2019/03/28

2019年3月28日(木)昨日27日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

2019年3月28日(木)昨日27日、海外市場の動き(午前5時半ごろの動き)

リセッションの懸念なのか? 世界的に債券利回りは低下、日・欧・米と株価は軟調。

為替相場はアジア市場でNZDはNZ中銀のハト派発言に急落しは全面安で、AUDも連れ安。GBPはメイ首相の辞任と引き換えに3度目の採決可決を求める動きとトゥスクEU大統領の離脱延長支持に上昇を維持。EURはドラギ総裁のハト派発言に直後は上昇するも、債券利回り低下と軟調な株価に結局のところ動きは緩慢。JPYはリスクセンチメントのやや悪化にややJPY買い戻しが選好。TRYは通貨防衛にファンディング市場の急激変動と株大幅安が続くも予想外に動きは鈍い。

原油価格は一時58.81で下げ止まるも伸び悩み、米株はダウ・Nasdaq・S&P500 ともにボトムから回復するも軟調推移。米債利回りは10年債が2.35%、2年債が2.16%のボトムから回復するも続落傾向は止まらず。

◎NZ中銀は予想通り、政策金利1.75%の据え置きを決定するも、オア中銀総裁は声明文で、「リスクバランスは下方向に変わった」「次の金利動向は引き下げの可能性がより高い」
◎エルドアン政権が通貨TRYの下落阻止を目的に、国内銀行に対し国外投資家からのリラ調達要請に応じないよう命じたことで、保有する株式や債券を売却してトルコ市場から撤退する動きが加速。2年債利回りは20%超で、27日にはスワップ金利が1200%と、28日にも1000%と異常事態。
◎ドラギECB総裁は、「必要なら利上げをさらに遅らせる用意がある」。「マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針」、「見通しのリスクは依然としてダウンサイド」
◎ドイツ政府は、マイナス利回りでの国債を発行は2016年以来で初めて。
◎メイ首相は、議会が3度目の採決で自身のEU離脱協定案を可決すれば辞任する意向。→3月28日、29日の再採決が見込まれる。
◎バーコウ英下院議長は、メイ首相のEU離脱協定案について、これまでに議会で否決されたものと根本的に異なるものでない限り、議会採決を提案することはできない
◎トゥスクEU大統領は、欧州議会議員に対し、EU残留を望む英国人を無視すべきではないと説得。
◎英政府報道官は、メイ首相は今週中に3度目の議会採決を望んでいるが、成功できるチャンスがない限り議会採決に上げるつもりない。
◎カナダ貿易収支は-2.5億カナダドルの赤字と予想外に拡大し、過去2番目の大きさに。
◎米貿易収支-511億ドルの赤字(予想-573憶ドル)と、 中国からの輸入が急減し、赤字額は予想を下回る。


USDJPYは、アジア市場では日本株安にも中国株は強く、欧州株が上昇し一時110.71まで上昇するも、ドラギECB総裁のハト派発言に流れは急変し、110.24まで下落。米国市場では米株が下落し米債も下落する中でリスクセンチメントの低下に110.29まで下落し、110.35~55のレンジで動きは緩慢。

EURUSDは、アジア市場では大枠1.1250~80の狭いレンジで推移。欧州市場に入り一時1.1247まで下落するも、ユーロ・クロスの買いやドラギECB総裁の「マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針」に株高を好感したのか一時1.1286まで上昇。ただし、米株は弱く欧州株も伸び悩み下落へと変化すると、1.1242まで下落し、小幅ながら安値圏で推移。

GBPUSDは、3回目のEU離脱案の採決期待なのか? メイ首相の辞任意思を好感したのか? 上昇傾向を維持。アジア市場では1.3170~15のレンジで推移。欧州市場に入り合意無きEU離脱回避の期待が強まり、1.3166をボトムに1.3246まで続伸。米国市場では逆に1.3185まで値を下げるも、28日、29日と思われる3度目のEU離脱案の採決で合意すればメイ首相が辞任する方針を示したこともあり、1.3269まで続伸し、ドル高の流れの中で奮闘している。

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21:30    CAD 1月 商品貿易収支=-42.5億カナダドル(予想-35.0億カナダドル 前回-45.9→-48.2億カナダドル)→ 予想外に赤字額が拡大し、過去2番目の赤字額に拡大。

21:30    USD 1月 貿易収支=-511億ドル(予想-573憶ドル 前回-598憶ドル)→ 中国からの輸入が急減し、赤字額は予想を下回る

23:00    USD 第4四半期 経常収支-1344億ドル(予想-1300憶ドル 前回-1248→-1248億ドル)→ 赤字額が予想を上回る

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【北米】
米貿易収支-511億ドルの赤字(予想-573憶ドル)と、 中国からの輸入が急減し、赤字額は予想を下回る。

