2016/06/05

2016年6月5日(日曜)今週の為替相場を考える

2016年6月5日(日曜)今週の為替相場を考える


日本の増税先送りと予想外に弱い米雇用統計に米利上げ期待が後退し、ドル売りと激しい円高の1週間が過ぎました。

先週、円高へと大きく舵を切り返した原因としては、日本の消費増税の先送り決定+予想外に弱い非農業部門雇用者数の減少でした。

この急変の流れが継続するのでしょうか? それとも、ただ単に一時的な動きなのでしょうか? 今週は来週の日米金融政策と、翌週のイエレンFRB議長の議会証言と、英国民投票の最重要のテーマを直前にし、投機的ポジションも大きいとは思えず、それらの思惑で相場が変動することになりそうです。

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→ 消費増税の先送りですが、直前の市場予測では、「消費増税先送り」=株高+円安が大勢の意見でした。結果は見事に裏切られ、「消費増税先送り」=株安+円高へと動いたサプライズは、忘れることはできません。

2014年11月18日に一度目の消費増税先送り時には、USDJPYは116円台→121円台まで上昇し円安が進み、日経平均株価は時間をかけながら一時上昇しており、明らかに今回とは異なる動きでした。

今回、二度の消費税先送りで、日本の財政規律が保たれるのかが不安視され、日本の信頼度の低下が懸念されていないのでしょうか? そうならば将来の激しい円安を期待できるのですが?

→ 米雇用統計の悪化による、米利上げ期待の低下ですが、英国民投票は、EU離脱支持が残留支持とが拮抗することもありますが、FF金利先物では6月の利上げ予測は急減、7月も利上げが危ぶまれ、11月以降の利上げ期待度が高まっています。これが米利上げ期待の反動となりドル売りがしばらく続く要因となっています。

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→ USDJPY 予想レンジ105.50~108.50

「じわじわ円安、急速な円高」のセオリーがまたしても有効に。

消費増税先送り=株高+円安期待が、米利上げ観測の後退と絡み合い、完全に裏切られた今、テクニカルだけを頼りにUSDJPYを売っていたらよかった!と思わずにいられません。

相場を予測する際に、材料とチャートの両面を見ながら考えます。昨今のチャートは円高を示唆していましたが、米利上げ観測の高まり+日本の消費増税の延期+通貨緩和・景気対策期待が、円売りをサポートすると考えていましたが、見事に逆の流れとなりました。

今週は、5月3日の安値105.50台が当面の円高目標値となると思われ、200週の移動平均線も105.81近辺にありボトムになる可能性を考えています。この両方の水準を割り込むことができるのかを注目し、今後の動きを見ながら判断したいと考えており、しばらくは円相場の成行きを静観するのも一案です。

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→ EURUSD 予想レンジ1.1250~1.1500

1.1100~1.1220のレンジの上値をブレーク。1.1450~00が次のターゲットに入っています。ただし、英国民投票の世論調査の急変による影響には注意!

直近のユーロ圏経済もやや伸びが鈍くはなっていますが、相場にはある程度は相場に織り込み済みながら、直近のセンチメントはユーロ安支持が多数を占めていました。

今回、米利上げ期待が萎み、EURGBPは急進し、1.1200~50のレンジ上限を上抜けしたことで、ユーロの強気なムードが一気に高まっています。しかし、英国民投票のサプライズがユーロ相場に影響を与えることは否定できず、1.1500を超えての買いも考えにくいと思われます。

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→ GBPUSD 予想レンジ1.4400~1.4700

6月23日の英国民投票を2週間強に迫り、EU離脱派がやや優勢で、ドル全面安の展開に振れる中で、売り買いが相殺されています。ただ、ポンドは主要通貨に対しては弱含みで推移し、この流れが続く可能性はありますが、対ドルではレンジ相場に入っています。

過去6週間の値動きを見ても、1.4350~1.47500の400ポイントのレンジで推移しており、英国民投票の結果に右往左往することになりそうです。

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→ AUDUSD 0.72500~0.7400

米雇用統計の悪化に、NZDUSDと共にAUDUSDも急進、5月19日から続いたレンジ相場の上限を上抜けて5月17日の水準へと逆戻りしています。今週は、豪州+NZの金融政策の発表が控えており、相場変動のリスクが高まっています。特に、NZ中銀は利下げと据え置き期待が混在しており、相場変動は免れそうにありません。

Dailyチャートでは、やや買われ過ぎ感はありますが、Weeklyチャートでは0.7200以下が底堅くなり、緩やかな買いへと変化している可能性もあります。

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