2017/12/24

今週の為替相場を考える(12月25日~12月29日)

今週の為替相場を考える(12月25日~12月29日)

メリークリスマス! クリスマス休暇と年末・年始を前にして、今週の為替相場は、重要な経済指標の発表もなく、政府・中銀関係者も長期休暇入りで要人の発言もなく、市場参加者も激減し一年で最も閑散で穏やかな相場になることが多い一週間を迎えます。

ただし、海外勢にとってはクリスマス明けが一年の始まりとなることも多く、年始の先取りする動きとなることも忘れてはなりません。また、可能性は非常に低いものの、クリスマス休暇を狙ったテロ攻撃や北朝鮮の事変など突発的な動きも気になります。それぞれの結果にも対応できる準備も必要ではないでしょうか?

大型選挙公約の実現に難産していたトランプ大統領は、30年ぶり大規模な税制改革法案を成立することが可能となり、米10年債利回りは上昇景況にあり、予想金額には差がありますが今後のリパトリ減税によるドル買いも期待できそうです。強気なトランプ大統領は1月の一般教書前にもインフラ計画を公表することになりそうで、2018年11月6日の米中間選挙をどう乗り切れるか、注目する動きとなっています。


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 112.80~114.00】

円相場に限らずこの時期の為替相場の変動は鈍く、USDJPYも大きな変化は期待できにくいのが実情です。ただ、海外主要市場がクリスマスホリデーで休日になる中で、東京市場だけがオープンしておりサプライズがあれば変動しやすくなることもあります。また、クリスマス休暇明けの海外勢の動向次第では、予想レンジを上回る変化のリスクありその方向にしばらく動くことも考えておく必要もありそうです。

DailyチャートのBBは、Basis=112.65、Upper=113.97、Lower=111.32で、先週はBasis~Upperのレンジ内で推移し、112.65~113.97のレンジ内で推移することが予想できます。

WeeklyチャートのBBも、Basis=111.76、Upper=115.22、Lower=108.30と、4月17日からLower~Upperのレンジで、9月18日の週から継Basis~Upper のレンジでの動きが継続中で、今週も大枠は111.76~115.22のレンジ内のいずれかで推移することが予想できます。

DailyチャートのStoch RSIは、K=67.45 D=52.55と、売りから買いへと変化し、ニュートラルゾーンで推移。

DailyチャートのMAは、36日線が200日線を上抜けし買い継続で弱いながらも買いの流れは変割らず。200日MA close=111.60、high=112.01、Lower=111.18で、high=112.01をボトムとした流れが続いている。36日MA close=112.76、high=113.14、Lower=112.43で、113.14をボトムに上昇することができるか注目。112.00、112.76、113.14がポイント。

IMM通貨先物は、【円】-114,123→-114,373(-250)、円は、引き続きNO.1のショートの座を維持。2016年11月29日にロングからショートへ変化してから56週間の長期傾向が続き、直近の3週間ではショートは11.4万台で変わらず、安定した弱さを示しています。

USDJPYオプションのリスクリバーサルではロンドンベースで、1週間が前週-0.80→-0.70%と低下、1か月超ではドルプット・円コールが減少傾向(円先安リスクの動き)にあり、年末のギリギリの調整なのか来週に向けた動きなのかは不明。

 
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◎EURUSD【予想レンジ 1.1780~1.1900】

ブレグジット交渉も何とか一段落。クリスマス休暇と年末年始相場で大きな変化は期待できそうにありません。先週に1.19台近くまで予想外に上昇した原因が、年末の特殊要因でEURGBPの買い要因なのかを確認しながら、1.1900を達成できなければ弱くムード再開の可能性も考えられます。

DailyチャートのBBは、Basis=1.1825、Upper=1.1926、Lower=1.1723で、2週間前はlower~Basisのレンジで、先週はBasis~Upperのレンジでの取引が続き、1.1825~1.1926のレンジを注目。

WeeklyチャートのBBは、Basis=1.1814、Upper=1.2036、Lower=1.1593と、Basisを中心と、lower~Upperのレンジを継続中で、中期的には1.16~1.20のレンジで変わらず。

DailyチャートのStoch RSIは、K=18.93、D=9.28と、売られすぎゾーンにあり売りから買いへと変化している。

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.1467にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線はclose=1.1780、high=1.1815、low=1.1744で、先週はCloseをボトムにhighを上抜け上昇傾向が続き、1.19の大台を前に上げ止まるも、逆にhigh=1.1815をボトムとした流れとなっているが、このポイントを維持できるか注目

IMM通貨先物は、【ユーロ】113,899→86,224(-27,675)、ユーロは、ロングは減少気味ながら引き続きNO.1のロングの座を維持。先週は私がデータを取り始めた2009年以降で初めて10万台のロングを達成しましたが、今回は前週比で-27,675コントラクトと6月20日の週-34,201に次ぐ大きな減少幅となっている。

EURUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週0.10→0.25%へ、1か月も0.15→0.30%へ上昇するも、3か月超では逆に低下、短期的な動きと中期的な動きが異なる結果となっており、年越えの動きと年初の動きは異なる。


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◎GBPUSD【予想レンジ 1.3300~1.3450】

ブレグジット交渉も何とか一段落。スペインカタルーニャ州選挙で独立支持派の勝利による影響が気になりますが、極端なEUR売りも考えにくいのではないでしょうか。今週はクリスマス、年末・年始相場で動きが鈍くなる可能性が高くレンジ相場の継続で大きな変化も期待薄です。

DailyチャートのBBは、Basis=1.3396、Upper=1.3512、Lower=1.3280で、ワイドながらもlower~Upperのレンジ内で推移し引き続き緩やかに縮小傾向となっている。

WeeklyのBBは、Basis=1.3218、Upper=1.3615、Lower=1.2822で、長期的な上昇傾向の中でWeeklyのBasisをボトムにした上昇の流れを維持し、1.3218をボトムとした動きも期待できる。

DailyチャートのStoch RSIは、K=21.29、D=19.8と、売られすぎゾーンにあり売りから買いへと変化している。

DailyチャートのMAは、200日線のclose=1.3014にあり相変わらず現在値と大幅に乖離している。36日線のclose=1.3308、high=1.3351、low=1.3253と、close~highの水準をボトムに下げ止まっているが上昇力は鈍く、レンジ相場が続いている。

IMM通貨先物は、【ポンド】11,388→20,388(9,000)、ポンドは、4週連続で小幅ながらロングを維持。主要7通貨のロングポジションがショートへ変化する記録的動きにもかかわらず、11月14週からロングの座を維持し我が道を歩んでいる。

GBPUSDのオプションのリスクリバーサルは、ロンドンベースで1週間が前週-0.25→-0.25%と変わらず、1か月は-0.35→-0.25%、3か月-0.60→-0.55%とマイナス幅が縮小しポンド安リスクは弱まるが、6か月超では大きな変化は見られず。

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