2015/10/25

今週の為替相場を考える(10月26日~10月31日)

今週の為替相場を考える(10月26日~10月31日)

先週は予想外にドルの強さが目立っていた。今週はFOMCと日銀金融政策決定会合待ちで動き難い中、ドル高基調の変化は考えにくいが、週後半には月末のポジション調整が意識されやすい。

FRBはインフレと海外経済の弱さを意識し利上げを躊躇してい中で、ドラギECB総裁は、12月の追加緩和の可能性を示唆し、カナダ中銀は成長とインフレ見通しを引き下げた。また、予想外に中国人民銀行は追加緩和を実施したが、資源価格やコモディテー通貨の上昇は限定的となっていた。

先週一週間の値動きを見ても、主要国株の上昇と米金利が上昇する中で、欧州・日本の金利は低下し、主要国通貨でドルは全面高となっている。

今週のイベントからは、利上げの影が極めて薄くなったFOMCが予定されている。ここまでくれば利上げはないことはすでに織り込み済みで、万が一あればサプライズで逆に相場変動が高くなるが、杞憂に終わりそうである。

また、日銀の金融政策だが、政府筋の取り巻きも緩和支持や据え置き支持が混在するなか、何が飛び出すかわからず、結果待ちの姿勢へ。

先週のドル高の流れを変えるには、FOMCの超ハト派発言や、米第3四半期GDP・速報値の予想外の低下が必要となるが、それがなければ、ドル高基調の大きな変化も考えにくいと思われる。

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ドル相場
先週は米国発のドル高というより、カナダ、中国、ユーロ圏発の要因で結果的にドル高になったように思われる。今週はFOMCと米GDPの2大イベントが控えており、米国発の材料による相場変動を期待したい。

先週はドルは全面高となったが、株高の流れにリスクオフによるのか、資源国通貨は比較的健闘しており、やや相場の流れに変化も感じられ、今週の資源国通貨の値動きを注目したい。

基本としては、今週のFOMCで今後の利上げ期待を裏切らない限り、米成長が予想外に鈍化しない限り、ドル買いが続く気配は濃厚である。

ドル売りの目としては、米財務省が指摘している、議会が債務上限の引き上げを承認しなければ、11月3日にも債務が上限に達するとの発言だが、仮に承認が遅れるようであれば、今週末は月末にも当たり、ドルロングのポジション調整の材料に使われる可能性もある。

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EURUSD 予想1.0850~1.1150
先週はユーロ高期待が見事に裏切られた。ユーロ圏の景況感は弱く低インフレに、EURUSDが1.13を割り込み値を下げる中で、22日のECB理事会でドラギECB総裁が12月の追加緩和の可能性を示唆し、ユーロ売りのプレッシャーが続きやすくなっている。

今週はユーロ圏発の材料は少なく、米国発の材料に相場が動きやすくなっている。テクニカルには8月中旬以降の底値を割り込んだことで、先のボトムラインとなる1.1100、1.1300や、MAでは1.1150が天井となる可能性が高く、下値では1.08台まで大きなポイントは見当たらない。

GBPUSD 予想1.5250~1.5450
先週は前週のレンジを抜け出せず、大枠で予想通りの結果となった。今週は英GDPの結果が注目されるも、それ以外では英国発により相場を動かす材料は見当たらず、結果的に、EURUSDの相場とEURGBPの相場から影響を受ける可能性が高い。

過去8週間のレンジを見ても、1.51~1.56台と500ポイントで、大枠では1.5150~1.5450の300ポイントのレンジで推移し、米FOMCの結果の影響を強く受けるが、今週もワイドながらこのレンジを抜け出すことは難しそうである。

AUDUSD 予想0.7130~0.7280
先週は結果的に予想レンジ内で推移したが、上値リスクを意識しワイドになりすぎ評価はできず。先週はドル高の流れに2週連続で陰線引けとなっているが、NZDUSDと共に予想外に底堅い印象を受ける。

今週のメインはFOMCの結果だが、28日の豪消費者物価指数や、29日のNZ中銀の金融政策の影響を受けやすく、EURAUDクロスの影響も強く、新興国のヘッジ通貨のEURとの関連など、AUDUSDと逆相関関係にあるEUR相場の動きも注視したい。

USDJPY 予想120.50~122.25円
先週は予想上限の120円を超え大幅な円安相場へ。中長期や基調としての円安は変わらず、これが根本的な相場感であることに変わりない。先週は118円台突入後から反転を続け、7日間連続で陽線引けとなり、200日移動平均線をも超え、強い円安基調に入っている。

株高=円安の流れは続きそうであはあるが、季節的な要因から12月に入ればさらなる円安が期待できるものの、この時期に121.50円を超えてさらなる円安が加速することができるやや疑問で、122.00~25円のポイントを抜けることができるかを注視。

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