2020/08/30

今週の為替相場を考える(8月31~9月4日)

 今週の為替相場を考える(8月31~9月4日)

さて、FRBの金融緩和の長期化はとりあえず決定し、「米株は続伸し、米債は売られ利回り上昇しドル売りへ」。安倍首相の健康不安もとりあえず辞任を表明で決着し、「株安=円高」へ。 一時的な変化はあるも、今週もこれらの動きをベースにした相場展開が予想される。

また今週は、先の米雇用統計(8月7日)が予想外に強くドル売りへと動いたことは記憶に新しいのでは?今週のメインイベントの米雇用統計が9月4日に控えており、翌週7日(月)が米レーバーデーで休日にあたり3連休前の週末金曜日の発表でもあり、予想外の結果による相場変動が高くなることは避けられず。

11月の大統領選まで残すこと2か月ちょっと。世論調査では、開いていたバイデン氏の有利性はやや弱まり、トランプ氏の支持率の差が縮まっている。政策的にも違いが目立ちどのように変化するか予想がつきにくい。ただし、政策的な株高は除き、「不透明感=ドル安」の原則は付いて回る。

とりあえず、米国の対中強硬姿勢は変わらず、中国は次期大統領の結果を待っているようだが、南シナ海での米国と中国をめぐる緊張拡大は気になる。米国内ではコロナの追加経済対策は規模の差はあるにしろ近く合意する可能性も意識。コロナのワクチンや治療薬の承認・利用実施は近いとの報道が多くなっているが、最近の相場ではコロナをテーマとした動きは少ない。

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USDJPY

パウエル+安倍ショックの間で105~106.50の上限を上抜けしたが、107円を試すことは無く105.20台まで下落、ただし、8月19日の105.10の円高水準まで届かず。パウエルショックの全体的なドル売り傾向や、安倍ショックによる円高支持者が増え7月末の104.18をめざす可能性は否定しないが、クロスで円は安倍ショック後に円高へと動くも水準的には円安トレンドを抜け出しておらず、円高傾向を意識しながらも積極的な円高まで自信が持てず。

EURUSD

パウエルショックにドル先安期待感が再燃しているが、EURロングポジションはまだ解消しきれず、1.20の壁までは遠くやっと1.19台で週クローズするのが精いっぱい。ただし、1.1700のボトムはトライできず、先週も1.1800±50ポイントのボトム水準か過去4週間の高値を更新し1.19台で終了と、EUBの金融政策を意識しながらも緩やかに上昇傾向が続き1.20を再トライする動きを期待したい。

AUDUSD

日足で0.73台を上抜け上昇中。31日に急落がない限り、月足では5か月連続の陽線引けで強さが続き、週足では200週MA=0.7251を終値ベースで上抜け再上昇を続けている。中国から制裁を受けながら、大都市でのコロナ感染拡大や、自然災害の影響をうけながらも、強さが目立っている。米国の長期金融緩和策により、0.7300をボトムに上昇傾向は変わらず。

USDCAD

原油価格の伸び悩みの影響なのか? IMMでカナダドルのショートポジションは変わらない反面、1.4667を高値に1.3090台まで続落し、1.30の大台を試す動きを継続しており、ソートの巻き戻し+ロングメーキングの動きにCAD高を期待したい。

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