2019/09/10

2019年9月10日(火)9日午前5時半ごろの動き

2019年9月10日(火)9日午前5時半ごろの動き

為替相場は材料が異なるも流れはリスクオンで2極化、JPY+CHFは弱く、GBP+EUR+AUD+NZDは強い。

米株は大きな変化は見られず、米債利回りは逆イールドを解消し、10年債は1.63%台、2年債も1.59%台へ上昇、原油価格(WTI)は58ドル台へと上昇。

EURUSDは、アジア・欧州市場の1.1016をボトムに何とか1.1000を死守。欧州市場で報道されたドイツの債務拡大を期待し独債利回りは上昇し、12日のECB理事会ではQEの可能性が後退し一時1.1068まで上昇へ。5日の高値1.1085には及ばないが終値ベースで過去6日の高値を更新も目指す動きへと変化。ゴールドマン・サックスは「英国の合意なき欧州連合離脱リスクの後退、イタリア政府の安定、中国の景気刺激策のニュースは全て、ユーロを支える公算』とあるが、もちろん事実となるかは不明!

GBPUSDは、英国発の強い経済指標が続出、合意なきEU離脱の可能性が後退しGBP高へ。欧州市場の序盤の1.2233をボトムに、プリハBOE政策委員のタカ派発言、英月次GDPは予想を上回り、貿易収支は赤字額が予想外に減少、製造業生産と鉱工業生産は予想を上回りGBP買いが強まり一時1.2385まで続伸。ジョンソン首相の10月離脱の意気込みは変わらず、バーコウ英下院議長が10月末で辞任との報道に1.2316まで値を下げる局面もあったが、ネガティブ材料に反して、英議会は合意なきEU離脱となった場合の詳細な対応策について政府に公表を義務付ける動議を賛成多数で可決ともあり、今後の動きで不透明感は残るも市場はこれらの動きを好感し1.2340台で推移。

USDJPYは、アジア市場の106.76をボトムに、欧州市場の107.08を高値に約30ポイントの狭い動きにとど待っていたが、米債利回りに連動し底堅い展開が続いた。米国市場に入り米債利回りが上昇、他の主要国通貨でドル売りの流れが強まり、クロスでは円は全面安となり107.18まで上昇。ダウの下落に一時106.93まで値を下げる局面も見られたが何とか持ち直し、米債利回りの上昇も続き終盤には107.20台へ上昇している。ゴールドマン・サックスがEURJPYの売り推奨を終了との報道も気になる。

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ゴールドマン・サックス
◎ECBの大規模な緩和措置を発表しても、EURの下落余地は限定的。EURJPYの売り推奨を終了へ。
◎英国の『合意なき』欧州連合離脱リスクの後退、イタリア政府の安定、中国の景気刺激策のニュースは全て、ユーロを支える公算。

NY連銀月次調査
◎1年債のインフレ期待は2.6→2.4%と調査開始の2013年以来の低水準。3年債2.6→2.5%。賃金上昇率見通しの中央値2.4→2.3%と12か月平均値の2.5%を割り込む。

ムニューシン財務長官
◎米経済がリセッションに陥る恐れはない
◎米中通商協議で、文書は存在しており、多くの進展が見られた。中国の当局者によるワシントン訪問は良い兆候で、中国が交渉の継続を望んでいることを示している。
◎米国も交渉の用意を整えている。双方にとり良好なディールが得られれば署名する。得られなければ、トランプ大統領は関税措置を続行することに全く異論はない。

ドイツ政府は債務拡大へ(ロイター)
◎連邦予算には含まれない新たな債務を引き受ける独立した公共団体の設立を検討。
◎厳格な財政ルールに抵触しない「影の予算」創設で、低迷する国内経済への投資を行い、憲法が定める債務の制限を超えてインフラや気候変動向けの支出を拡大できる

英議会
◎合意なきEU離脱となった場合の詳細な対応策について政府に公表を義務付ける動議を賛成多数で可決。また、長期の議会休会を決定するに至ったやりとりや文書の公表も求める。

バーコウ英下院議長
◎10月末までに辞任の意向を表明。→ GBPが一時下落へ。

ジョンソン英首相
◎10月のEU首脳会議でEU離脱協定を合意したいとの意向を示す一方で、合意なき離脱を阻止しようとする議会の動きには屈しない姿勢を示す。

ブリハBOE政策委員
◎これまでの景気後退時と比べて英中銀が利用できる政策手段は少ない。
◎注目されている財政政策について、中銀の独立性が損なわれる可能性があるため、慎重に対応する必要がある。

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