2019/03/21

2019年3月21日(木)昨日20日、海外市場の動き

2019年3月21日(木)昨日20日、海外市場の動き

FOMCは政策金利を2.25~2.5%で据え置き、年内の利上げを支持せず、バランスシートの縮小を5月から緩め、米債の縮小を9月末で停止と、予想外のハト派にドル全面安。

メイ首相は離脱期限を6月30日まで延期をEUに要請、欧州委員長は5月23日までの延長しか認めず不安材料は変わらず。そして、トランプ大統領経済報告で、日本にTAGでなく「自由貿易協定(FTA)」を目指すことを強調。どうなることやら!

原油在庫は予想外の大幅減少に、原油価格は60ドル台へ急伸。米株はマイナス圏からFOMCを受け上昇するも、終盤にかけ再び下落し前日比-0.55%安。米10年債利回りは続落し10年債利回りは2.52%台まで低下、2年債も時2.38%台まで低下。

USDJPYは、FOMCの発表までは大枠111.30~70のレンジで推移。ハト派のFOMCを受け、米株は上昇し米債利回りは低下し、ドルが全面売安となる中で、前日の安値111.16を割り込み、111.00の壁を突き破り、パウエルFRB議長会見も強気材料は見当たらず110.54まで急落。米債は下げ止まり大枠110.55~75のレンジで推移、ダウは買いが弱まり売りへと変化し買い戻しも限定的で110.70近くで終了。

GBPUSDは、要人の発言が多数でそれぞれで相場が変動、英CPIの前年比は予想と前回を上回るが、コア前年比は逆に予想と前回を下回り市場の反応は限定的。メイ首相(英下院)で、EUから離脱期限を6月30日まで延期することをEU側に要請。ユンケル欧州委員長は、5月23日までの離脱期限の延長しか認めない。欧州議会選挙(5月24~26日)以降では、法的な不透明性に直面することになると正式に警告。

GBPUSDはアジア市場の1.3273を高値に欧州市場にかけて緩やかに下落。ユンケル氏の5月23日までの離脱期限の延長しか認めないとの発言に、一時1.3146まで下落。その後メイ首相が首相官邸の外で声明を発表するのではとのウワサや、バーコウ英下院議長が緊急討論会の開催を呼びかけ1.3220直前まで回復し1.3160台~10台での推移。ハト派のFOMCを受け1.3250を回復するも、EU首脳会議の結果を見守る動きに伸びきれず1.3180台まで終了。

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【北米】
トランプ大統領は19日、議会に提出する経済報告で日本との貿易について、日本側の主張よりも範囲の広い自由貿易協定を結ぶ姿勢を示す。→ 牛肉や豚肉を例に挙げて日本の関税は高いと主張し、日本と自由貿易協定を目指すことを強調し、サービスなどの関税も問題視して、サービスを含むより包括的な協定を結ぶ考えを示す。ただし、日本はTAG(物品貿易協定)を目指すとしてモノを中心に限定する姿勢で、アメリカとの認識の違いが浮き彫りとなる。

トランプ大統領(WSJ紙)、中国製品への関税を「かなりの期間」維持する案を政権内で協議。対中関税の撤廃は検討していないと記者団に話す。「中国はこれまでいくつかの取引の順守に多くの問題を抱えてきた。そのため、確実にしなければならない」、中国との貿易協議が「順調に進んでいる」とした一方、米国は関税で多額の収入を得ていると説明。「一定期間は(対中関税が)残る」 → 米国は中国の対米輸出の半分にあたる2500億ドル(約28兆円)相当に関税を導入した。中国政府も報復として米製品1100億ドル分に関税を課している。

FOMC
政策金利(FFレート)を2.25~2.5%の据え置きを全会一致で決定し、年内の利上げを見込まず。5月からバランスシートの縮小ペースを緩め、米国債の縮小を9月末で停止する考えへ。"

パウエルFRB議長会見
「明らかな政策変更の必要性が生じるような雇用やインフレの見通しを得るまでには、まだしばらく時間がかかる」、「政策調整を急ぐ必要はない」と利上げ休止の姿勢を改めて強調。米景気に関しては「良い状況にある」や「見通しは明るい」と繰り返し、悲観論を否定。「成長は予想よりもいくぶん鈍くなっている」、「中国や欧州景気の減速、企業の資金調達状況などを示す金融環境は「昨年10~12月期に顕著に引き締まった」。リスク要因には、「英国EU離脱や米中などの貿易交渉の不透明感」、「底流にある経済のファンダメンタルズは非常に強い」と失速懸念を否定。「我々が確認しているデータは現在、どちらの方向に動くかのシグナルを送っていない」と慎重に情勢を見極める姿勢に。資産縮小のペースを緩、9月末で縮小を終える方針を決めたが、「これらの計画が予測可能性や透明性、円滑な計画の進展を実現する」。「金融政策の主要な手段は政策金利だ。バランスシートは次の6カ月で通常の水準に戻す」とし政策的な意図は否定。"

