2019/03/31

今週の為替相場を考える(4月1~5日)

今週の為替相場を考える(4月1~5日)

ブレグジットに関する動きもやや興味が薄れる中、ワシントンで開催する米中通商協議はどこで落としどころを見い出し、米中首脳会談の可能性は? 米雇用統計のNFPと平均時給は? 今週の主役で2大イベントの動きと結果待ち。

今週の相場を考える前に、先週、先週までの動きを、為替相場、株、債券利回と振り返ってみたい。ちょっと長らくなるが、為替相場(特に円)にはこれらの動きが大きく影響を与えることは間違いなく、ただ単に、テクニカルベースのみ利用して取引することも重要かもしれないが総合的に考えてみることも重要では?

とは言え、先週までの動きは興味と関心もなくパスするリスクもあることを考慮し、先にUSDJPYとEURUSDに限定して結論だけを述べてみたい。

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USDJPY 予想レンジ(110.40~111.30)円売り先行から円買い戻しへと変化。

USDJPY、先週は予想外に円高方向への動きは乏しく、逆に安方向に舵が切られた。中長期で105~120のレンジと考えているので、現在の水準は許容範囲内でサプライズはないものの、「米2年債とUSDJPYの相関関係」が高い中で、米債利回りの低下にも関わらず円高にならにことに対して、「株高=円安」の逆の理屈はあるが、円安がこのまま続くのか疑問が残る。

先週28~29日の米中通商協議は出てくるニュースを見ると楽観的傾向がクローズアップされ、4月3日のワシントンでの協議再開で何等かの合意がある可能性を意識しているだろうか? また、4月15~16日の日米通商協議の開始をどう織り込むのだろうか? 

テクニカルベースでは、短期~Dailyベースではドル高の流れを支持しているが、Weekly以降ではドル安傾向を覆すことはできず。先のFOMCでのハト派意見に対し今後の経済指標の結果次第でいかようにも対応するとあり、今週の米雇用統計が目の前に待ち構えている不確定要因と相場変動要因であることは間違いなく、結果待ちとなってしまう。

本邦では昔ほどではないが、3月期末の決済に伴うイレギュラーな相場展開になることが多い。つまり、ファンデーションで「株高と円安水準」を維持することもある。3月29日の仲値は三菱UFJ銀行の公表では最高値付近の、TTS111.99 、TTB109.99(ミドル110.99)と実需筋のドル買いが強いことはあるが、ファンデーションの厚塗りに思えてならない。決算明けのUSDJPY相場がどの方向に動くのか注目しているが、期待は円安先行→円高へ逆戻りを期待している。

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EURUSD (1.1200~1.1300と代り映えせず)

ECB関係者から行き過ぎた緩和期待を抑制する動きもあり、弱い欧州発の経済指標やブレグジットを巡り不透明感なども十分相場に織り込まれて現在に至っていることを考えれば、1.1200を大底にそろそろボトム? と考えたくなるが! しかし、テクニカルベースでは短期から中長期とEUR売りの流れに変化は見られず。独10年債利回りのマイナス圏への再突入継続中で、イタリア経済の低迷、ユーロ圏の政治的な一枚岩の揺らぎなど、どうしてもEUR買に踏み切ることをためらう。結果、1.1200~1.1300のレンジ相場を継続しながら、次の一手の材料待ちの相場に思えてならない。、

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【過去の動きを振り返る】

先週を振り返ると、ブレグジットを巡る動きにポンドは下落、強いGDPにカナダドルが上昇、NZ中銀のハト派見通しにNZドルが下落。 直近の相場を振り返ると、株価は世界的に上昇傾向が続くも直近ではレンジ相場を抜け出せず。債券利回りは直近で下げ止まるも続落傾向止まらず。原油価格は続伸しWTIは60ドル台へ上昇。

【為替相場】
1.USDJPYは、110.00割れをボトムに111円近くへと上昇し、株高+米中通商協議の楽観的な見通しに高値圏で推移。結局は109.90~110.95のレンジ。過去7週間、大枠110~112のレンジを継続。
2.EURUSDは、1.13台を維持できず下落するも1.1200台を何とか維持し下げ止まる。結局は1.1200~1.1330のレンジ。1.1200をボトムにしながらもEUR安傾向が続く。
3.GBPUSDは、ブレグジットのリスクに1.3260台→1.3000割れまで下落。結局は1.3260~1.2977のレンジ。過去5週間、大枠1.3000~1.33台のレンジを継続。
4.AUDUSDは、0.7060台→0.7150→0.7060台へと上下し元の水準近くへ逆戻り、結局は0.7158~0.7064のレンジ。過去4週間、大枠0.7000~0.7150のレンジを継続。
5.NZDUSDは、0.6920台を高値に、ハト派のNZ中銀に0.6770台へと急落。
過去12週間、大枠0.6750~0.6950のレンジを継続。
6.USDCADは、1.3450を超えられず、強いGDPを受け1.3350割れまで下落。
過去4週間、大枠1.3250~1.3450のレンジを継続。

【株価】 上昇傾向が続くも直近では広くはレンジ相場を抜け出せず。
1.日経平均株価は、2019年初から続く上昇傾向も過去6週間、大枠21,000~22,000のレンジを抜け出せず。
2.NYダウは、2019年初から続く上昇傾向も、直近の過去8週間、25,000~26,300ドル台のレンジを抜け出せず。
3.独DAXは、2019年初から続く上昇傾向も先々週の11,800で一時休止。
4.英FTSEは、2019年初から続く上昇傾向を継続中で、先々週は一時7370台と昨年10月の高値水準まで回復し選手もその傾向を維持。

【債券利回り】 債券利回りは続落傾向とまらず。
1.米10年債利回りは一時2.4%を割り込み2017年12月の水準へ逆戻り。2年債利回りは一時2.2%を割り込み今年4月中旬の水準へ逆戻り。
2.独10年債利回りはついに水面下のマイナス金利が続き、2016年9月の水準へ逆戻り。
3.英10年債利回りは一時1.0%を割り込み2017年9月の水準に逆戻り、0.923%を割り込むと2016年10月の水準へ。
4.日本10年債利回り、サブマリンで特に言うことはない

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