2016/12/09

2016年12月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前6時頃)

2016年12月9日(金曜)8日、海外市場の動き(午前6時頃)

ECBのQE延長にも減額で欧米金利と欧米株は一時急伸するも、減額=テーパリングでなく後に縮小。ドルは全面高を維持。資金は債券から株式へ。原油価格・コモディティーも強い。

米株(NYダウ・Nasdaq・S&P500)は上昇幅を縮小するも、ダウは一時最高値を更新するなど、引き続き上昇傾向を維持。原油価格(WTI)は一時50.90近くと大幅に上昇。

米10年債利回りはECB理事会後の2.42%台をピークに2.4%へ、2年債も1.1%近くへと低下するも共に前日を上回り、引き続き上昇傾向を維持。

ECB理事会は強弱混在で、QEは延長(3月→12月・必要あれば継続)と、縮小し(月額800→600億ユーロ)。ドラギ総裁も強弱混在で「第4四半期も成長は続く、デフレリスクはほぼ消滅」と、逆に「ユーロ圏の成長は下振れに傾く、テーパリングは議論されず、現行プログラムの延長」。スタッフ予想も2019年のインフレ率は1.7%で目標2.0%に届かず。

USDJPYは、113.20台をボトムにし迎えたECB理事会でQE延長にも減額でテーパリングの開始との判断もあり、欧米金利が急伸。特に米金利の上昇に円売りが反応し、一時114.30台まで上昇。しかし、ドラギECB総裁から減額=テーパリングでなく現行プログラムの延長との発言や、「テーパリングは議論されず」との発言に米金利は上昇幅を縮小し、米株の上昇も弱まり、113.80~30のレンジで推移。

EURUSDは、ECB理事会の「QE延長にも減額」にテーパリングか? 債券利回りの急伸もあり直後は1.0870台まで急伸するも、減額=テーパリングではなく、必要に応じて購入規模や期間を拡大する可能性もあり、1.0720~40近辺へ下落。

ドラギECB総裁は「デフレリスクはほぼ消滅」と「第4四半期も成長は続く」と強気な面もあるが、「ユーロ圏の成長は下振れに傾く」、「テーパリングは議論されず」に、さらに急落。欧米金利も上昇幅を縮小し1.0600の大台を一時割り込むも何とかその水準近くで下げ止まっている。

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バイトマン独連銀総裁=ECBの資産買い入れの延長に反対を表明。

独短期債利回り上昇=ECBが証券貸し出し規定を緩めると発表。

ドラギECB総裁=米次期大統領にトランプ氏が勝利、英国のEU離脱の選択、イタリア国民投票が否決でも市場は予想外に底堅いが、本格的な影響は中長期にあり現時点で評価できず。

ドラギECB総裁=月額買い入れの縮小はテーパリングではなく現行プログラムの延長。デフレリスクが脱却方向にあり800→600億ユーロに減額することで買い入れ縮小が起きないようにしたい。資産買い入れプログラム(APP)は拡大し、月額の買い入れ額も増加する可能性もある。

ドラギECB総裁=テーパリング(資産買い入れ縮小)については協議していない。月額800億ユーロの買い入れを半年間継続するという選択肢もあったが、600億に減額と9か月の継続がかなりの支持を得た。

ドラギECB総裁=インフレトレンドが上向く兆候見られず。総合インフレはエネルギー価格の前年比での変動が主な要因となり、年末年始あたりに一段と大きく上昇する可能性が高い。

ドラギECB総裁=成長リスクは引き続き下方向に傾いている。インフレを注視。資産買い入れ再び増額も。

ECBスタッフ予想=2019年のインフレ予測は1.7%で2.0%の目標値には届かず。

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