金利見通し
17中11名(前回12月は17人中2名)が年内の利上げは必要ないと指摘。残る6人は1〜2回の利上げが必要になるとの予想。大半は今後3年間で1度の利上だけを予想(前回12月は3回の利上げ)。
FRB金利・経済見通し
●適正なFF金利見通し(中央値、カッコ内は前回)
19年末2.4%(2.9%)
20年末2.6%(3.1%)
21年末2.6%(3.1%)
兆期2.8%(2.8%)
●各種長期経済見通し(中央値、カッコ内は前回)
GDP成長率1.9%(1.9%)
失業率4.3%(4.4%)
PCE価格指数伸び2.0%(2.0%)"

【欧州】
ユンケル欧州委員長、ほぼ確実に英国が3月29日にEUを離脱することはない。離脱延期を求めるならEU首脳会議で明確な計画を提示する必要がある。

英政府報道官、メイ首相は長期の離脱延期を求めない。英首相も国民と共にフラストレーションを感じている。

英政府高官、メイ首相はEUへの書簡で短期の離脱延期を要請する。

メイ首相(英下院)で、EUから離脱期限を6月30日まで延期することをEU側に要請。それ以上の延期は準備していない。→ 市場の反応は、短期間の延長にとどまることで、再び合意無き離脱のリスクを意識してかGBP売りが強まる。→ 欧州委員会は6月30日に延期することに反対している(ロイター)

EU報道官、ユンケル欧州委員長は、5月23日までの離脱期限の延長しか認めない →  GBPUSDは一時1.3146まで下落、その後メイ首相が首相官邸の外で声明を発表するのではとのウワサや、バーコウ英下院議長が緊急討論会の開催を呼びかけ1.3220直前まで回復している。

ユンケル欧州委員長は、英国のEU離脱が5月24~26日に実施される欧州議会選挙以降に延期される場合について警告→ 離脱が5月23日以降になる場合、英国も欧州議会選に参加する必要があるとの考えを示した。→ ユンケル委員長の報道官によると、EU首脳会議を前に、ユンケル氏はメイ首相とこの日に電話会談を実施。「ユンケル委員長はメイ首相がEU首脳会議を前に自身の考えを示したことを歓迎している。ただ、ユンケル氏はメイ首相に対し欧州議会選より後に離脱期日を延期することについて、法的な不透明性に直面することになると正式に警告した」と述べた。

ドリアン仏外務相は、英国は協定案を批准するか、合意せずに離脱するかのいずれか。メイ首相が、英議会が首相案を承認すると確約しなければEU首脳は延期要請を拒むだろう。

英首相報道官、できるだけ早く3回目の本採決を実施したい。

コービン英労働党党首、EU離脱を問う確認のために国民投票を要請する

フランス政府は、もし英議会が次の採決で協定案を否決すれば合意なき離脱につながる。

英国のバークレーEU離脱担当相は、短期的な延期はEU離脱を整然と実施する最後の機会。

カタイネン欧州委員会副委員長は、EUとして通商面で中国への圧力を強めるべきとした上で、今週末にかけて開かれる首脳会議では中国からの調達に対し価格調整を行うなどの措置を検討すべきとの考えを示した。中国はすでに経済大国の仲間入りを果たしており、発展途上国としての保護が必要との主張は「まったく現状にそぐわない」と明言。その上で、欧州委が過去に2回提案している国際調達規則(IPI)についてEU首脳は検討すべきとした。

EU首脳は4月9日のEU中国首脳会議で提起するWTO改革やサイバーセキュリティといった事案について調整する。

【アジア・その他】
月例経済報告、景気総括判断を下方修正。

黒田日銀総裁、仮に目標に向けたモメンタム損なわれれば緩和検討。大幅な金融緩和を粘り強く続けている。

EIA週間石油在庫が、-958.9万バレル(予想30.9万バレル)の大幅な取り崩しで、WTIは60ドル近くまで急伸。

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