2019/03/10

今週の為替相場を考える(3月11~15日)

今週の為替相場を考える(3月11~15日)

米国やユーロ圏のみならず、豪州、NZ、カナダでも弱気な見通しが増えおり、一部他力本願の日本もその影響を受け日本経済研究センターの1月の景気後退確率は61%と4年8か月ぶりの水準となっている。

リスク回避の流れなのか、株は売られ債券は買われ、ダウは2週続けて前週比で低下、特に先週は570ドル近くの下げとなった。米10年利回りは2.6%台で昨年10月のピーク3.24%台から低下し、昨年1月の水準近くへ低下している。

今週も為替相場の変動要因としてとらえておかなければならないのは、米中通商協議、ブレグジット、FRBの金融政策、弱い欧州経済と今後の日米通商協議。

【USDJPY】
当然ながら、為替相場もその影響とトラン大統領を含め米国サイドから通商交渉で対米貿易黒字の削減と為替条項を求める動きをも潜在的な要因となり、2週続けて円高傾向が続き過去2週間続けて0.6%台の円高となった。2月28日に200日MAを上回り円安支持者が急増した動きから逆に、200MA111.38円を下回り売り圧力が強まり25日、75日MA近くの111.746円でようやく下げ止まっている。

周囲を見渡すと、最終的に円高を期待している人がやや多いが、直近では200日MAを超えたことで一部は円安へと考えを変え115円台を目指す向きも多数あったはず。個人的には中長期で105~115円のレンジを抜け出す材料を見つけることはできず。今週だけを考えると110.40~111.50のレンジを予想。


【GBPUSD】
通貨別でみると、ブレグジットを巡る不透明感にGBPUSDは過去2週間続け1.4%台の下落となり主要国通貨で際立った下げ幅となっている。終値ベースでは2月19日に200日MAを上回り上昇へと変化したな流れは、先週末に安値が1.3000の大台を割り込み、200日MAの1.2990と髭ベース下げ止まり、かろうじて大きな変化を免れている。

この件に関しては「今週の主な材料」でも説明しているが、今週は通貨GBPにとっては歴史的な週となり、その結果に応じてどのような変動をするのか予想できにくいことを承知していただきたい。ユーロも英国も「英国の合意なきEU離脱」だけは避けたいと思っていることは間違いない。今週に3月29日の離脱延期を決め、次にどうなるのか? 

仮に、こうなれば一度GBP高となり上昇することになるが、将来的には不明! 期待通りなら1.3350台超えの可能性も。逆なら1.2300割れも。

3/12(火)英議会はメイ英首相の修正EU離脱案を採決→ 英国とEUの話し合いで新たな材料が出なければ与野党での反対が多数で否決される見通し。
3/13(水)英議会12日の採決の結果を受けで「合意なき離脱」の有無を採決→ 合意なき離脱は望んでいないと思われる。(サプライズは期待したくない)
3/14(木)英議会13日の「合意なき離脱」拒否との結果となれば、「離脱の延長」をめぐる採決へ→ 期間は別としてEUも短期的な延長を支持すると思われる。(メイ英首相は期限の延長は2日目の国民投票につながる可能性があると危惧」


【AUDUSD】
過去2週間は0.47%台の下落と激しくはないが流れとして世界的な株安もあり弱さが目立っている。5日に豪中銀は「経済は信用逼迫や不動産価格の下落に見舞にも消費動向の推移を見守ることとし政策金利を据え置いている。ロウ総裁は豪経済が2018年下期に減速した可能性を認めながらも、今年の成長率3%加速と賃金の伸びの緩やかな加速を歓迎していたが、市場の反応はAUD売り。ちなみに、ロウ総裁の講演で豪州の住宅価格は「2017年終盤までの5年間で50%超上昇したが、それ以降約9%下落し、16年年央の水準になっている」とのことである。6日の豪GDPの前年比は予想を下回り売り圧力を強めていた。

AUDUSDは引き続き0.7000をボトムに底値を何とか維持している。テクニカルを全面的に勧めるわけではなく過度に意識するものではないが、チャートを見る限り中長期は売りに見えてならない。ただ、相場感を言えば0.7000をボトムに反発を期待したいのだが?

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