2020/08/08

2020年8月8日(土)昨日7日、海外市場の動き

 2020年8月8日(土)昨日7日、海外市場の動き

日本は3連休で週末の金曜日。結局は強い米雇用統計に反応したドルは全面高。米株の強さは感じられず、商品価格は下落と、米中対立リスクや追加対策決まらない米経済への不安も残るが、結局はポジションの巻き戻しでは?

ダウ+46.50(+0.17%)とS&P500は終盤にかけ何とかプラス圏に持ち直すも、Nasdaqは小幅低下。米10年債利回りは0.56%台と小幅上昇。資源価格は軟調で、原油価格(WTI)は41.59と低下、金・銀価格も弱く、ブルームバーグ・コモディティインデックスは-1.25%の下落となった。

米中間の対立の中で、ポンペオ米国務長官は、中国テクノロジー企業との「決別」を米企業に促し、トランプ大統領はTikTokに続きウィーチャットが関わる取引を米居住者に禁止する大統領令に署名。

一方、懸案の米追加経済対策は米政府・共和党と民主党幹部で協議はいまだ進展は見られず、ムニューシン米財務長官は「米大統領に追加経済対策での大統領令を提言する」とある。

米失業率は10.2%に低下、非農業部門雇用者数は予想外に拡大、賃金の伸びは予想を上回る。カナダの雇用統計は、失業率は低下、新規雇用者数は強かった前月を下回るも予想より増加と強い。

カナダ政府は米国製のアルミニウムを含む製品に対し36億カナダドル相当の追加関税を課すと発表。米国がカナダにアルミニウムの輸入に10%の関税賦課を発表したことに対抗した処置。

USDJPYは、アジア市場早朝の105.49をボトムに米雇用統計直後の106.06を高値に、約55ポイントのレンジにとどまる。結局はリスク回避のJPY買いもあるのか、他の主要通貨でドル買いが強まる中でCHFと共に強く、クロスではCHFJPYを除きJPY高が目立っている。

USDCADは、アジア市場の1.3306を日中のボトムに、欧米市場では米雇用統計直後の1.3325をボトムに強い米雇用統計や、米カナダのアルミニウム関税をめぐり対立や、資源価格の下げにも1.400の売りを試せず。1.400の売りを意識しながら 1.3375~00のレンジで推移。一日を通じては大枠1.33~1.34の100ポイントレンジ。

GBPUSDは、アジア市場の高値1.3148をつけてからアジア・欧州市場で続落。米雇用統計直後には1.3110まで上昇するも直ぐに反転し1.3010まで反落。何とか1.3000の大台を維持はしているが、終値ベースでみると弱さが目立ち、来週の英GDPは過去最悪の−20.5%との予想もあり、BOEがマイナス金利を決断する可能性も消えず。不安!

USDTRYは一時7.3558と最安値を更新した上昇から、中銀は流動性供給枠の拡大を発表したことで、7.11971まで下落と落ち着きを取り戻していた。エルドアン大統領からトルコリラ相場サポート発言もあったが、多くのエコノミストは先行きネガティブで市場参加者の信認を勝ち取ることはできず7.2991まで戻しておりTRYの先安観は残る。

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21:30 USD 7月 雇用統計:失業率=10.2%(予想10.5% 前回11.1%)、非農業部門雇用者数=前月比176.3万人(予想160万人 6月480→479.1万人)、平均時給=前月比0.2%(予想-0.5% 前回-1.2→-1.3%)、平均時給前年比4.8%(予想4.2% 前回5.0→4.9%)、週平均労働時間=34.5時間(予想34.4 34.5→34.6)、労働参加率=61.4%(予想 前回61.5%)

21:30 CAD 7月 雇用統計: 失業率=10.9%(予想11.0% 12.3%)、新規雇用者数=41.85万人(予想39万人 前回95.29万人)、フルタイム雇用=7.32万人(予想 前回48.81万人)、 パートタイム雇用=34.53万人(予想 前回46.48万人)、労働参加率=64.3%(予想64.4 前回63.8%)

23:00 USD 6月 卸売在庫=前月比-1.4%(予想-2.0% 前回-2.0%)

23:00 CAD 7月 Ivey購買部協会指数=68.5(予想 前回58.2)

4:00 USD 6月 消費者信用残高=前月比89.5億ドル(予想100億ドル 前回-182.8→-143.8億ドル)

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CAD カナダ政府 米国製のアルミニウムを含む製品に対し追加関税を課すと発表した。対象は36億カナダドル(約2800億円)相当。米国がカナダのアルミニウムの一部に追加関税を課すことへの報復措置で、今後30日で対象製品を決める。

CAD フリーランド・カナダ副首相  カナダのアルミニウムが米経済の脅威であるという考えは馬鹿げている 米の課したアルミニウム関税と同等の報復関税を課す。状況を悪化させたくないが、引き下がることはできない。報復関税を課す前の30日間、産業界などと検討する。

CAD フリーランド・カナダ副首相 米国の関税に対し、カナダは早急に対抗措置を取る、米国がカナダから輸入するアルミニウムに対し10%の関税賦課は正当化されず受け入れられない。

USD シューマー米上院院内総務(民主党) 追加対策を巡る協議には失望

USD クドローNEC委員長 新型コロナウイルス追加経済対策を巡る米与野党協議はあまり進展していないようだ

USD ムニューシン米財務長官 トランプ米大統領に追加経済対策での大統領令を提言する

USD 加経済対策の交渉は多くの点で合意に近付いている、トランプ大統領の第一の選択は合意することだ。話し合いはまだ終わっていない。ホワイトハウスは失業給付金の増加や強制立ち退きに関し妥協案を提出した。金曜日に残りの相違点を少なくするように交渉する。

