2020/08/30

今週の主な材料(8月31~9月4日)

 今週の主な材料(8月31~9月4日)

先週はパウエルFRB議長の講演で、事前告知のフレームワークの変更発表にとどまらず、FOMCの正式な金融政策の長期的目標の変更として17人全会一致での発表となった。つまり、インフレ率が2%を上回ることを容認し長期的に2%の目標達成と雇用の最大化を目指すものとなったことで、利上げ期待が2023年以降に遠のきドル売りへと動いていた。

つまり、今週以降もこれを背景とした相場展開が続く可能性を意識しながら、一方では、珍しく円相場が市場参加者の注目を浴びていた安部首相辞意表明後の日本株と円相場の動きで、辞任=株安=円高の方程式を市場参加者は忠実に守っている。結果、日本株の下落と共に、USDJPYは107円直前→105.20まで円高が進んでいる。

さて、今週も相場変動リスクの強い材料は以下の通りで変わらず。特に11月の米大統領選はギリギリまでもつれる可能性もあり、仮に大勢が見えてきても国民の分断が気になって仕方がない。

1.FRBの金融緩和の長期化。(ドルネガティブ)、

2.難航する米追加景気対策。(給与保守プログラム失効後の追加対策)の早期合意の有無と、トランプ氏のキャピタル減税の期待。(合意あれば大きなドルポジティブ材料)

3.米大統領選の混戦(トランプ・バイデン両氏の支持率の差縮小)。(ドルネガティブ)

4.米中の緊張拡大(南シナ海での米国関与拡大と中国の報復、米国の対中追加制裁措置の発動)。(ドルネガティブ)

5.コロナワクチン・新薬期待。(ドルポジティブ)


【今週の経済指標は金融政策】では、

先の8月7日の強い米雇用統計にドル全面高となった記憶は新しい。その雇用統計の発表が4日に控えており、翌週7日(月)が米レーバーデーで休日にあたり3連休前の週末金曜日の発表でもあり、さらに相場変動が非常に高い指標であることで今週のメインイベントとなっている。

今後予想数字に変化はあるので注意が必要なのだが、現時点での予想は以下の通りで、強かった先月に対してやや弱さが目立つ。

失業率=予想9.8% 前回10.2%、非農業部門雇用者数=前月比予想135万人 前回176.3万人、平均時給=前月比予想0.0% 前回0.2%、平均時給前年比予想4.4% 前回4.8%、、週平均労働時間=予想 前回34.5時間、労働参加率=予想64.4% 前回61.4。

また、今週は豪州発の重要なイベントが続き、AUD相場の変動リスクを意識する必要がありそう。豪中銀理事会は政策金利0.25%の据え置きの予想なのだが最近の景況感は弱さが目立つ。豪第2四半期GDPの予想は前期比-6.0% 前回-0.3%、前年比−5.2% 前回1.4%と弱く、コロナ問題や中国からの制裁を受けながら自然災害の影響も強く受けており、結果を注目。

1日(火)豪中銀金融政策、米ISM製造業

2日(水)豪GDP

3日(木)米ISM非製造業

4日(金)米雇用統計、カナダ雇用統計


詳しい予定は別表をご覧ください

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