2019/10/10

2019年10月10日(木)昨日9日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年10月10日(木)昨日9日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

米株高+米債利回り上昇、為替相場は弱い米国発の経済指標にも、パウエル議長発言やFOMC議事録にも大きな変化は示さず。EURUSDを除き総じてドル高で、米中ハイレベル通商協議で何等かの合意を期待しているのかJPY売りが目立つ。

米株は強くダウは前日比+181.97(+0.70%)と上昇、米債利回りは上昇し10年債は一時1.59%まで上昇後1.58%を割り込み、2年債も1.47%台まで上昇後1.45%台で推移。

米中ハイレベル通商協議を10~11日に控え、前日までの「米政府年金基金の中国株保有制限を目指す」、「禁輸リストの追加」、「新疆ウイグル自治区でウイグル人弾圧に関与した中国当局者へのビザ発行を停止」とのネガティブ材料に反して、9日には「中国は部分的な合意を受け入れる考え」を示唆と、「米農産物の年間購入を拡大することを提案」へとポジティブ材料を市場は意識。

FOMC議事要旨は、「利下げで合意」するも「利下げ局面の継続を議論」と、ハト派とタカ派の意見の相違を確認。

JOLT労働調査の求人件数は一年半ぶりの低下、米卸売売上高、卸売在庫は共に予想に届かず。

パウエルFRB議長は「米経済はいくらかリスクを抱えているものの、良好な状態にある」と発言。

GBPUSDは、EUサミット(10月17~18日)まで残り約一週間でどのような合意ができるのだろうか? 欧州市場の序盤で「バックストップに期限を設定する案を準備」、「EUはブレグジットで大幅な譲歩の用意」との報道で前日までのネガティブムードからややポジティブへと変化し、1.2198のボトムから一時1.2292まで上昇するも、ユンケル委員長(欧州議会)で楽観的な見通しは否定されポンド相場も継続できず、結局は元の水準近くへ下落。ただ、EUのバルニエ首席交渉官は「合意は困難だが、不可能ではない」と話し合いの道はと閉ざず。米国市場に入ると動きは鈍くなりFOMC議事録でも動きは鈍く1.2197~35のレンジながら安値圏での取引が続いている。

USDJPYは、一日を通じて底値を切り上げ、米中ハイレベル通商協議でなんらかの合意期待が膨らみ(もちろん結果は不明)、米株高+米債利回り上昇とJPY売りの圧力が強まり、米国市場では一時107.63まで前日比で約0.4%近くと予想外に続伸し107.50近辺で推移と高値圏を維持。USDCHFも0.3%近く上昇していることを見れば、リスク選好のパターンが目立ちクロスでもJPYは全面安。弱い米国発の経済指標、パウエルFRB議長発言、FOMC議事要旨にも大きな変化は見られず。

EURUSDは他の主要通貨で程度の差はあるが総じてドル高の流れの中で唯一小幅ながら前日より上昇しクロスでもEUR高へ。アジア市場序盤の1.0949をボトムに欧州市場の序盤ではデギンドスECB副総裁の「金融緩和の副作用が顕在化」、「追加利下げのハードルは高い」との発言が意識されたのか、GBPUSDの急伸につれ高となったのか1.0990台まで急伸。これをピークに米国市場では1.0970~40のレンジでの推移から終盤にかけて再び下落へ。

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23:00    USD 8月 卸売売上高=前月比0.0%(予想0.2% 前回0.3→0.2%、卸売在庫=前月比0.2%(予想0.4% 前回0.2%)→ 共に予想に届かず。

23:00    USD JOLT労働調査=求人件数705.1万件(予想726.5万件 前回721.7万件)→ 予想と前回を下回り一年半ぶりの低下へ

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FOMC議事要旨
◎米経済へのリスク拡大に政策金利引き下げで合意したが、利下げ局面をどこまで続けるか議論。
◎短期金融市場での逼迫を受け、バランスシートの規模拡大について近く議論する必要があることで意見が一致
◎貿易政策に関する不透明感や海外情勢に起因する、経済活動の見通しに対する下振れリスクは7月会合以降に幾分か強まる。
◎10月以降パウエル議長が7月に「サイクル半ばでの調整」との「緩和政策の限度を示唆する文言」を、幾人かが声明に盛り込むよう主張。

パウエルFRB議長
◎米経済はいくらかリスクを抱えているものの、良好な状態にある。

トルコ軍はシリア越境を開始
◎トランプ大統領は不介入の決定を擁護。背景には、米国が今週に入り劇的に政策を転換し、6日にエルドアン大統領と電話会談し、ISとの戦いでクルド人勢力と緊密に協力してきた米軍部隊を撤収させる方針を表明し、事実上トルコ軍の侵攻に道を開いた。  
◎一方、グラハム上院議員はトルコに対し「壊滅的制裁」を課すことを計画。
◎トルコ、シリア北部でクルド勢力空爆 地域不安定化に懸念強まる
◎エルドアン大統領は、「トルコとの国境に向けてテロリストの回廊が創設されることを防ぎ、同地域に平和をもたらすことが目的」とし、「シリアの主権を擁護し、地域社会をテロリストから解放する」とツイート。

ユンケル委員長(欧州議会)
◎「英国が始めた責任のなすり合いは容認できない」、「合意なき離脱のリスクは現実的なもので、基本的に英政府の決定次第となる」。
◎「合意なき離脱がEUの望む結果になることは絶対にない」
◎「現在は合意を得るためにできることに集中する必要がある。合意を得ることはなお可能だと考えている」

EUのバルニエ首席交渉官(英国の提案をEUが受け入れることができない理由を説明した上で)
◎「率直に言って英国との合意を模索できる状態にはない」、ただ、合意が得られるよう24時間態勢で対応する用意があるとし、「合意は困難だが、不可能ではない」。

タイムズ紙
◎英国のEU離脱交渉で、EUが大きな譲歩に同意する用意がある。
◎北アイルランド議会が2つの基準で過半数を満たせば、一定期間後に新たなバックストップ条項から離脱できることを認める用意がある。
◎EUは国境バックストップに期限を設定する提案を準備

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