2016/12/04

今週の為替相場を考える(12月5日~12月9日)・含む今週の注目材料

今週の為替相場を考える(12月5日~12月9日)・含む今週の注目材料

トランプ相場の継続の有無を気にしながら、今週は欧州の選挙結果に反応する週になることは間違いなことでしょう! そして、8日のECB理事会は、本当にQEの終了を強調するシグナルを発するのでしょうか? 

トランプ氏の期待相場はどこまで続くのでしょうか? ドル高への要因で特に円安要因の、米株+米金利は上昇傾向を続けながらも、やや変化を見せ、Nasdaq+S&P500は伸び悩みが気になっています。

トランプ氏が次期米大統領に選択されてから、敏感にドル買いに反応している為替市場は、過去2週間に渡り、反転とは言いがたいのですが、ドル買いも一服し、今週の予想を複雑にしています。

今週の為替相場にとってより重要なのか、4日のイタリアの国民投票(結果は日本時間5日の朝方~昼頃と予想)でレンツィ首相は信任されるのでしょうか? それとも否決され辞任するのでしょうか? ECBが債券を購入しサポートすることを表明していますが、イタリアの銀行は大丈夫なのでしょうか?

また、4日のオーストリア大統領選のやり直し選挙も重要です。極右候補が勝利することはないのでしょうか? もし、勝利すると来年に予定されている仏・独の選挙にどのような影響を与えるのでしょうか? こちらの日本時間の午前中に大勢が判明するといわれています。


【今週の他の注目材料】
6日=豪中銀の金融政策(1.5%の据え置き予想)、
7日=豪第3四半期のGDP、
7日=カナダ中銀の金融政策(0.5%の据え置き予想)、
8日=日本GDP第2次速報値、
8日=ECB理事会(政策金利0.0%、上限金利(限界貸出金利)0.25%、下限金利(中銀預金金利)-0.4%の据え置きを予想。月間800億円のユーロ資産買い入れ3月までの据え置きがどうなるかが焦点)とドラギECB総裁の記者会見では政策を見直す可能性もあり注目しています。

≪詳し予定は、添付ファイルの今週の予定をご覧ください≫


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今週の【通貨ペア別のレンジ予想】

◎USDJPY【予想レンジ 112.50~115.00】

USDJPYは、IMM通貨先物取引では、円のコントラクトは年初来初めてロングからショートへと変化し、USDJPYオプションのリスクリバーサルはドルプット・オバーが縮小し円先安懸念が一層強まっていることがわかります。

日経平均株価は上昇を続け、日銀の政策に長期金利の上昇が抑えられ、日米金利差(他の主要国でも同じなのですが)が拡大し、円安材料に事欠かないのが現状です。ただし、まだ先のことになるのでしょうが、問題は貿易問題を優先しているトランプ次期政権がどこまで円安を容認してくれるのでしょうか? 

さて、今週のUSDJPY相場を考えるとき、イタリア国民投票とオーストリア大統領選の結果が重要になってきます。つまり、リスクオンになるのか、リスクオフになるかによって、円相場も影響を受けるということです。

イタリアの国民投票で「NO」が選択され首相が辞任し、オーストリア大統領選で「極右が台頭」すれば、リスクオフで通貨円が選好されることになり、EURJPYはもちろんのこと、USDJPYの上値は重くなり円高傾向になることが予想され、112.50~80円近くまで覚悟しなければならなくなりそうです。

逆に、リスクオンになれば、EURJPYとUSDJPY買いが強まり、113.00~50をボトムにし~115.00円のレンジに入りやすくなります。

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◎EURUSD【予想レンジ 1.0300←1.0450~1.0800】

今週はEUR相場にとって重要イベントが豊富。

イタリアの国民投票と、オーストリア大統領選の結果は先に述べたように非常に重要で、来年の欧州各国の選挙への影響を材料とした動きが強まることになりそうで、この結果を見なければどちらに動くかは決め打ちすることはできませんし、相場も動くことでしょう。

また、8日のECB理事会では、金融政策の据え置きが予想されていますが、今後のQEの縮小に対して説明の有無と、あるとすればどのような内容なのかが重要です。これによって、イタリア国民投票とオーストリア大統領選で揺れた相場に、追加的な要因が加わる可能性が高く、注意が必要です。

EURUSDは直近では、そのリスクを織り込む展開となっていますが、市場の期待感はEUR売りで変わっていません。

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◎GBPUSD【予想レンジ 1.2500~1.2800】

ポンド安によるインフレ懸念が台頭、11日の高値1.2670台を越えて上昇中ながら、イタリアの国民投票と、オーストリア大統領選の結果に左右。

1.2700の大台を超えて続伸中で、本格的にポンド高になるかはドル相場の強弱に関わってきますが、EURGBPの相場の影響が強いことを考えれば、イタリアの国民投票と、オーストリア大統領選の結果に大きく左右されることは避けられそうにありません。テクニカルポイントだけを見れば、1.2500~1.2800のレンジに入りやすいように思えてなりません。

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◎AUDUSD【予想レンジ 0.7400~0.7600】

OPEC総会で減産が合意し資源価格は上昇、米国への資金移動のマイナス面はあるも底堅さが感じられる。

2週連続で大幅な陰線のあと、2週連続で陽線と底堅さも感じられます、ただし、先週は上昇しながも気迷いムードが強いのですが、長期でみれば上昇トレンドにあるように思えてなりません。対ドルで上値が重くなるようならば、AUDJPYを買うのも選択肢ではないでしょうか?