2016/06/12

2016年6月12日(日曜) 今週の為替相場を考える

2016年6月12日(日曜) 今週の為替相場を考える

さあ! いよいよ今週は日米金融政策が発表され、来週は英国民投票が控えています。市場の関心はこの2点と原油価格ではないでしょうか?

為替市場の参加者は、これらをテーマとして相場を動かそうとしていることでしょう! または、その思惑に沿ったポジションをすでに作り利食いのチャンスを待ち望んでいることでしょう!

FOMCは、金融政策の据え置きが予想され、経済予想値とイエレンFRB議長の記者会見で、次の方向性を判断し、目先はその流れで相場が動くことになるでしょう。

ただ、来週の英国民投票の結果を意識せざるを得ないことは間違いなく、世論調査の結果に一喜一憂しながらも、僅差の流れが続くようならリスク回避の行動を続けざるを得ません。

また、原油価格が51ドル台を一時達成しましたが、継続的に50ドル台を上回ることができるのでしょうか? 市場の思惑は強気相場が支配していますが、先週末は49ドルを割り込み、需給を意識してなのか弱気な意見も目だっています。

===============================================

日銀は、正直言ってなにができるのでしょうか? 参議院選を前にして、中原元日銀審議委員が言うように、長期国債の買い入れ増加ペースを20兆円拡大して100兆円にするのでしょうか? それともに海外勢が期待しているようにマイナス金利をさらに加速させるのでしょうか? 

日本株と円相場の連動性は引き続き有効で、短期・中期的には、現行の株安=円高相場は簡単に終わりそうにないことも事実で、そう思っていることでしょう。長期的には強い円安圧力がマグマのように蓄積されていると信じていますが、まだまだ先のことになりそうです。

FOMCの金融政策+米大統領選の結果がわかるまでには、十分それを意識したポジションが出来上がっている事でしょう? 相場の格言にもあるように、「ウワサ(思惑)で買って、事実で売る」このことが頭から離れません。

米大統領選の行方にしても同じです。トランプ氏、クリントン氏のいずれが大統領になってもドル安+円高への圧力が強まる可能性を意識しない市場参加者がいるとは思えません。当然、そのリスクを回避する行動は十分施されていることでしょうし、来週以降の為替相場もこの行動パターンが焦点になってきます。

===============================================
→ USDJPY 予想レンジ105.00~108.50

USDJPYは。結果として市場の円高期待に反して、4月から続いている105円から112円のレンジを継続し、110円の大台が重くなっています。今週の日銀とFOMCの金融政策のサプライズがあれば、このレンジを抜け出すことも当然ながら意識しなければなりませんが、ある程度相場に織り込み済みで、現時点で新たに行動することは難しいものがあります。

一方、英国民投票を直前にし、離脱・残留支持が拮抗し、離脱派が優勢な中で、投機筋がどれだけリスクを取ることができるでしょうか? または、実需筋がリスクヘッジを更に加速しなければならないのでしょうか? 相当ヘッジしていることでしょう。そう考えると円高のリスクを警戒したポジションをとりながらも、ある程度のレンジ相場に落ち着く可能性を意識せざるを得ません。

===============================================
→ EURUSD 予想レンジ1.1100~1.1300

ユーロ相場は「まな板の鯉」で、FOMCの決定もさることながら、英国がEUに留まるが出てゆくのか、自信の問題に頭が痛いことでしょう! 離脱によるユーロとポンドの下落は避けられず、今週は世論調査の結果に翻弄されながらも、EU離脱支持がやや優勢で、それを意識したユーロ売りの圧力がどこまで続くのか? まず、それを考えたいと思います。

6月3日の予想外に弱い米雇用統計から始まったドル売り・ユーロ買いの出発点となる、1.1150がポイントになることでしょう! 逆にポジション調整や世論調査が仮にEU残留が若干有利になったとしても、リスク回避の流れはユーロ売りで、EURUSDの買い戻しも限定的と思われます。

===============================================
→ GBPUSD 予想レンジ1.3800~1.4350

英国民投票次第! どこの、だれのコメントを見ても、同じようなことを言っていることと思います。歴史的に例の見ないEUの経済統合が実施され、英国はユーロ圏に属してはいませんが、経済的な結びつきはEUに非常に強く、切り離すことはできないと考えていました。

これが今、仮にEUから離脱することのリスクはどうなるのでしょうか? 各専門機関や公的機関、政府関係、金融機関、エコノミスト等々リスクを強調し、中にはEU残留に傾かせるような発言も多くあります。あの、ソロス氏も英国EU残留を予想しているようですが、現状では離脱リスクに備えざるを得ません。テクニカルにも、下落基調が続いています。

===============================================

→ AUDUSD 0.7250~0.7400、0.7300~0.7500

短期的な下落、中長期的な上昇とミックス(内心では迷っていいます)、方向性を判断すると潜在的に強気で0.7300の分岐点がポイントに。今週は豪雇用統計を警戒し、下値リスクを意思するも、押し目では買い圧力が強まる可能性も意識しています。

原油価格の上昇も落ち着き、0.7500から0.7400われまで下落していますが、下落幅な大きいように思えません。資源価格・原油価格の上昇トレンドは続き、新興国株も上昇傾向を維持しています。

EURやGBPとのクロスでも上昇を維持し、弱気材料は残るものの、短期的な下げがどこまで続くのか、見極めが難しいことも事実ではないでしょうか?

===============================================