2019/10/06

今週の為替相場を考える(10月7~11日)

今週の為替相場を考える(10月7~11日)

「相場はトランプ大統領の手の平」で動いていることもあるが、今週の相場は過去の例からわかる通り「米中貿易交渉」の結果次第でブル・ベアどちらにでも傾く! 

主役の米中貿易協議の結果を受けて金融政策までもがその影響を受けてしまう。為替相場は連動性が高い米債や米株が動くことで変動し、とくに円相場はその影響を強く受けてします。

その米中貿易交渉のワシントン秋の陣は、7~8日に次官級会合が、10~11日にハイレベル会合が開催される。同会合では国慶節明けの劉鶴中国副首相が米国を訪れ、ライトハイザーUSTR代表と、ムニューシン米財務長官と会合をする。

米政権は10月15日に発動済みの第1~3弾の関税を引き上げるほか、12月15日に制裁関税「第4弾」の残りを発動する予定となっている。9月30日に「米証券取引所に上場している中国企業の上場廃止や、米投資家による中国へのエクスポージャーを制限する制裁案を協議している」とのブルームバーグ報道は、この米中ハイレベル会合を前にして中国政府にプレッシャーをかけていたのでは? と疑いたくもなる。

いずれにしても会合の結果を受けて相場が大きく動くことは間違いないが、事前にポジション取って攻めることは「丁半博打」に似ているが、それでも「人の行く裏に道あり花の山」もまた真理。

先の日米貿易協定の合意では、合意文書の解釈を自国に都合のいいように受け止めているらしい! 安部井首相は「ウィンウィン」でよくやったというも、トランプ大統領は「米国の勝利」と宣言していた。NewsWeekは「日米貿易協定を「ウィンウィン」と呼ぶ日本の敗北主義」とのコラムもある。

米中貿易交渉の結果が、仮に私の嫌いな「ウィンウィン」の合意なで終わることにでもなれば、言葉の「まやかしで」ごまかされないように注意したい。円買いなのか円売りなのか判断がつきにくい場合は米債利回りをみながら、金利差拡大=円売りではなく、「利回り低下=リスク回避の円買い」、「利回り上昇=リスク選好の円売り」で当面は対応するしかなさそう。

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USDJPY 予想レンジ(105.50~107.50、または、106.50~108.50)
一言、米中貿易交渉の結果次第。 
先週は見事に大枠108.50→106.50と2円幅の下落で、弱い欧州経済に続き、予想外に弱い米ISM製造業景況指数を受け米経済の軟化リスクを意識し一機に円買いが強まっていた。Dailyでは過去2日間は106.50近辺をボトムに下げ止まっており、強いサポート水準になっているが、Weeklyでは過去2週間のレンジを陰線が包んで終わり、円高への可能性を残している。


EURUSD 予想レンジ(1.0900~1.1000)
弱いユーロ圏経済(特にドイツ)とECBの利下げリスク、米中貿易交渉のリスク、ブレグジットのリスクは変わらず。

先週は他の主要通貨と同じく弱い米ISM製造業景況指数を受け、大枠1.0900→1.1000と、200ポイントの上昇となったが、ダウントレンドは変わらず。


GBPUSD 予想レンジ (1.2200~1.2400)
10月31日の英国のEU離脱期限は目の前に迫り議会が決めた離脱の延長は濃厚! EUサミット(10月17~18日)を前に英首相はEUを納得させるに十分な解決策を示すことができるのだろうか?

IMMシカゴのポジションから最悪の合意なきEU離脱のリスクヘッジの巻き戻しが続くも、トータルポジションのショートは変わらず。今週も先週のレンジを世襲した動きを予想。


USDCAD 予想レンジ (1.3150~1.3350)
大枠9週間も続いている1.3150~1.3350のレンジをいったいいつになったら抜け出すことができるのだろうか? 個人的には1.33台は売りでCAD買いと思ってはいるが先週のIveyPMIは前回の60から50を割り込み弱さが際立っている。

主要通貨でドル売りの流れの中でもCADは弱くCADクロスは全面安で、米中貿易交渉の影響はもちろんのこと、11日のカナダ雇用統計が重要に。


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