5→1.5%、2020年1.7%でECBの物価目標2.0%を下回る。

ドラギECB総裁=成長・インフレ見通しの引き上げにも関わらず、ECBは政策スタンスやガイダンスの変更について討議しなかった。

ドラギECB総裁=デフレリスクが消えたと安心して言える。インフレ率は金融政策の支援の有無にかかわらず、自律的に持続可能で維持可能である必要があり、金融政策支援の変更について議論するのは時期尚早だ。前回の理事会の時点と比べると明らかに確信は強まっている。

ドラギECB総裁=資産買い入れとインフレの関連付けをやめることについては討議しなかった。れわれは経済について「回復」ではなく、「拡大」という表現を用いていることについて言及しておきたい。

ドラギECB総裁=経済拡大に一段の弾みがつき、裾野が広がるなか、冒頭でも述べた通り、さまざまな形での刺激策を講じることは当然といえる。そのため、金利の道筋を示すフォワードガイダンスによる刺激策の重要性が一段と高まることになる。

ドラギECB総裁=米国との金融政策決定、したがって金利決定の違いは、異なる景気回復動向を映す。米国では一段と回復が 進む。政策の違いに伴うユーロ圏経済へのマイナス影響は把握していない。

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BOE=政策金利0.5%、資産買い入れ額4350億ポンド、社債買い入れ枠100億ポンドの据え置きを9人の全員一致で決定、予想通り

BOE声明=欧州連合(EU)と離脱条件を巡り大筋合意が得られことで、離脱プロセスが無秩序となるリスクが低下し、これにより経済に対する信頼感が押し上げられる可能性がある。

BOE声明=来年2月に新たな見通しを公表する際、EU離脱の進展をより詳細に反映させるとしている。

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仏中銀=2017年GDP見通しを上方修正、2018年1.6→1.7%、2019年1.6→1.8%、2020年1.6%。ビルロワドガロー総裁は仏紙=成長は以前より均衡が取れている。国内需要や企業などの投資が消費の勢いを受け継ぎ、対外貿易もこれまでほど重荷とならないだろ。