2019/10/06

今週の主な材料(10月7~11日)

今週の主な材料(10月7~11日)

米中貿易交渉とFRBの金融政策で、債券と株式市場が変動し為替相場が動く流れは変わらず。最も近頃は米中貿易交渉の期待とその反動で金融市場が動きFOMCの決定もこれに左右されることはパウエルFRB議長やFOMCメンバーの発言を見ても間違いない。

となると、今週の最重要テーマは何が飛び出すか予測不能なトランプ大統領の発言を除くと、10~11日にワシントンでの米中ハイレベル通商協議が最重要イベントとなる。この本番を前にして7~8日には次官級会合が予定されており、この結果が漏れ聞こえてくるか、本番に向けムニューシン米財務長官、ライトハイザーUSTR代表や、劉鶴・中国副首相から意図的な発言が飛び出すのか? それも興味深い。

次にFOMC議事録だが、9月18日の声明を振り返ってみると、「追加利下げに踏み切る可能性を示唆するも意見が分かれ、今後発表される情報が経済見通しに及ぼす影響を引き続き注視し、景気拡大を持続させるために必要に応じて行動する」とある。パウエルFRB議長の会見では「短期金利は低下に向かうとの見方を示す一方、引き続き暫定ベースで市場に介入する構え」だった。驚きはドットプロット・チャートで全メンバー17名の中央値は、2019年末までの追加利下げはゼロ回となったことである。最も、その後のやや弱い米経済指標の結果を受けてCMEのFedWatch Toolでは年内2度の利下げ期待が強まっていることも間違いない。

それと、10月31日に期限となる英国のEU離脱だが、EUサミット(10月17~18日)を来週に控え、11日が議題設定の期限とある。市場はすでに31日の合意なきEU離脱よりも延長後の動きを気にしていることは間違いない。解散総選挙、2度目の国民投票? 可能性はいくつかあるのだろうが結果を予想することも難しい。

今週の相場変動要因を主役の米国と、それ以外で材料を分けて挙げてみたい。また、今週の予定の確認は別表で。

米国
①何が飛び出すか予想できにくいトランプ大統領の発言
②10~11日にワシントンでの米中ハイレベル通商協議
③9日のFOMC議事録(9月18日分)
④8日、9日のパウエルFRB議長発言
⑤8日の米生産者物価指数、10日の米消費者物価指数
⑥WTOの承認を受けた欧米貿易戦争のリスク

米国以外
①英国のEU離脱新提案の評価と
②EUサミット(10月17~18日)までのジョンソン英首相の動き
③8日のカーニーBOE総裁の発言
④10日のECB理事会議事要旨(9月12日分)
⑤11日のカナダ雇用統計

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