2016年12月1日(木曜)昨日11月30日、海外市場の動き(午前6時前後)
OPECの減産合意、強さが目立つ米経済指標、米金利の上昇に、ドル全面高(除くGBP)+円全面安。
OPECは8年ぶりに減産で合意し、原油価格(WTI)は一時49.85ドルまで上昇。ダウ平均は上昇するも、S&Pは小幅安、Nasdaqは-1%近く下落。米10年債利回りは一時2.4%台へ上昇、2年債も一時1.13%台へと上昇するも、終盤にかけやや軟化。
ベージュブック+FRB理事+連銀総裁らは、米利上げの主張が大勢で、市場は12月の利上げを充分織り込み、トランプ次期政権の政策を注視。メスター総裁は「悪魔は細部に宿る」と比喩。
USDJPYは、原油価格の上昇の影響を強く受ける可能性が高く、リスク資産買=安全資産の円売りが加速し、円は他通貨を含め全面安。113.50円前後の売りを消化し、114.50台近辺で上げ止まるも、日本株の動き次第では115.00円の大台を試す動きが予想される。
一方、ベージュブックではドル高による米経済への悪影響が危惧されれ、ムニューチン米次期財務長官は「3~4%の経済成長を目指す上で、税制改正と貿易協定の見直しが最優先事項になる」と言い、貿易相手国に対してどこまでドル高を容認するのかも注視。
EURUSDは、米金利の上昇に一時1.0550台まで下落。ECB理事会ではQEの継続が予想されるなか、ドルとユーロの金利差拡大と、週末のイタリア・オーストリアの選挙を危惧する中で、上値は限定的。
AUDUSDは、米金利の上昇に一時0.7370台まで下落。高金利にキャリートレードが積み上がり投機的なロングポジションが積み上がっていた反動なのか? 米国との金利差縮小なのか? 資源価格の上昇期待にも上値は重く、弱さが目立つ。
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OPEC総会=8年ぶりに減産で合意。産油量を日量3250万バレル(日量120万バレル減産)に減らすことで合意。クウェート、ベネズエラ、アルジェリアが合意の順守状況を監視へ。サウジアラビアはイランが日量380万バレル程度に増産することを容認。非OPECに60万バレルの減産を求める。
ノバク・ロシアエネルギー相=OPECとの合意で、来年上半期に段階的に最大日量30万バレルの産油量削減を実施する用意がある。ロシアが産油量を急激に削減することは技術的に難しい。OPECか盟・非加盟国が合意書の署名に向け別途、会合を開く。
メスター・クリーブランド連銀総裁=金利を再び引き上げることは賢明なステップで、米経済は高い金利が必要。予想される米財政、通商、移民政策の変更を注視。FRBは雇用やインフレへの影響を見極める必要があり「悪魔は細部に宿る」
パウエルFRB理事=FRB当局者は短期的な利上げ見通しよりも経済状況や各種予想の不透明性に焦点を当てるべき。
カプラン・ダラス連銀総裁=近い将来に緩和策の一部を解消する必要がある時期に来ている。9月と11月初旬のFOMCで利上げを決定することに異論はなかった。
米地区連銀経済報告書(ベージュブック)=10月と11月にかけて経済の拡大が継続。賃金と物価の伸びは緩やかなものにとどまり、ドル高が製造業の重し。12の連銀のうち7連銀が労働市場の引き締まりを報告。賃金の伸びは全般的に緩やか。
アトランタ連銀GDPNow=第4四半期GDP予測値3.6→2.4%に下方修正。
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