2020/08/16

今週の為替相場を考える(8月17~21日)

 今週の為替相場を考える(8月17~21日)


簡単に過去の動きを振り返ってみると、8月7日の強い米雇用統計以降は、CADを除き対ドルではドル安値を更新できずにいる。また、円クロスでは先週後半には伸び悩んではいるがNZDJPYを除き円安傾向が続いている。


株価を見て見よう。日経平均株価は6月の高値を更新し急伸、EuroStocks50を含め主要国では、米雇用統計まえから高値圏でレンジでの動きとなっている。米国では、ダウとS&P500 は高値を更新し続伸するも、Nasdaqは逆に伸び悩んでいる。


米10年債利回りは、米雇用統計時の0.5%台からから上昇し一時0.72%台まで上昇しており、このながれは独英を含め主要国で同じ傾向となっている。


資源価格では、金・銀価格もこの米雇用統計を後にして下落しており、ブルームバーグ・コモディティインデックスもこの日をピークに軟調に推移している。ただし、資金の逃避先とおしての魅力は変わらないのか押し目買いの推奨が目立っている。一方、原油価格は予想外に安定ており44~44のレンジを抜け出せずにいる。


つまり、目先は色々な要因はあるが、夏休み前のポジション調整の引き金になったかは不明ながら、強い米雇用統計の影響がいまだに続いていることになる。


さて今週だが、主な材料にも書いているので簡単に挙げると、米大統領選のリスクはもちろんのこと、米中対立のリスク、難航中の米追加の経済対策、FRBの今後金融政策の動き、英EU通商協議の行方、米カナダ制裁関税の動き、唯一ハト派のNZ中銀の動きなど、取り巻く不透明感は変わらず。


為替相場は、資源価格と関連性の高い通貨のAUD+CAD、リスクヘッジに関連性の高いCHF、それに加え念願の欧州復興基金の成立から上昇が続くEUR、リスク回避にも気まぐれに動くJPY、英EU通商協議に左右されるGBP、金融政策に左右されるNZDと分けて考える必要がありそう。


USDJPYは、104円台から反発するも107円で頭打ち、流れは106~108.00のレンジに逆戻り。相関関係の高いEURJPYを主にCHFJPYでは高値を更新し円売りをリードしているが、他の主要通貨は対円で上値を追うような動きは見られず。また、USDJPYは直近の1週間では「株高=円安」との連動性も高くなっており株価の動きを注視し、結果としてレンジ相場を意識した取引を考えたい。


EURUSDは、7月21日に念願のEU復興基金7500億ユーロで合意し、1.1500の壁を上抜け8月6日には一時1.1916まで上昇するも、翌7日の強い米雇用統計後には、1.170~1.1900のレンジ相場入りとなっている。


市場では「トップアウト、いや、再上昇」と意見が分かれている。IMMポジションではユーロのロングが歴史的な水準まで積み上がっていることもあり、いざ崩れだすと上昇スタート時の1.1500まで大きな調整が入る可能性も意識。ただし、次期米大統領選の不透明感や、「株高=ユーロ高」の相関関係にあり、これがトレンドになっていることを考えるといまだEURに分があり、1.1700をボトムに上昇トレンドを継続しているように思えてならない。


AUDUSDは、8週連続の陽線引けでとなるが、200週MA=0.7255を超えられず。先週はビクトリア州でコロナ感染拡大により、ロウ豪中銀総裁は第3半四半期GDPが少なくとも2%減少するとあり、経済的なダメージが大きくなっている。ただし先週は、予想外に底堅く0.71~0.72のレンジで動きは鈍い。IMMポジションは引き続きAUDショートと変化は見られず、期待感のAUD売りが選好するも、現実としてAUD買いが多いように思えてならないない。



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