2016/12/10

2016年12月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

2016年12月10日(土曜)昨日9日、海外市場の動き

週末の金曜日、ドル高の流れは止まらず、ドルは全面高。そして、円は全面安。世界的に株価は上昇(除く新興国)し、金利も上昇(除く独)。原油価格(WTI)はサウジが欧米へ原油引き渡しの削減を通知、51.49ドルと底堅く推移。

特に円売りが目立ち、USDJPYは115円の大台を上抜け115.30台まで上昇、1.13%上昇、GBPJPYは+0.93%、CADJPY+1.08%、CHFJPYは0.89%と1%近く円安が進んでいる。

数少ない経済指標では、米卸売在庫が-0.4%と変わらず、ミシガン大学消費者信頼感指数は98と予想94.0を上回り堅調。アイルランド中銀はQEの半減縮小を決定。BOE調査では英国民は今後1年間で2.8%へのインフレ上昇を予測しており、ポンド高の影響もあり将来のBOE利上げ期待度は高い。

また、9日のECB理事会ではドイツの反対が強かったとのニュースも流れている。QEを月額600億ユーロで1年間延長することも協議したが、ドイツ連銀などタカ派の反対で9カ月延長で合意とのこと。

日本時間に日経平均株価は1.23%上昇で1万9千円直前へ、海外ではNYダウが0.72%上昇する中で、日経先物は1万9200円台へ急上昇。米10年債利回りは2.4675%(+0.06%)、2年債も1.1329%(+0.023%)と上昇し、米金利の上昇と株高=円安の流れを加速させている。

USDJPYは全面安。欧州市場で115円の大台をブレーク。オプション絡みか大口の実需の動きなのか115.20台まで上昇後114.60台まで急落するも、米国市場に入り、米株+米金利の上昇にドル買いが強まり、フィキシングからオプションカットまでは115.10~20近辺で取引が続き、欧州勢が取引を終える時間帯から115.30円台のトライが始まるも、NY市場終盤にかけては、意図的な動きとも思える115.10台まで下げて終了している。

EURUSDは続落し1.0554で終了。年初来の安値を更新し、2015年3月来の安値近辺へ。ECB理事会の決定ではECB内での不調和音がドイツ中心にいつもながら聞こえてくるが、妥協案の産物で、スタッフ案は「現行の月額800億ユーロで6カ月間延長」とあった。EURUSDは1.0530台の安値まで続伸し、1.05の大台手前からは週末のポジション調整の買い戻しや実需筋の買いに下げ止まりやや値を戻しているが、上値は重い。

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サウジ=欧米顧客へ1月から原油引き渡しの削減を通知。

アイルランド中銀=月額10億ユーロの債券購入を半減とQEの縮小へ。

リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁=ECB緩和策は成長押し上げに不十分。商業銀行の不十分な融資、低調な企業の融資需要の理解がが重要で、企業が将来に対する懸念から投資を控えている。

BOE調査=英国民はインフレ率が大幅に上昇すると予想し利上げも視野に入れる。今後1年間のインフレ率予想の平均8月2.2→2.8%、5年3.0→3.1%。41%は1年で利上げを予想。

クーレECB専務理事=ECBによる資産買い入れ減額決定は経済に対する自信の表れ。来年は選挙が目白押しで依然支援が必要。

クーレECB専務理事=長期金利はいずれ上昇する。金融政策に頼らない成長の原動力を見つける必要がある。

9日のECB理事会について=QEを月額600億ユーロで1年間延長することも協議したが、ドイツ連銀などタカ派の反対で9カ月延長で合意。

ECBスタッフの変更案は、現行の月額800億ユーロで6カ月間延長することに主眼を置いていたが、ドラギ総裁はこの案では過半数の賛同を得られないと認識し妥協案を模索。ECBは月額600億ユーロで1年延長を提案したがドイツなどタカ派は600億ユーロで6カ月延長を主張し、妥協で9カ月延長が決まった。

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