2016/12/18

今週の為替相場を考える・注目材料(12月19日~12月23日)


今週の為替相場を考える・注目材料(12月19日~12月23日)

米金利高=ドル高は今週も続くのか? 米株の動きに注目。

FOMCの利上げと来年0.25%×3度の利上げ見通しは、トランプ次期政権の政策を考えれば、それほどサプライズと思えず。市場の反応は、米10年債利回り2.47→2.6%、の大幅上昇と米株は伸び悩み(NYダウは2万ドルの大台を試せず)、為替相場はドル全面高。

今週は、23日が天皇誕生日で東京市場は休場、23日は米国市場の債券市場は短縮取引、株式市場は通常取引、英株式市場は短縮取引。週末はクリスマスで、26日は米国市場はクリスマス振替休日で、実質的には今年の最終週。

トランプ次期大統領の財政拡大策から始まった金利高+株高は、14日のFOMCで後付けながら、ドルは全面高となり、ドルインデックスはFOMC前の約101→103までと2003年来の水準に上昇している。

米株は、S&P+Nasdaq+Dow Jonesも伸び悩み、Dow Jonesは12月13日から4日間連続で1万9千9百ドル台で、2万円の大台を目指しながらも達成できずにいる。目の前の人参(2万ドル)を前にして切磋琢磨の馬たち(投機筋)が達成を飽きらめ切れるとはなかなか思いにくい。

さて、為替相場は予想外に加速している米金利の上昇+ドル高に、ドルを買えていないリスク+来年のドル高期待相場を考えれば、ドルをショートして年末を迎える可能性は低く、ドル売り要因はポジションの調整だけで、調整幅は限定的と考えたい。

IMMシカゴ通貨先物市場のポジションからは、円ショートが短期的に拡大する一方、ユーロとポンドのショートが減少しているが、先週のFOMC後のEURUSD+GBPUSDの売りと、短期的な円ショートの急速な拡大が、今週の為替相場へ与える影響も考慮。

ただし、トランプ氏の中国・台湾問題など突然のサプライズ発言を含め、年末の相場は何が起こるか予断を許さないケースも多々あり、「大幅な米株価の下落=ドル売り=リスク回避の円買い」のリスクだけは注意が必要。

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【今週の他の注目材料】

12/19(月) 
3:30 USD イエレンFRB議長講演

12/20(火)
9:30    AUD 豪中銀議事録公表(12月6日分)
昼頃    JPY 日銀金融政策決定会合
15:30    JPY 黒田日銀総裁記者会見

12/22(木)   
6:45    NZD 第3四半期GDP
22:30    USD 耐久財受注数
22:30    USD 第3四半期GDP
22:30    CAD 消費者物価指数
00:00    USD 第3四半期個人所得・個人消費支出

12/23(金)
日本市場休場(天皇誕生日)、
米国市場の債券市場は短縮取引、株式市場は通常取引、
英株式市場は短縮取引
18:30    GBP 第3四半期GDP
22:30    CAD 10月次GDP

12/26(月)
米国市場はクリスマス振替休日

≪詳しい予定は、添付ファイルの今週の予定をご覧ください≫

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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


◎USDJPY【予想レンジ 115.00←116.50~118.60→119.50】

米次期大統領にトランプ氏が選択されてからは、6週連続で上昇傾向は止まらず。日足では先週末は久々の陰線引けで、118.60台を超えられないと弱気ムードが強まる可能性も。ただし、116.50円は固く、12月14日のFOMC発表前の115.00円がベース。

今週は日銀の金融政策決定会合が予定されているが、金融政策の変更はなさそう。引き続き日米金利差が相場のカギながら、伸び悩んでいる米株の動きが気になる。

年末・年初の相場を考えれば、円の買い戻しの可能性もあるが、短期的で円売り傾向は変わら。基本は116.50~118.60円のレンジで、これを抜け出すとさらに1~1.5円程度加速する可能性も。


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◎EURUSD【予想レンジ 1.0300~1.0600】

FOMCでついに1.0500を割り込むも、達成感は見られず。目先はイタリアの銀行救済問題もあるが、中長期の政治的な問題は一朝一夕で解決することはできず。

年末の調整も進む中での、FOMC後のEURUSDの下落にEURショートをどこまで作ることができたのか疑問も残り、売りの流れは変わらず。


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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2300~1.2600】

英国のEU離脱から続くGBP売りも、年末に向けて弱まり、EURGBPの売りにGBP買いの流れが強まっていた。先週は1.2800の大台トライが失敗し、FOMC後の米金利上昇に売りの流れが加速し、1.2400まで売りが続くも、全体的にクロスではGBPの強さを維持し、大幅な下落も考えにくい。

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7150←0.7300~0.7550】

予想外に弱いGDPにも底堅く推移していたが、FOMC後の反応は新興国市場の売りの影響をもろに受け0.7300の大台を割り込む予想外の下落へ。

今週も新興市場国市場の動きを見ながらとなりそうだが、引き続き0.7300は重要なポイントでクリアに割り込むと5月23日の安値0.7145まで大きな壁は見られず。


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