2019/10/20

今週の為替相場を考える(10月21~25日)どうなるのかブレグジット!

今週の為替相場を考える(10月21~25日)どうなるのかブレグジット!

英議会は、首相にEU離脱の延期要請を強いる修正案を可決。ジョンソン首相は予定通り月末に離脱すると譲らず、離脱に向けた法案を審議する構え。今週の大きな材料の一つに。

米中通商交渉は、中国は、米国の制裁関税もあり中国は成長鈍化の弊害が強まり、米国は米経済の伸び悩みと来年の大統領選の対策で、共に何とかせねば! と、双方の利害が一致したことで部分的な合意に達するも、中国は12月の追加関税の撤廃や制裁関税全ての廃止を求め署名はできず11月16~17のチリAPEC総会まで先延ばしへ。目先は新たな材料が出ない限り、相場変動の材料となり難い。

残りのブレグジットではEUと英国は離脱協定案で合意するも、英議会は関連する国内法案の整備が優先とし承認を保留する動議を採決した。これによりジョンソン首相はEUに離脱の延期を求めなければならないことになったが、首相は「さらなる離脱の延期は求めない」と主張し、今週に離脱に関連する国内法を整備するための法案を審議し、予定通り月末に離脱すると譲らず。

基本は合意なきEU離脱の可能性は無いと思ってるが、その結論がでるまで、しばらくは紆余曲折がありそうでもある。ジョンソン首相がどのような法案を提出し採決できるのか? できないとすれば自動的に3か月間の離脱時期が延期されるのを、EUが承認するのか? 週末にはEU残留望む市民による国民投票求める大規模デモも見られた。

最近のIMMポジションからでも紹介しているが、円は前週比で-17,653コントラクトと、2018年10月2日以来の大幅な売り越しとなり、直近の9月24日の-11,079コントラクトに続き短期間で大幅に変化へ。その結果、8月6日から10週間続いた円のネット・ロングポジションはショートへ急変している。。

9月24日の週の大幅な変化は、9月18日のFOMCで追加利下げに踏み切るも追加利下げでは意見の相違が見られ、ドット・チャートではFRBメンバー全員の中央値から2019年末まで追加利下げはゼロ回に、利下げ局面が短期で終わる可能性を意識し、「リスク回避の巻き戻し=円売り」に変化していたとも考えられる。

今回の10月15日での大きな変化は、推して知るべきで、10月11日の米中通商協議の部分合意と、同日に英政府とEUが歩み寄りの姿勢を示したことで10月31日のソフトブレグジットを意識し、「リスク選好=円売り」へと変化していたと思われる。

USDJPYのボラティリティは低下傾向にあるが、これら材料が今後どのように変化するのか、または変化したのか? 今週の円相場に強く影響を与えると考えるべきであろう。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

USDJPY 予想レンジ(107.80~109.00、または、106.80~108.70)

米中通商協議の部分的合意は米中共に何らかの合意をする必要性に迫られた結果による合意だったことが推測され、11月16~17のチリAPECの合意署名に向けた駆け引きに相場が動くことが予想されるも、目先はさらなる円売り材料になり難い。

むしろ、EUは新たな英国のEU離脱合意案を採択し、円売りの材料となっていたが、英議会が採決を先送りしたのでは話にならず。ジョンソン首相の手腕が再び試される事態に、円相場が変動するリスクも。ただし、根本的には合意なきEU脱のリスクを回避する動きは変わりなく、目先は一時的に円高へと動く可能性と、その後の円安回帰も考えたい。

200日MAは109.06にあり目先は重要な上値のポイントになっており、オシレーター系は売り変化も見られ、円のポジションはロングからショートに変化していることもあり円相場にとっては追い風も。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

USDCAD 予想レンジ(1.3050~1.3170)

ブレグジットの影響も受けにくく、米中貿易戦争の影響も受けにくいとの判断の可能性もあり、IMM通貨先物のポジションでは、7通貨で唯一7月2日以降、トータルポジションでロングを維持している。原油価格は伸び悩み気味でこれによるダウンサイドリスクはないとは言えないが、引き続き潜在的なカナダドル先高を期待したくなる。

200日MAは1.3110にあり、先週末の安値1.3120とほぼ同水準で下げ止まっている。このポイントをDaily終値ベースで割り込むことができるのか? 重要なポイントにあり注意が必要ながら、オシレーター系では売り変化も見られ、カナダドル高を期待したくなる。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

GBPUSD 予想レンジ(1.2690←1.2850~1.3020)

合意なきEU離脱のリスクは引き続き低減しており、潜在的なGBPの買い戻しを期待したが、議会の承認は得られず。今週のジョンソン首相と議会の動き次第でながら、目先はどこまでさげるか!とりあえずはダウンサイドリスクを考えれてしまう。 

200日MAは1.3155にあり、75日MAは1.2853とこの水準を割り込むともう一段の調整入りの可能性も。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※