カナダ貿易収支は-2.5億カナダドルの赤字と予想外に拡大し、過去2番目の大きさに。

米商務省が発表した201 8年第4四半期の経常収支(季節調整済み)は1344億ドルの赤字で、対GDP比率2.6%と10年ぶりの高水準。

ハセット米経済諮問委員会(CEA)委員長は、第1四半期は軟調となっているが、第2四半期以降、年末まで力強くなるとの見方を変えていない。欧州とアジアの勢いについては昨年から状況が変化しているが、海外要因による波及的な影響は軽微にとどまっている。

【欧州】
メイ首相は、議会が3度目の採決で自身のEU離脱協定案を可決すれば辞任する意向で、「党内議員らの空気を非常にはっきりとつかんだ」、「離脱交渉第2段階で新たなアプローチ、新たな指導者が求められていると認識しており、妨げるつもりはない」。将来の対EU関係を巡る交渉で新しい指導者が次の段階を進めるよう円滑な交代を約束する考えを示した。

バーコウ英下院議長は、メイ首相のEU離脱協定案について、これまでに議会で否決されたものと根本的に異なるものでない限り、議会採決を提案することはできない。→ 政府はこれまでに2回否決された離脱協定案を28日か29日に再度議会採決にかける考え。

EUのバルニエ首席交渉官は、英国はEUに依然としてとどまることが出来る4月12日まで英国には全ての可能性が残っている。

トゥスクEU大統領は、欧州議会議員に対し、EU残留を望む英国人を無視すべきではないと述べ、欧州議会はブレグジットの長期延期を受け入れるべき。 英国民がEU基本条約第50条の無効化を求める請願に署名した600万人、国民投票(の再実施)を求めてデモを行った100万人、EU残留を望む大多数の人々に背くことはできない」

英政府報道官は、メイ首相は今週中に3度目の議会採決を望んでいるが、成功できるチャンスがない限り議会採決に上げるつもりない。

ドラギECB総裁は、「必要なら利上げをさらに遅らせる用意がある」。「マイナス金利の副作用を和らげる措置を検討する方針」に→ 独10年債利回り一時-0.093%まで下落、独株は一時上昇するも前日と同水準で終了。

ドラギECB総裁は、見通しのリスクは依然としてダウンサイド。海外需要の悪化が続いていることを認識。インフレの収斂は遅れており、顕在化していない。

プラートECB理事は、ECBの新たな銀行向け貸出ファシリティーについて、貸出の状況に応じていつでも再調整が可能。ECBはダウンサイドリスクを警告している。金利は暫く構造的に低位にとどまるだろう。

欧州システミックリスク理事会(ESRB)報告書・ロイター、「EUの金融安定性に対するリスクは、依然として高水準」で、「貿易摩擦や新興国経済の鈍化、ブレグジット、イタリアの政策不透明感」によって引き起こされており、金融業者によるリスク誤認やリスクプレミアムの再評価などが主な懸念要因。この結果、「EUの金融機関のバランスシートが悪化する可能性があるほか、EUの銀行や生命保険会社、年金制度が低金利環境下でリスクの増大に直面」。

ビルロワドガロー・仏中銀総裁、「通商を巡る緊張の高まりのほか、中国の経済見通しを巡る先行き不透明感が世界的な経済成長の重しになっており、ユーロ圏ではドイツとイタリアが経済成長の足かせとなっている」。しかし、ユーロ圏経済は減速に直面しているもののリセッションには陥っていないとし、経済成長は今後、力強さを増していく。ただECBには必要に応じて措置を講じる用意がある。

デギンドスECB副総裁は、ユーロ圏の成長鈍化は、銀行の業績低迷や国債の持続可能性に対する懸念の高まりを通じて、金融不安のリスクを高めている。

ドイツ政府は、マイナス利回りでの国債を発行は2016年以来で初めて。

イタリア経済は今年も低迷か? ①ビスコ・イタリア中銀総裁は「経済活動が昨年終盤から今年初めにかけて縮小したとの認識」、「経済成長の押し上げ、公的債務の削減、貧困撲滅に向けた対策が必要」。②業界団体のイタリア産業総連盟(コンフィンドゥストリア)は19年の同国GDP伸び率見通し0.9→ゼロ%に下方修正し、同年の財政赤字の対GDP比見通しを2.0→2.6%に引き上げた。

【アジア・その他】
NZ中銀は予想通り、政策金利1.75%の据え置きを決定するも、オア中銀総裁は声明文で、「リスクバランスは下方向に変わった」「次の金利動向は引き下げの可能性がより高い」と示し、次回の政策は利下げになると認識を示し、NZDは急落。前回2月の「2019、20年中は政策金利が現水準で維持されると予想」「利上げと利下げの両方がありうる」と中立姿勢からハト派へと変化。

エルドアン政権が通貨TRYの下落阻止を目的に、国内銀行に対し国外投資家からのリラ調達要請に応じないよう命じたことで、保有する株式や債券を売却してトルコ市場から撤退する動きが加速。2年債利回りは20%超で、27日にはスワップ金利が1200%と、28日にも1000%と異常事態。


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