2017/12/31

今週の為替相場を考える(1月1日~1月5日)

今週の為替相場を考える(1月1日~1月5日)

2018年がスタートとします。1月1日の元旦は世界的に休場で取引はありませんが、海外市場では1月2日から新年の取引がスタートし相場変動が始まります。ただ、国内は1月3日まで休み4日スタートが多く、気分は12月30日~1月3日までの5連休です。

年始の為替相場の動きは、年末にポジション調整も終わり「いざ新年のスタート」に予想外に積極的に動く可能性もありますが、例年のことながら海外勢に先陣を譲り後追い相場になる可能性が高く、流れの本質も見誤り火傷をすることも多いのが過去の教訓です。

先週の米債利回りの低下、資源価格上昇と、ドル売りの流れがどのように変化するのでしょうか? また、影響力は徐々に低下していますが、トランプ大統領と北朝鮮に振り回される流れがどこまで続くのでしょうか? 市場のボラティリティが歴史的な水準まで低下している今、次の大相場を期待したくなります。

今週の重要な材料としては、米税制改革法案も本決まりとなり、次は1月30日の一般教書演説の前にインフラ投資計画を発表すると思われており、福祉制度改革を含めてこれを材料とした投機的な動きが考えられます。

ドイツでは1月3日に主要3政党が連立協議を開始する予定でその結果を注目しています。先日の世論調査ではメルケル首相へ4期目終了前の退任を望む声が過半数近いこともあり、求心力に不安が生じています。一方、強い独CPIや良好は経済指標にECBの緩和縮小の期待に上昇しているEURは何処までこの流れを継続できるのでしょうか?

1月6日にはスペイン・カタルーニャ州政権樹立交渉を開始する予定で、過去の結果から過大に危惧する必要もありませんが、場合によっては再選挙となる可能性もあり、注意が必要です。

今週は、新年早々で重要人物による発言は極めて予定は少なく金融政策の発表はありませんが、3日のFOMC議事録と5日の米国とカナダの雇用統計が最も重要で、予想外の結果に新年で投機筋の動きも活発で相場変動が加速する可能性が高くなります。特にカナダドルは資源価格の上昇もあり、強い数字では再利上げの期待がより高まる可能性もあります。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】



◎USDJPY【予想レンジ 111.90~113.80】

引き続き、他国との金融政策の違いによる円安思考は変わらず。逆に、テクニカルベースではUSDJPYの上値が重くなり円高を期待する声も多くなっています。原油価格は2015年半ば以来の高水準となる60ドル台へ上昇、USDJPYと連動性の高い米10年債利回りは、2.3~2.5%のレンジを脱しきれず。結局は大枠で111~115のレンジ相場が続く半面、円クロスでは数か月来の円安水準となっています。また、トランプ減税によるリパトリのドル買いが今後相場に影響する可能性もあり、相場見通しは複雑。

DailyチャートのBBは、Basis=112.90、Upper=113.79、Lower=112.00で、先週はBasisを割り込み終了し、Lower~Basis112.00~112.90のレンジで推移する可能性が高い。

WeeklyチャートのBBも、Basis=111.93、Upper=115.21、Lower=108.66と、4月17日からLower~Upperのレンジで、9月18日の週から継続中でBasis~Upper のレンジでの動きが継続中で、今週も大枠は111.93~115.21のレンジで推移する可能性が高い。

DailyチャートのStoch RSIは、K=40.76 D=62.11と、買いから売りへと変化し、ニュートラルゾーンで推移。

DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続で弱いながらも買いの流れを継続中ながら徐々に36日線が切り下がっており上値の重い流れへ。200日MA close=111.64、high=112.04、Lower=111.21で、high=112.01をボトムとした流れが続いている。36日MA close=112.67、high=113.02、Lower=112.35で、highの113.02とcloseの112.67を割り込み、112.01、112.35、113.00のポイントを意識。

IMM通貨先物は、【円】-114,373→-116,086(-1,713)、昨年11月29日から57週連続しショートで、NO.1ショートの座を堅持。年末ぎりぎりでもショートの減少は見られず、円売りの動きは変わらず。為替市場のUSDJPYは112~114のレンジを継続中。

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.70→-0.3%と低下(円安リスクへ)するも1か月超では変化が見られず。ボラティリティは1か月6.4%と12月12日以降は6%台の歴史的に見ても低水準が続き、USDJPY相場が動かないことを反映するも、いざ動き出すとその流れが続く可能性も気になる。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.1835~1.2090→上昇】

1.20の大台を達成したことでテクニカルでも上昇傾向を意識せざるを得ない状況となっていますが、9月上旬に1.20台を達成して通貨当局のEUR高牽制発言に下落した記憶を忘れることはできません。ただ、その後の変化を見るとブレグジット交渉の第一段階はパスし強い独CPIや最近の好調な経済指標もあり、ECBのQEの縮小に続き早期の緩和縮小期待も、最近のEUR高を後押ししているように思われます。

DailyチャートのBBは、Basis=1.1835、Upper=1.1968、Lower=1.1702で、basis~Upperのレンジから、先週はUpperを上回るEUR高へ。

WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1823、Upper=1.2060、Lower=1.1587と、Basisを中心としたレンジ相場からUpperの1.2060の試す動きとなっている。また、1.2092は9月4日の高値となっており、1.2060~90は重要なポイント。

DailyチャートのStoch RSIは、K=81.04、D=89.58と買いの流れを継続ちゅうながら、買われすぎゾーンにある。

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1490にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1816、high=1.1849、low=1.1778で、先週はhighをボトムに上昇傾向が続いている。

WeeklyチャートのMAは、36日線Close=1.1607が200日線Close=1.1596を上回り、新たなEUR高を期待し高くなる動きとなっている。

IMM通貨先物は、【ユーロ】86,224→92,148(5,924)、5月9日から34週連続でロングをで、NO.1ロングの座を堅持。為替市場ではEURUSDは1.2の大台へと上昇するなど、9月4日の週の高値1.2092を目指す動きを継続中。

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.25→0.30%へ、1か月も0.30→0.45%へ上昇。3か月超は変わらずで、短期的な上昇リスクがある反面、長期的には変化が見られず。

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