2020/08/23

今週の為替相場を考える(8/24~28)

 今週の為替相場を考える(8/24~28)


いつもながら、バイデン対トランプ両氏の大統領をめぐる戦いが、どのような余波を市場にあたえるのだろうか? 13日には国防権限法も発動され米中対立は今のところ不変であることは間違いないが、それでも米中通商合意の第1段階の履行状況をめぐるチェックする協議をするとのことで、最近の取り組み強化について米国からは評価する声も(本心とは思えず!)。


新型コロナウイルスの感染では南部地域は拡大するもNY州では落ち着きを取り戻しており、感染抑制=トランプ氏の支持拡大を狙う動きは引き続き変わらず。それと、最近では水をあけられていたトランプ支持率がバイデン氏と接近しているとの報道も気になる。


ところで話は全く変わるが、新型コロナ対策による中銀の超低金利政策、政府による膨大な経済対策資金は、いったい本当に必要な場所や人に行き渡っているのだろうか?


最近の株価の続伸+金・銀価格の高騰+ビットコインとの上昇を見るにつれ(最近の米住宅価格の上昇も)、これらの資金が投資資金として動いていることも、事実ではないかとふと考える。株価が急騰した企業は、力をもって他の企業の買収へと動きさらに大きくなる図式はあまり考えたくもない。


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さて相場だが、振り返ってみると、米中対立や次期米大統領選をめぐる戦いもそうなのだが、米景気とFRBの金融政策で相場が大きく動いていることになる。


8月7日の強い米雇用統計を受けて、資源価格は下落、米債利回りは上昇し、ドル買いへと変化していた。米政府と民主党は追加経済対策の協議で合意できず、国防権限法も13日に発動されたこともありリスクを意識した動きへと変化。19日のFOMC議事要旨でYCCが否定的+景気見通しは悲観的だったことにより、米金利は軟化し米株も上昇していた。


となると、今週の主な材料にも書いているが27日(木)のパウエルFRB議長発言の「金融政策の枠組み見直し」について講演がとても重要になり、それを見守る動きが強まることになりそうです。


さて肝心の今週の為替相場だが、どうしてもドルが強いか弱いかと考えると、もちろん十分にドル安水準になっているとは思うも、目先のポジション調整によるドル買いは当然考えられる。ただし、トレンドを変えるような動きになるとは考えにくいのでは。



USDJPY

円相場はドル安の流れと、クロスでの円ショートの調整局面や、リスクヘッジとして目先は市場参加者の期待通りに円高方向の動きが予想されるが、中期的にその流れが続くとも考えにくい。


レンジとしては105.00~106.50のレンジの継続を考えながらも、下限が割り込むと最大104.00円までの動きは視野に入っている。結局は、いままで通りの選択肢として、下落した局面でクロスでの円売りが選択肢として浮上することになりそうである。


EURUSD

1.200の大台を前にして伸び悩み、月末近くのポジション調整に上値は重い。ただし、1.1700をベースとして上昇局面は変わらず。いずれ、1.200を上回ることを期待したい。


GBPUSD

大きくは1.3~1.33のレンジで、目先は1.32台重さが目についている。ただし、EU英通商協議のリスクを抱えながらも予想外に強く、1.30をボトムに上昇傾向が続くことを期待している。


AUDUSD

0.72台超では利食いの売りに抑えられているが、週足では上昇トレンドに変化はなく、押し目買いで上昇を期待したい。



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