2020/08/09

今週の為替相場を考える(8月10~14日)

 今週の為替相場を考える(8月10~14日)


7月下旬から2~3週間続いたドル売りの流れも、8月に入った先週は停滞気味。主要国の株価は停滞気味の中で、米株(ダウ、Nasdaq、S&P500)は強く、Nasdaq、S&P500は高値更新中。一方、債券利回りも安値圏で推移しながらも、下落圧力は弱まっているようにも見える。


高まる米中間の対立リスクやトランプ氏の再選可能性の低下リスク、米経済の急回復期待の低下リスクを意識した動きや、最近のドル売りをリードしているユーロは念願のEU復興基金が創設されたことが後押ししていることも間違いない。また、リスク回避でのCHF買いもまた然り。


比較的金利が高く資源関連通貨のAUD、CAD、NZDなども資源価格の上昇による恩恵を受けており、主要中銀の金融超緩和姿勢、政府の超大規模な経済対策の資金が米株や商品相場やデジタルカレンシーに動いていたことも周知の事実では。


先週の流れの変化はバケーションを前にしたポジションの調整なのか? それとも、本格的な流れの変化なのか? 今週を含め1~2週間の相場を注視する必要がありそう。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


USDJPY

7月からの過去6週間の週間当たりのレンジの平均は133ポイントで、EURJPY179ポイント、GBPJPY234ポイントと比較しても、USDJPYの取引をするならクロスが良いと考えている人はいつもながら多いのでは?


今週も、大統領選が近づくに従い米中リスクが顕在化する動きは間違いなく、リスク回避のJPY買いの理屈は弱まっているとは言え、円ショートにする材用でもなく、USDJPYは105~106.50のレンジが予想され、中期的にも104~107円のレンジを抜け出すことは難しいのでは?


USDJPよりも各取引量が多いJPYクロスでは、EURJPYとCHFJPYは高値を更新しJPY売り圧力となる反面、CADJPY、AUDJPY、NZDJPY、GBPJPYは高値水準近くにとどまるも上値も重く、EURJPYがリードする流れが変わらない限り、一方的な円安や円高への動きは期待できにくくなっています。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


EURUSD

ドルに対するリスク回避にEURが選好されると同時に、EU復興基金の設立によるEUR先高期待も1.1800、1.2000が目先のターゲットと考えていた市場参加者も多かったことを考えれば、過去2週間で1.1900台をから調整色が強まっていたと思われる。


2週間にわたり1.1900で上値が抑えられながらも、1.1700をボトムに下げ止まる動きを見ても、1.1700~1.1900のレンジ内での取引が考えやすい。1.1700(先の安値1.1696)をクリアに割り込むと最大1.1400までの下落の可能性が出てくるが、そこまで考える必要はなさそう。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※


AUDUSD

上昇傾向は変わらず。ただし、週足では200週MAが0.7259にあり、過去2週間は0.7243を高値に0.7200台で上値が抑えれている。この水準を上回ることができるか? 失敗すれば0.7000~0.7250のレンジを継続する可能性が高くなる。


豪ビクトリア州の感染拡大による経済的なダメージ、中国豪間の関係悪化のマイナス材料にも関わらず、資源価格の上昇によるのか、債券利回りが他を上回り選好されているのか? 予想外に下げ幅は限定的で7連騰となっている。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※