2019/10/11

2019年10月11日(金)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年10月11日(金)昨日10日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

ご存じの通り、ブレグジット(合意なきEU離脱リスク低下)+米中通商協議(何らかの合意期待)と、ポジティブ期待に市場はリスク選好のパターンへ。

為替相場は、GBP急伸! USD売りの流れは変わらないが最安値から回復も、JPY+CHFは下落し、GBPUSD(2.0%)、GBPJPY(2.5%)近く上昇へ。

ダウは上昇幅を縮めるも前日比で+150.66(+0.57%)上昇、米債利回りは前日1.584→一時1.67%近くへ、2年債も1.53%台へと大幅上昇、リスク選好に利回り曲線はスティープ化へ、WTIも一時53.77ドルへ上昇。

新華社は「劉副首相は協議に先立ち、米中貿易摩擦の一段の悪化を防ぐために、中国は通商協議で双方が重要と見なす問題について合意を目指す意向」と報道、トランプ大統領はツイッターで「中国の劉鶴副首相と11日に会う、中国との交渉において重要な日だ。彼らは取引を望んでいるが、私はどうだろうか」とあり、市場は何らかの合意を期待する動きが加速。

ジョンソン・英首相とバラッカー・アイルランド首相の会談後の共同声明で「英EU離脱を巡り、合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致」とあり、バラッカー氏は「月末までの合意は可能だと確信」、「離脱交渉当局者らにブリュッセルでの協議再開」を促す。アイリッシュ・タイムズ紙も「この日の会談ではジョンソン首相から関税問題について非常に重大な動きがあった」と報道。

ECB議事録では、金利階層化も「過半数」の支持を集めた一方、利下げに関しては「非常に大多数」の支持が得られた。独仏中銀総裁を含む3分の1以上の政策当局者が債券買い入れ再開に反対。

為替相場はリスク選好のパターンを意識したJPY売りが加速し、USDJPYは108円直前まで上昇、クロスではGBPJPYの2.5%近く上昇するなどJPY売りパターンに。アジア市場では米中通商協議をめぐる報道に107.04→107.77の上下の変動から、米国市場に107.30台をボトムに入り弱い米CPIにもJPY買いは限定的で、「合意なき英国のEU離脱リスクの軽減+米中通商協議の何らかの合意期待」が膨らみリスク選好のパターで、債券利回りも上昇し107.98まで上昇。108円の大口の売りオプション絡みの売りに上値は抑えられるも107.75をボトムに高値圏での推移が続いている。

GBPUSDは、ご存じの通りジョンソン・バラッカー両首脳で「英EU離脱を巡り、合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致」との報道に、溜まったGBPショートポジションを急速に縮小する動きに1.2215→1.2469まで急騰。主要通貨でGBPは全面高と高値圏で推移。ただし、EUからの回答は未定。

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21:30    CAD 8月 新築住宅価格指数=前月比0.1%(予想0.0% 前回-0.1%)

21:30    USD 週間新規失業保険申請件数=21.0万件(予想22.0万件 前回21.9→22.0万件)

21:30    USD 9月 消費者物価指数=前月比0.0%(予想0.1% 前回0.1%)、前年比1.7%(予想1.8% 前回1.7%)、コア前月比0.1%(予想0.2% 前回0.3%)、コア前年比2.4%(予想2.4% 前回2.4%)→ 予想を下回る相場の動きは緩慢

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ジョンソン・英首相とバラッカー・アイルランド首相の会談
◎英EU離脱を巡り、合意に向けた道筋が見いだせるとの見解で一致
◎1対1の会談は2時間半に及んだ。バラッカー氏は月末までの合意は可能だと確信、離脱交渉当局者らにブリュッセルでの協議再開を促した。

アイリッシュ・タイムズ紙
◎この日の会談ではジョンソン首相から関税問題について「非常に重大な動き」があった。EU側の譲歩に関する情報などはない。

トランプ大統領(ツイッター)
◎中国の劉鶴副首相と11日に会う
◎中国との交渉において重要な日だ。彼らは取引を望んでいるが、私はどうだろうか

中国国営新華社
◎劉副首相は協議に先立ち、米中貿易摩擦の一段の悪化を防ぐために、中国は通商協議で双方が重要と見なす問題について合意を目指す意向
◎「中国は誠意を持って交渉に臨む。貿易収支、市場アクセス、投資家保護などの面で米国と協力していきたい」
◎中国は国際社会が世界の安定と繁栄の維持に向け共に取り組んでいくことを望んでいる
◎米中の経済、貿易関係は世界的な影響を持つため極めて重要

米農務省(USDA)の統計
◎民間輸出業者の中国への大豆販売は39.8万トン。1日の販売量が急増したのは今週に入ってから2日目。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
◎米経済は成長しているもののリスクに直面
◎FF金利はほぼ中立付近とみている

カプラン・ダラス連銀総裁
◎今年2回利下げを決めたのは正しい
◎次回の判断は時期尚早。
◎世界経済の成長鈍化が懸念
◎今年の米国のGDP成長率は2.1%を予測

ECB議事要旨
◎ユーロ圏成長の下支えや物価の押し上げに向けあらゆる措置を講じる決意を示した
◎金利階層化も「過半数」の支持を集めた一方、利下げに関しては「非常に大多数」の支持が得られた。
◎預金金利の2段階構造についても懸念が示されたが、政策当局者全員は成長鈍化やインフレ期待の低迷を背景に追加緩和策が必要であるという意見で一致。

ECB議事要旨(債券買い入れで意見が対立)
◎無期限の債券買い入れは「買い入れ余地の喪失につながり、金融政策と財政政策の境界をあいまいにさせないために重要である制限措置に疑問を投げ掛ける」
◎独仏中銀総裁を含む3分の1以上の政策当局者が債券買い入れ再開に反対。無制限の債券買い入れにより、ECBが自ら課した買い入れ制限に違反し、訴訟リスクにさらされる可能性がある
◎6人のECB理事会メンバーのうち、2人が債券買い入れに反対し、3分の1が利下げに関して慎重な姿勢を示した。
◎反対意見は、債券買い入れ再開に反対する当局者は、債券利回りがすでに低水準にあるため、債券買い入れの効果が乏しいと主張したほか、緊急時の政策として取っておくべきとした。
◎最終的には債券買い入れ再開について「明確な過半数」の支持を得ていた。

FT紙
◎ドラギ総裁が、債券買い入れを再開すべきでないとするECBの金融政策委員会の助言を無視。

カーニーBOE総裁
◎中銀の第3・四半期成長率が0.2%だったと指摘した上で、「基調的な成長ペースはそれよりやや弱く、最近の指標はそうした見方に一致する」
◎英ポンドの変動が通常より激しいとし、EU離脱の展開を巡る予想が幅広いことを反映していると指摘。「より劇的な結果においては、成長を支援するためにやれることを全て検討する」

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