USD 米連邦高等裁判所は7日、米議会は政権当局者に議会証言に応じさせる目的で政府を提訴できるとの判断を下した。トランプ政権はこれまで、そうした法的権限は議会にないと主張。また、議会と政府間の係争を処理する権限は司法にないともしていたが、いずれも否定された。民主党にとっては重要な勝利で、影響が広範囲に及ぶ可能性がある。

USD トランプ米政権、政治的弾圧で香港行政長官ら11人に制裁。ムニューシン財務長官は声明で、「米国は香港の人々と立場を共にしており、彼らの自治を損なう者には手段と権限を行使する」と表明した。 林鄭行政長官に対する制裁の理由として、「自由と民主的プロセスを抑圧する中国中央政府の政策導入という点で直接の責任がある」と説明した。 今回制裁対象となった11人は、米国内に保有する不動産や資産が凍結される。

USD トランプ米大統領が、中国版LINEと呼ばれるテンセントの微信(ウィーチャット)の脅威に対処する大統領令に署名、45日以内に微信(ウィーチャット)の使用を中止しない企業には制裁を科すと発表した。しかし、米当局者は微信(ウィーチャット)に関連するものを阻止するが、テンセントとの他の取引を禁じるものではないとのコメントを発表したことで、ドル買い弱まる。

GBP ラムスデンBOE副総裁 我々はマイナス金利に関して前向きに検討しているわけではない

AUD エリス豪中銀副総裁 経済活動が再開されたときに、以前の水準まで完全に立ち直る可能性が低い理由がいくつかある。新型コロナウイルスの感染拡大前に豪中銀が想定していたトレンドの流れに戻るまでに数年かかる。また、その想定においてもビクトリア州以外でのロックダウン再開は想定されていない。需要の減退と将来の不確実性の拡大は、家計・企業の支出決定をより慎重にさせる。当面の間は需要が低いままとなるだろう。

AUD 豪中銀第4四半期金融政策報告書 豪中銀は四半期金融政策報告書を公表。豪州にとって過去最低水準の金利と3年物国債利回り0.25%目標を含む政策措置が企業や家計への信用供与をサポートしている。 ここ数カ月で新型コロナウイルスの感染拡大に対応したパッケージを見直したが、3月中旬に決定したパッケージを調整する必要がないと結論付けた。 今後の状況次第で調整する選択肢を除外していない。 為替介入、マイナス金利などの、その他の金融措置についても議論を行った。また政府に対する直接融資もレビューした。 マイナス金利を豪州が採用する可能性は低いとみている。豪ドルの価値はファンダメンタルズとほぼ一致。市場が良好に機能している中で為替介入を行うケースはなかったと結論。またそのような状況での為替介入は効果が限定的な可能性がある。豪経済の回復ペースは以前の予測よりも遅いと予想される。ビクトリア州で今月再開されたロックダウンにより、新規の集団感染が発生しなかったケースと比べて、四半期GDP成長を少なくとも2%ポイント引き下げる。豪中銀のベースラインシナリオでは、失業率は今年末までに約10%に達し、そこでピークになると予想

OTH (Bloomberg)ヘッジファンド運営会社ブリッジウォーター・アソシエーツのボブ・プリンス共同最高投資責任者(CIO)は、ゼロに近い債券利回りが抱えるリスクを投資家は過小評価していると指摘した。国債や高格付けの社債は資産価値を保持するための投資先として定着しているが、新型コロナウイルス感染症がもたらした極端に低い金利は、そうした役割を一変させたと、プリンス氏は7日にブルームバーグテレビジョンのインタビューで語った。「金利がなければ、将来のキャッシュフローの価値を算定するための割引率もないことになる」と述べ、質の高い債券を保有することへの「不釣り合いな」リスクが今は存在すると指摘、値上がりする可能性よりも下振れリスクのほうがはるかに大きいと述べた。

TRY (ロイター)トルコ当局の通貨リラ防衛策が枯渇しつつある中、格付け会社はトルコ中央銀行がいずれ利上げに踏み切らざるを得ないとの見方を強めている。 トルコリラ  はここ2週間下落しており、この日は1ドル=7.365リラと、過去最安値を更新。ただ、トルコ中央銀行が一部の資金調達コストを引き上げ始めるなど対応に動いたことで、やや持ち直した。  格付け会社ムーディーズのリードソブリンアナリスト、サラ・カールソン氏は「トルコはかなり長い間、暗中模索してきたが、こうした状況を長く続けることはできない。ある時点で足を踏み外す」と指摘。政策担当者は、経済に短期的な痛みを伴っても長期的に恩恵をもたらす改革を推し進める必要があると述べた。  その上で、1年におよぶ利下げサイクルを経て現在8.25%にある政策金利を引き上げたとしても、基調的な問題の解決には至らない可能性があるとし、「基調的な問題は、国内の投資需要に見合う国内貯蓄が慢性的に不足していることだ」と述べた。       格付け会社S&Pグローバル・レーティングのアソシエート・ディレクター、マクシム・リャブニコフ氏は、トルコ中銀は今年に入り外貨準備をかなり使い果たしており、介入の余地は限られていると指摘。利用可能な外貨準備は昨年の約300億ドルから、今年は100億ドルを下回る水準に目減りするとの見方を示した。  エルドアン大統領は金利上昇に反対。この日、リラ相場のボラティリティーの高まりは一時的なもので、新型コロナウイルス感染拡大が主要な問題との見方を示している。

TRY エルドアン・トルコ大統領 トルコリラ相場は、いずれ安定すると信じている

TRY トルコリラ、過去最安値を更新後に、混乱するトルコ金融市場を安定させるため、マネーマーケットで中銀と直接取引ができるプライマリーディーラーに対し、流動性供給枠の拡大を発表。 TRYの買い戻しも見られる。

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