2019/10/19

2019年10月19日(土)昨日18日、海外市場の動き

2019年10月19日(土)昨日18日、海外市場の動き

19日の英とEUが合意した離脱協定案の議会採決を前に、承認の期待が強いのか? とにかく合意なきEU離脱は避けられそうでGBPは続伸し、主要通貨でドル売りは止まらずUSDJPYも108.40を割り込む。

米中貿易戦争の影響に中国GDPは予想外に低下したが、CNY売りは限定的で、トランプ氏はAPEC首脳会議までに米中通商協議の合意を目指す姿勢を変えず。AUD+NZDも上昇傾向を維持。ただし、USDCADの下げ幅は限定的。

米株は弱くダウは-255.68ドル、米債利回りは上下変動しながらも1.753%台と前日とほぼ変わらず。原油価格(WTI)も上下変動しながら53.70ドル近辺と前日比では小幅安にとどまる。

為替相場は一言、ドル全面安で今日もGBPは続伸。英国とEUが合意した離脱案を英議会が採決し承認するか、しないのか? それ次第。与党・保守党を追放された議員らと野党議員が手を組み、採決を1週間以上遅らせようとする動きもあるが可能性は低いのでは!

GBPUSDはアジア市場の1.2839をボトムに米国市場に終盤にかけ1.2970台まで続伸、前日に英国とEUが新離脱協定案で合意が発表され急伸した1.2990までは届かないが、高値圏で終了している。もちろん、英議会の採決でどう転ぶか? その結果とそれを受けた来週月曜日のオセアニア市場の動きは注意!

USDJPYは、週末に控えた英議会の結果による相場変動を前にして、ポジティブリスクの可能性も否定できず。クロスでは円売りの流れが続く中で、対ドルでは円ショートとの巻き戻しが強く、欧州市場の108.72を高値に米国市場の終盤にかけては108.38まで下落している。もちろん、来週月曜日のオセアニア市場では結果を受けた相場変動が高まるリスクは避けられず。

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USD 9月 CB景気先行指数=前月比-0.1%・111.9(予想0.1% 前回0.0→-0.2%・112.1)、一致指数=0.0%・106.4(予想 前回0.3%・106.4)、遅行指数=前月比0.1%・108.3(予想 前回03%・108.2))

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ダリオ氏(ヘッジファンド運用で世界最大手総合者)大停滞とも呼ぶべき世界にわれわれは入った
◎世界経済は政治が二極化し1930年代を連想させる「大停滞(great sag)」局面に入っているが、典型的なサイクル終了時の崩壊に向かっているわけではない。
◎世界の債務水準や来年の米大統領選挙などの議論に加わり、マネーがあふれる世界経済に「大きく特異なことが起きつつある」
◎利下げや減税などの刺激効果は衰えつつあるが、サイクル終了時に古典的クラッシュを引き起こすような状況にはない
◎長期の債務償還規模は大きく膨らみ、年金やヘルスケア関連などで、多くの支払い義務が生じ、負担になり、これを背景に「現サイクルは消えつつあり、私に言わせれば大停滞とも呼ぶべき世界にわれわれは入った」と論じた。 
◎米国と世界中で見られるのは、左派ポピュリズムと右派ポピュリズムの高まりに伴う対立拡大で、30年代にとてもよく似ている

トランプ大統領
◎米中通商合意への署名は、11月16~17日のAPEC首脳会議までに署名したい。

ナバロ大統領補佐官
◎APEC首脳会議でトランプ大統領と中国の習近平国家主席が会談し、合意する計画で、「第1段階」の米中通商合意の達成を目指す。

カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁
◎FFレートは10年債利回りを下回り、金融政策は幾分っ緩和的である必要。
◎ここ半年の間に下方リスクは増大。
◎信頼感が損なわれることで低インフレにつながる。

カプラン・ダラス連銀総裁
◎今月のFOMCで利下げを決定するか現時点では分からない。
◎利下げを決定する前にインフレ動向を見極める必要がある。
◎リスクは予想より悪い方向に傾いているが、若干の時間をかけて検証することが賢明な対応となる。
◎9月の時点では年末までにあと1回の利下げを予想するも、現在は脆弱な状況にあり、予想を前倒しする用意がある。
◎本格的な利下げサイクル」には入っていない。

ジョージ・カンザスシティー連銀総裁
◎米経済情勢は金融政策対応を必要としていない。
◎予防的な金融政策は「堅調に推移しているセクターを過熱させるリスクがある」。
◎利下げが企業の債務水準を押し上げ、リスクテークを助長させ脆弱性が増大するリスクがある。

英とEUの離脱協定案の議会採決で
◎野党と元与党議員が結束、離脱延期の強制につながり得る修正案提出
◎与党・保守党を追放された議員らと野党議員が手を組み、採決を1週間以上遅らせようとする動きに支持が拡大しつつある

カーニーBOE総裁
◎世界経済が英国の重しになっており、世界経済が安定化しているのかが大きな問題。
◎新たな離脱協定案が議会で可決されても、中銀は利上げを行わない可能性がある。

フィッチ
◎英国の格付け「AA」を維持し、見通しは「ネガティブ」。

ドラギECB総裁
◎世界的な見通しの悪化を受け、金融安定を巡る環境が厳しい状況が続く。
◎金融政策の効果を他の政策で拡大させることは可能で、拡大されるべき。
◎地域差はあるが、金融市場と不動産市場の一部の高リスク部門でバリュエーションが過大評価される緩やかな兆候が出ている。

ホルツマン・オーストリア中銀総裁
◎マイナス金利政策によりユーロ圏の金融システムが阻害を受ける恐れがあり、ECBはインフレ目標を引き下げ、政策アプローチを変更する必要がある
◎インフレ期待が極めて強く固定されている環境下でインフレ目標を達成するには大量の流動性が必要になる。
◎達成できたとしても、インフレ目標の引き下げを検討することは有効

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