2019/10/20

最新のIMMポジションから (10月20日)円ポジションはショートへ陥落



最新のIMMポジションから (10月20日)円ポジションはショートへ陥落

集計日が10月15日(火)の最新データのIMMポジションでは、7通貨(円、ユーロ、ポンド、スイス、カナダドル、豪ドル、NZドル)のネットポジションの合計は前週比では-228,515→-242,320コントラクトと、ショートが13,805増加し、通貨安が強まっていました。

この変化は、すべてが円に起因し、円は前週比で-17,653コントラクトと、2018年10月2日以来の大幅な売り越しとなり、直近の9月24日の-11,079コントラクトに続き短期間で大幅に変化したことになります。その結果、8月6日から10週間続いた円のネット・ロングポジションはショートへ急変しています。

この9月24日の週の大幅な変化は、9月18日のFOMCで追加利下げに踏み切るも追加利下げでは意見の相違が見られ、ドット・チャートではFRBメンバー全員の中央値から2019年末まで追加利下げはゼロ回となり、市場参加者は利下げ局面が短期で終わる可能性を意識し、「リスク回避の巻き戻し=円売り」に変化していたとも考えられます。

今回の10月15日での大きな変化は、推して知るべきで、10月11日の米中通商協議の部分合意と、同日に英政府とEUが歩み寄りの姿勢を示し「向こう数日間でEU側と集中的に協議を行う」と発表、10月31日のソフトブレグジットを意識し、「リスク選好=円売り」へと変化していたと思われます。

もちろん、米中通商協議の部分合意では協定で署名はできずAPECまで持ち越され、ブレグジットでは昨日英議会はジョンソン首相が取りまとめた、「英国とEUとの離脱協定案の合意」の承認を「保留する動議案」を賛成多数で可決していることもあり、この2大イベントの変化には要注意。

今回のデータでそれ以外では、カナダドルのロングが7,648コントラクト拡大し、7通貨で唯一7月2日以降、トータルポジションでロングを維持しており、引き続き潜在的なカナダドル先高期待感が続いています。つまり、ブレグジットの影響も受けにくく、米中貿易戦争の影響も受けにくいとの判断かもしれません。

詳しくは別表をご覧ください。

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