2016/06/26

2016年6月26 日(日曜) 今週の為替相場を考える

2016年6月25日(土曜) 今週の為替相場を考える


【今後の英国はどうなるのでしょうか?】

予想外に英国はEUからの離脱を選択! 51.9%VS48.1で英国はEUから離脱することを決めました。

キャメロン首相は辞任を表明、結果が判明後も離脱と残留の両派で意見の対立が続いています。残留支持が多数のスコットランドでは、EU残留を目指し2度目の英国からの独立を問う国民投票を検討中との報道もあります。

EU統合後、大国の英国が最初の離脱国となり、政治的に、経済的に、今後どのような変化が待ち受けているのでしょうか? 

キャメロン英首相は10月、EU側は早急にと思惑が異なる中で、英国とEUとの間で離脱交渉が進められることになりますが、ポンドやユーロを中心に不確実性が高まり、英国はもとよりEUの信頼が揺らいでゆくことは間違いありません。


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【困難な為替相場予測】

EU加盟国からの初めての離脱、それも大国で世界最大の金融センター・シティを抱える英国という歴史的な大変動に、為替相場の方向性は、リスク回避の流れであることは変わらずと考えます。

今週は、英国のEU離脱による影響がどうなるのか、不透明であることで、ポンドの売りが終了、または、円高が終了したと思えない、心理的な圧力が続いています。

また、為替介入の可能性の有無の判断で期待された、24日の電話によるG7の声明文ですが、「為替市場の動向をこれまで以上に注視し、必要に応じて対応する」とありました。

介入の可能性は残すものの具体性な水準を判断することはできず、麻生財務相は為替介入の可能性は否定しないものの、単独の円売り介入は難しいのではとの疑問も残っています。

英国離脱のサプライズによる、直後の動揺もやや落ち着きを取り戻し、オプションボラも急速に縮小へと変化していることで、先週金曜日のような激震はないことを願っています。

また、今後は離脱による経済的な政治的な予想が経済研究所、各国政府や報道機関で示されることになると思いますが、余震のように上下の相場変動を続け、リスク回避の動きを続けると考えます。

その流れはどこまで、そして、いつまで続くのでしょうか? はっきり言って予想通りに動くかどうかの信頼性は低いと考えたほうがいいでしょう!

その水準を見極めるために、テクニカルに頼ることが必要となりますが、通貨ペアによっては、あまりにも急激な変動に遭遇したため、予測することさえ難しくなっています。

今週の先週金曜日の上下変動を考えながら、今週の為替相場の予想水準を考えたいと思います。

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【注目材料】

今週は、世界経済フォーラム、夏季ダボス会議(中国 26~28日)、ECB フォーラム(ポルトガル 27~29日)と予定されています。

ダボス会議では、各国要人が一同に集う会合で、発言の内容に相場が変動することが多々あり注目しています。

ECB フォーラでは、ムカーニーBOE総裁、イエレンFRB議長、ドラギECB総裁など中銀総裁の発言が予定されており、英国のEU離脱に関しての発言が注目されます。

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【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY 【予想レンジ 98.50~103.50円】 

リスク回避の流れは変わらず、円高への方向性は変わらず、円売り介入の有無がポイント。

日本政府・日銀による、円売り単独介入の実施の有無とその水準が大きなポイントになります。日経平均株価の急落が続くようなら、参議院選と東京都知事選を来月に控え、極端な円高=株高による経済的な悪影響を食い止めたいと思っていることは間違いないことでしょう! 

リスク回避の流れが急速に収まることは考えにくく、円安誘導ともとらえられない単独介入はできないのではと思われています。

間違いないことは、ポンド、ユーロ安による世界的な経済への悪影響を危惧した、協調介入の動きが予想され、その際に、協調の一環で円売りに出動する可能性は高いことで、それがどこでいつなのか? 手さぐりで円買いを試す動きとなることを予想します。

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◎EURUSD 【予想レンジ 1.0850~1.1250】
◎GBPUSD 【予想レンジ 1.3000~1.4000】

英国のEU離脱による不透明感は変わらず、下落リスクも変わらず。

英国のEU離脱は、EU創設以来で初めての出来事だけに、その影響を判断することは難しいものがあります。また、相場変動で、ポンドとユーロを切り離して考えることもできず、同じ材料で同じ方向性を示すことになるでしょう。 

フランスやオランダなどの極右政党からそれぞれの国で国民投票を実施するよう求める声が上がり、英国でも残留派が多数のスコットランドでは、EU残留を目指し2度目の英国からの独立を問う国民投票を検討中との報道もあります。

28日から始まるEU首脳会議で対応策話し合うことになります。離脱調停の10月を望むキャメロン首相に対して、EUは早期の離脱調停を望んでいますが、この思惑の違いも気になります。

いずれにしても、早期の決着は難しく、今後どのようなリスクが発生するか不明な点も多く、リスク回避の流れが続き、EURUSD、GBPUSD共に下値リスク残ることになるでしょう。


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