2019/03/03

今週の為替相場を考える(3月4~9日)


今週の為替相場を考える(3月4~9日)

土曜にトランプ大統領は「Trump Says Dollar Too Strong, Swipes at Fed for Rate Hikes」、ドルは強すぎると発言しパウエルFRB議長を攻撃! 貿易に問題があるような 強いドルは望んでいないようである。https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-03-02/trump-says-dollar-too-strong-swipes-at-fed-for-raising-rates?srnd=premium-asia。

昨年末にも耳にした発言に思えてならないが? この発言を受けて週明けのオセアニア市場はどこまでドル売りが強まるのか? それとも、米金利の上昇と米中通商協議を期待したドル買いに影響がないのであろうか?

ところで、米朝首脳会談は市場の期待を裏切ることになったが、目の前には3月1日の追加関税の期限が延長されたままの米中通商協議と、日米貿易交渉が控えおり、ブレグジットでは英国は27日に下院で短期間の離脱延長の道を開いている。それと、トランプ大統領を徹底的に避難したコーエン被告の公聴会の今後の影響の有無はどうなっているるのだろうか?

米中通商協議では、クドローNEC委員長が「米中協議は著しい進展を見せた」と言うように、数週間以内に米中首脳が通商合意に署名できる準備をしており、ムニューシン米財務長官、米中両国は150ページに及ぶ関連文書をまとめる作業に入っていると言っている。

日米貿易交渉では、5月下旬の日米首脳の会合前に準備を整えたいようで、3月から会合を開始し、4~5月に閣僚級会合を開き、話を詰めたいと思っていることだろう。米政権は農産品の市場開放のほか、日本からの自動車輸入の抑制や対米投資拡大、非関税障壁の撤廃を求めているが、果たしてとうなることだろう。

先週は株価が伸び悩む中、世界的に債券利回りは上昇し、AUD+NZD+CAD+JPY+GBPが下落、逆にEURとCHFは小幅に上昇している。USDJPY(+1.135%)、EURUSD(+0.283%)、USDCHF(-0.141%)、GBPUSD(+1.153%)、AUDUSD(-0.677%)、NZDUSD(-0.713%)、USDCAD(+1.23%)となっており、AUD+NZD+CAD+JPY+GBPが下落、EURとCHFは小幅な下げへ。


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USDJPY 予想レンジ (111.20~112.50)

現実の動きは円売り。米朝首脳会談は事実上失敗、弱い米経済指標にも米金利は上昇+日米金利は拡大しドル買いの流れはとまらず。テクニカルにも200日MVを上抜け上昇傾向を期待した円ベア派が拡大しているように思えてならない。 

ただし、週末のトランプ大統領のドル安を支持する発言の影響と、考えるのが早すぎるのかもしれないが、3月からスタートすると思われる為替相場を含む日米通常協議はどこで落としどころを見つけるのだろうか?

それと、心理的に考えれば112.50円の壁(±30)は上昇するときも下落するときも重要で特に注目している。この壁をブレークし114.55を再トライできるのか? それとも、これを高値に元のレンジとなる110.50~112.50のレンジで収まるのか? 相場感は110.50~112.50のレンジなのだが!?


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GBPUSD 予想レンジ (1.3050~1.3400)

英国は「最悪でも合意なきEU離脱はない!」との期待感がGBP買いを強めており、今回のステージでは2月15日から始まり、2月19日に200日MAを上抜けして潜在的なショートの巻き戻しが続いている。

現時点では200日MAは1.2994で約1.300の水準に位置しており、この水準が破れるまでは基本はポンドブル相場が続きそうであり、テクニカルには買を示唆している。

ただし、メイ英首相は、3月12日までに修正離脱案を議会が承認しなかった場合、合意なく離脱するかどうか採決させる。否決した場合は、3月14日に離脱交渉期間の「短期の限定的な延期」を要請するかどうかの採決を行うとある。 希望的な観測だけではいつ・どこでGBPの上昇にブレーキがかかるか気がかり。


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AUDUSD 予想レンジ(0.7000~0.7200)

豪中銀のハト派発言、弱い経済指標と、どうも期待を裏切られてしまう通貨である。ただし、2月7日からは大枠で0.7050~0.7200のレンジ相場を継続中で、米中通商協議の今後の動きがどうなるのか? それを前にしてドル高傾向の中ではそこそこの動きでは。

200日MAは0.7256にあり1月31日にもこのポイントまで上昇後に下落し今後も大きなポイントと言えそう。逆に下値は1月7日から続く0.7050台で、先週終値は0.7077とこの水準近くで終了。ただし、ローソク足ではオープンとクローズが同じで上下髭がある転換のサインが発生し、0.7000の大台を維持できるか今週注目している。


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