2015/10/25

2015年10日25日(日曜) 最新のIMMポジション(10月20日集計分)から 

2015年10日25日(日曜) 最新のIMMポジション(10月20日集計分)から 

IMMのデータは毎週火曜日時点のポジションを集計している。先週21日のカナダ中銀の成長とインフレ見通しの下方修正によるカナダ売りや、ドラギECB総裁の超ハト派発言は数字に表れておらず、集計日の20日時点では通貨ショート=ドルロングが急減していたこともあり、その反動に相場変動が大きかったことが推測できる。


前週10月13日と10月20日の一週間の変化を比較すると、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル、NZドル)では、ネット・ショートのコントラクト数が-171,249→-119,808へと51,441へと3週間連続の減少していた。

全体でみると、円+ユーロ+カナダはマイナス幅を縮小し、NZドルは増加幅を広げ、ポンド+スイスまでもがショートからロングへと変化し、豪ドルだけがマイナス幅拡大していた。総合的に考えれば、市場のセンチメントは大幅にドル安へ傾いていた時期でもあった。

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円・ポジション
-13,832→-3,639(10,193)、5週連続し円ショートが減少し円先高感が強まっていた。スポットでは20日の終値は119.84円で120円を超えられず、市場の円先高センチメントを反映していた。しかし、その後米金利の上昇+株高+ドル全面高に120円の大台を超え、121.00円をも越え121.50円の先の上限でようやく上げ止まっており、円ショートの減少がドル円の上昇を後押ししてたと思われる。

ユーロ・ポジション
-80,576→-62,566(18,010)、大幅な減少で、2週連続しユーロショートが減少していた。スポットでは20日の終値は1.1345で引き続き底堅い値動きの中、22日のドラギECB総裁の超ハト派発言にユーロは1.13を割り込み崩れ落ち、1.1000の重要なポイントに差し掛かりようやく下げ止まっていた。結果だけを見ると、週前半の市場センチメントが裏目にでた形となった。

ポンド・ポジション
-7,527→7,537(15,064)、4週間ぶりにネットショートからロングへと変化していた。スポット市場では20日の終値は1.5445で強さを維持している通貨の一つでもあった。その後のEURUSDの急落、米金利の上昇、伸び悩む原油価格の中で、EURGBPの売りもあり、下げ幅は限定的となっていた。

スイスフラン・ポジション
-2,352→625(2,977)、5週間ぶりにショートからロングへと変化していた。スポット市場では20日の終値は0.9563で安定していたが、その後のドル高の流れを受け一時0.98まで上昇するなど、ロングポジションへと変化していた影響を受けている。

カナダドル・ポジション
-33,949→-27,112(6,837)、3週間連続でショートポジションは減少していた。スポット市場では20日の終値が1.2977で安定していたが、その後のカナダ中銀のインフレと成長見通しの引き上げや、ドル高の影響を強く受け、一時1.32直前まで上昇するなど、カナダドルの弱さが目立つ。

豪ドル・ポジション
-33,705→-38,412(-4,707)、4週間ぶりにショートへと変化し、他の通貨で買いが増加する中で唯一売り拡大していた。スポット市場では20日の終値は0.7260で安定し、1週間を通じた安値は0.7180台で、ショートが拡大していた影響もあるのか、その後は0.72台を回復しドル高の流れでも影響は限定的、

NZドル・ポジション
+692→3,759(3,067)、2週間連続でロングが拡大し強さが目立っていた。スポット市場では20日の終値が0.6754で、一週間を通じた安値も0.6700と極めて限定的で、終値ではほぼ同水準の0.6744で終了、ポジションの偏りとは別に、ドル高の中では強さが目立った。