2019/03/17

今週の為替相場を考える(3月18~22日)

今週の為替相場を考える(3月18~22日)

為替相場はドル高傾向の中でも強い方向感は見られないが、FOMCの結果でどう変化するのか?

◎USDJPYはいつになったら111.00~112.00のレンジをいつ抜け出すのか? 112円台は過去3週失敗し天井? ◎EURUSDはECB理事会のサプライズで1.1170台まで急落するも、4営業日で元の水準に逆戻りするも1.1350の壁は厚そう。 ◎GBPUSDはさすがにブレグジットを巡るリスクに上下変動が激しく底値を切り上げ1.2950~1.3400のレンジながら昨年7月中旬の高値水準までカムバック。 ◎AUDUSDは3月6日の弱いGDPに0.7000近くまで急落するも、市場の弱気センチメントを引きずりながらも元の0.7100近くまで逆戻り、ここからが本番!

最近の印象として、相場変動が一時的にせよ継続するにせよ、金融政策による変動が主となっており、今までを振り返れば年初のFOMCで急変し、直近で豪中銀やECB理事会で急変していることは忘れられない。

一方、ブレグジットを巡る不透明感も結果は未定ながら、ポンド相場だけに限定されているように思われる。また、米中通商協議も月内に急変するとも思われず、突発的な動きの可能性は否定できないが、とりあえずは頭の片隅に追いやってもいいかもしれない。北朝鮮に関しても物騒な発言が飛び出した割には、その後の相場への影響も不透明で、政治的な駆け引きと思いたいがどうなることやら!

前週に米10年利回りは2.6%を割り込み、2年債も2.45%を割り込み弱さを隠せない。為替相場、株価との連動はあるが、特に円相場は米債利回り、特に2年債との連動性が最も高いく、今週の円相場への影響が気になってしまう。

今週のFOMCは最重要であることは周知の事実で、前回1月30日のFOMCでは、利上げ期待が払拭され逆に利下げ観測もみられた。そのFOMC議事要旨では、「バランスシート縮小を年内に停止することで当局者の認識が幅広く一致するも、年内の追加利上げの是非については明確な見解は示さず」、「多くのメンバーは今年金利を調整する必要があるか確信持てず、年内の利上げの必要性で確信持てず」とあった。

前回のFOMCから約2か月弱を経た米経済指標は弱さが目立つが、サプライズではなく逆に賃金の上昇やCPIの底堅さが目立っている。最近の地区連銀総裁や理事らの発言からもこ今回のFOMCでは政策金利2.25~2.5%の据え置きで間違いないと思われるが、メンバーによる経済・物価・政策金利の見通しで、特に金利見通し(ドットプロット)を注目したいが前回からの大幅な変化は期待できない。


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USDJPY

米株は底堅く、米債利回りの低下傾向は止まず、FOMCの結果待ち。米中通商協議はロングランになり、米EU通商協議と日米通商協議へと移行していくことになる。考えてみれば市場参加者の多くが不在中だったといいながらも、現在のドル円相場は昨年末から円高へと動き1月2日の104.65(取引会社によって異なる!)の円高から7円以上の円安水準で推移していることになる。

直近では200日MA111.42から大きく離れることもなく、111~112円の相場展開がいつ、どちらの方向に動くのか、だれもが知りたい問題ながら、112円台が定着できなければ逆に円高リスクが高くなることを期待している。 

今週一週間だけを考えれば、111.05~112.15のレンジを予想したい。


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EURUSD

ECBのサプライズで下げた1.1176から元の水準を上回る1.1340台まで一時反発。ただし、1.1320台を上回る水準で終えることはできず、今後も1.1350が大きな壁に。先のECB理事会のサプライズも、ECBメンバーからは政策の変更ではない! との声も聞かれる。

今週は、FOMCの結果と、ブレグジットを巡りEURGBPの動きが主流で影響を強く受けることになるが、この影響がなければEURUSDは1.1250~1.1350のレンジに収まると思えてならない。


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GBPUSD

GBPUSDはさすがにブレグジットを巡るリスクに上下変動が激しく底値を切り上げ、結果を出ていないものの市場は最悪の合意なきEU離脱が避けられることで、1.2950~1.3400のレンジで高値は昨年7月中旬の高値水準まで値を戻している。

英CPIとBOE金融政策委員会のリスクやFOMCの結果を注意しなければならないが、政治的な駆け引きではEUがよほどへそを曲げない限り、英国のEU離脱期限は程度余裕をもった延長となると思われ、最悪期を脱したとの判断がしばらく続くことを期待したい。ただし、最近の流れを見ても調整や一時的な悪材料に過度に反応することが多く、ポジションをとる水準を精査する必要がありそう。

今週は、1.3150~1.3500のワイドなレンジを予想。


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AUDUSD

3月6日の弱いGDPに0.7000近くまで急落するも、市場の弱気センチメントを引きずりながらも元の0.7100近くまで逆戻り、ここからが本番! 市場センチメントはAUDネガティブが多数で変わらず、積極的な買いも期待薄。一方、0.7000を割り込むような売りも期待できず。

FOMC、米中協議の動きは上下変動要因として残り、豪雇用統計も変動要因ではあるが、ワイドレンジでは0.7000~0.7150を予想。


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