2016/12/25

今週の為替相場を考える・注目材料(12月26日~12月30日)

今週の為替相場を考える・注目材料(1226日~1230日)

トランプ発言にドル先高への不安感が募るも、ドル高期待相場は変わらず。薄商いながら新たなは方向性が出やすい年末最終週に注意。

今年も残すとこ1週間。26日(月曜)はクリスマス・ボクシングデーで、東京市場を除き多くの主要市場は休場で、27日(火曜)も休場が多く続く。イベントや経済指標も極端に減り、市場参加者が一年で最も減少する週に突入する。

実需筋は動けず、為替相場も動かないと思うのが当然でもあるが、クリスマス明けは同時に、来年に向けた始動の時でもある。週後半は一部の投機筋にとっては、市場センチメントをうまく利用し薄商いの中で、年初の相場をリードすることができるチャンスでもある。

経験則から考えて注意しなければならないのは、28日~30日は時として予想外に動く可能性があり、目の前の相場に飛び乗りそれが来年に向けた正しい相場の動きであると信じないことでもある。

トランプ次期政権の主要な顔ぶれもほぼ決まり、米証券会社の要職経験者や大企業経営者など、金持ちで実務派のイメージが強い。政権発足後の経済活性化へ向けたかじ取りが期待できる反面、西沙諸島や台湾問題で中国を刺激し中国海軍が米無人潜水艇を拿捕、ロシアと対抗したのか核装備の増強発言など、トランプ氏の発言が何を引き起こすかわからない不安は残っている。

FOMC1214日)の予想通りの利上げと、予想外の利上げ拡大予測に、米金利の上昇=ドル買いが加速して以降、為替相場はドル高傾向を維持ししているが通貨間で異なる。

先週一週間では、USDJPYの上昇力は弱まり小幅な調整へ、EURUSDは下げ幅を縮めている。一方、GBPUSDAUDUSDNZDUSDは下落し、USDCADは上昇し、共にドル高を維持して今年最終週を迎える。

為替市場のドル高相場に反して、IMMの最新データからは、主要国通貨では円を除き、ポンドやユーロを中心にショートポジションの縮小が続き、スイスフランがショートからロングへと変化する逆の動きとなっている。

通貨のショートポジションの減少だが、これには、二つの意味があると思われる。一つは、もし、新たなドル高材料が出れば、ポジションが軽くなり通貨ショート(ドル高)が増幅しやすいこと。二つ目は、市場参加者はドル先高への不安感が強いということではないだろうか?

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【今週の他の注目材料】
※今週は海外発で最重要と思える経済指標はなく、国内では27日の全国CPIを注目。


12/26(月)
クリスマス・ボクシングデー 日本を除き、ほぼ世界的に休場
08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨公表(111日分)

12/27(火)クリスマス・ボクシングデー 英国、豪州、NZ、カナダ、スイスは祭日
08:30 日本 全国消費者物価指数
23:00  S&P/ケースシラー住宅価格指数
00:00  米消費者信頼感指数

12/28(水) 
00:00 米中古住宅販売保留

12/29(木)
22:30 米新規失業保険申請件数


≪詳しい予定は、添付ファイルの今週の予定をご覧ください≫


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】


USDJPY【予想レンジ 115.50←116.50117.80→118.50

米大統領選から週足ベースで6週間続いたドル円の上昇も、米10年債利回りの上昇がストップした変化と同じく、先週は118円台で上げ止まり下落し、週終値ベースでは118円台を達成できずにいる。

USDJPYの値動きは、14日のFOMC直前の安値115円近辺翌日1215日の高値118.60台をピークに、米中緊張の高まりから円高へ動いた1219116.50台で下げ止まり、116.50118.50のレンジに収れんしている。

先週は、117.50円の上値が重く下値を試す動きが考えやすいが、クリスマス休暇を前にし円ショートのポジション調整が強かった分を割り引いて考えると、円先安センチメントの変化は感じられず。

流れだけを考えれば、117.50円の上値が重く下値を試す動きが考えやすく、一度117.80円を超えてくれば、元の円ベアセンチメントが復活へと動きやすい。

来年スタートのドル円相場を考えれば、できるだけ有利な水準(円高水準)でドル円を買いたい(円ショートを作りたい)と思っていると推測でき、薄商いの中で116.50円割れを狙い、後で買い戻すことも選択肢として考えたい。

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EURUSD【予想レンジ 1.03501.0550


先週は、トルコのロシア大使銃撃+ベルリンのトラックテロ攻撃とユーロ圏に近い、または、当事国の事件にも、20日の安値1.0350で何とか下げ止まっており、IMMのポジションもユーロショートポジションは急減し、1.0300が目先の大きな壁となっている。

1.00のパリティーを破ることは過去何度も失敗しており、並大抵のことではないことも理解しているが、1.0500を割り込んでからは、上値が重くしクリスマス休暇直前でも反発力は鈍いことは事実。順当に考えれば、1.03501.05500のレンジで小動き予想されるが、薄商いでECB当局者が動きにくい中で、どこまで下げらるか見てみたい心境にかられる。



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GBPUSD【予想レンジ 1.22001.2400


目先のポンド安による輸出の拡大が成長を後押させ、輸入物価の上昇から利上げ期待が高まり、拡大したショートポジションの巻き戻しも期待できた。それらから買いが選好したポンドも、1.2800を超えられず売りへと変化へ。過去3週間は続落気味で、先週は1.2300を割り込み、EURGBPの買いから売りへと変化し、弱さが目立っている。

クリスマス休暇と年末最終週で、実需と投機筋の参加者不在の中で、大きな変化は期待できそうにもないが、1.23を割り込んだことを考えれば、1.2500を超えられないと、下値トライの流れは変わりそうにない。



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AUDUSD【予想レンジ 0.71000.7300

トランプ氏が次期米大統領に選出されてからは弱さが目立っている。0.7310台で下げ止まり、一時0.7500を回復し、上昇の兆しが見えてきたが、14日のFOMC後の米金利上昇に0.73の大台を割り込み、再び続落へ。トランプ次期米大統領の中国を刺激する発言や、中国が成長鈍化する可能性も加わり、資源国通貨高と高金利のメリットは感じられず。

クリスマス休暇と年末最終週で、実需と投機筋の参加者不在の中で、大かいな変化は期待できないが、直近は0.7200を割り込み上値の重さは変わらず、下値トライが続く可能性が高い。


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