2017/12/14

2017年12月14日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

2017年12月14日(木曜)欧州・米国市場序盤の動き

BOEは政策金利を据え置き、穏やかな引き締め見通しを維持。ECBも政策金利を据え置き、前回と変わらず来年1月から資産購入量を現在の月600→3000億ユーロに半減へ。

ドラギECB総裁は現在の金利水準はQE終了後もしばらく継続、ECBスタッフ経済予測=2017年のインフレ見通しを1.5%に据え置き。2018年のインフレ見通しを1.2%から1.4%に引き上げたが、共に為替相場では大きな変化は見られず。

スイス中銀も予想通り政策金利を据え置き、ユーロ圏の総合PMIは7年ぶりの高水準、仏サービス業PMIは17年ぶりの高水準、IFO経済研究所は2018年のドイツ経済成長率見通を2.0→2.6%へ上方修正するもEURの買いは見られず。そして、米小売売上高は、前月比=0.8%(予想0.3% 前回0.2→0.5%)と強くドル買いが強まる。

欧州株は弱く、StoxxEurope600は-0.79(-0.20%)、英FTSEは-0.17%、独DAXも-0.35%低下。ダウ先物は24678(+0.13%)上昇。独10年債は0.331%(+0.016%)と小幅上昇、英10年債利回りは1.19%(-0.027%)と低下。米10年債利回りは2.366%(+0.022%)と強くドル買いの材料となる。

為替相場の反応はBOE理事会とBOE金融政策委員会の発表にも予想通りでサプライズもなく動きは鈍かったが、米10年債利回りは上昇傾向が続き、強い米小売売上高を受けドル買いの流れが強まる。

USDJPYは、欧州市場の112.88を高値に112.50台まで一時下落。強い米小売売上高に112.80台を回復しながらも、動きは鈍い。

EURUSDは、7年ぶりの高水準となった総合PMIにもEUR買いは鈍く、ECB理事会+ドラギECB総裁記者会見+ECBスタッフ経済予測と重要な発表をうけながらも、1.1810~40のレンジで大きな動きは見られず。強い米小売売上高の発表を受け1.1860台→1.1800まで下落へ。

GBPUSDは、英小売売上高が予想外に強く1.3460台へ上昇から1.3400台まで下落と上下変動。BOE金融政策委員会も予想通りながら、タカ派期待もなく1.3410のトライが続き、強い米小売売上高に1.3400をトライするも続かず。安値圏で推移。

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BOEのMPC=金融政策の据え置きを予想通り決定。景気の展開が予想通りであれば今後数年に「緩やかな追加利上げ」が恐らく必要になるとの見解を重ねて示唆。具体的な時期には言及無し。金融政策の据え置きは9名の前回一致。市場は、次回の利上げは2018年の遅い時期と予想。

ECB理事会=金融政策の据え置きを予想通り決定。2018年1月から資産購入量を現在の月600→3000億ユーロに半減。量的緩和政策の終了期限は17年12月末→18年9月末まで9カ月間延長。

ECB理事会=量的緩和終了後も相当期間にわたり現行水準を維持し、インフレが持続的に調整されるまで続ける。市場は、量的緩和の終了は最短でも18年9月で、延長もあり得ると予想。

ドラギECB総裁=現在の金利水準はQE終了後もしばらく継続。インフレ上昇のために引き続き大規模な緩和が必要。2ヵ月前に比べ目標に到達できる公算高まった。

ECBスタッフ経済予測=2017年のインフレ見通しを1.5%に据え置き。2018年のインフレ見通しを1.2%から1.4%に引き上げ。2019年のインフレ見通しを1.5%に据え置き。


独IFO経済研究所=2018年のドイツ経済成長率見通を2.0→2.6%へ上方修正。所長は、ドイツ経済は好調で、建設から製造、貿易まで多くのセクターの景気が良くなっており、IFO業況指数も過去最高を更新。2017年GFDPは2.3%で据え置き、2019年は2.1%と予想。


トルコリラ急落=中銀は4つの政策金利のうち後期流動性ウインドウ金利を12.25→12.75%へ引き上げ、他の3つの金利は据え置いた。市場は利上げ幅に失望し一時USDTRYは2.1%上昇。