2019/09/12

2019年9月12日 前日NY市場の動き(日本時間午前5時半ごろ)

2019年9月12日 前日NY市場の動き(日本時間午前5時半ごろ)

リスク回避を巻き戻す動きはどこまで続くのか? 

市場は10月初めの米中通商協議の再開を前に中国が一部の米国製品を追加関税対象から除外したことを好感。ECB理事会で中銀預金金利の引き下げは織り込み済みでQEの有無で流れが決まり、緩和傾向は来週のFOMCへと引き継がれ、世界的に株価は上昇傾向が続くも、米債利回りは上昇し、流れはドル高傾向。

欧米株は続伸しダウは2万7千ドル台の大台を回復し+0.85%上昇へ、米債利回りは高止まりで10年債は1.74%台を維持、原油価格は下落しWTIは一時55.60台へ下落し55.90台で推移。

為替相場は米債利回りの上昇もあり総じてドル高傾向が続き、リスク回避の巻き戻しの流れへ。USDJPYはアジア・欧州・米国市場では107.80台でとりあえず頭打ちでとなるも、下げ幅は限定的でJPYの強さは見られず。EURUSDはECB理事会を今夜に控へ売り圧力が強まり、GBPUSDはブレグジットリスクが変わらず展開の結末が予想不可能で1.2310~70のレンジと前日とほぼ変わらず。AUDUSDとNZDUSDは中国が一部の米国製品を追加関税対象から除外したことを好感するも、本格的な事態の改善に至らずとの予想も強く前日に続きレンジ相場が続く。

EURUSDは、独キール世界経済研究所は、独第3四半期GDPは前期比-0.3%となり、景気後退に突入するとある。ECB関係者の話として理事会で2019、2020年のGDP成長見通しを引き下げるともある。いずれにしてもECBの利下げ圧力は変わらず、ECB理事会を直前に控え中核国が反対するQEの有無の判断ができず。ドイツの財政拡大期待から買い戻されたEURは、アジア市場の1.1055を高値に売りが再開され、1.1000の大台を割り込み、強い米PPI後には一時1.0985まで下落しようやく下げ止まり1.1010台まで反発し、200時間MA=1.1013を意識した動きで、1.1100を上回るまでは下落リスクは残り安心できず。今日のECB理事会でQEの有無が相場の方向付けをする可能性も。

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21:30    CAD 第2四半期 設備稼働率=83.3%(予想81.8% 前回80.9→81.1%)→ 予想と前回を上回る

21:30    USD 8月 生産者物価指数=前月比0.1%(予想0.0% 前回0.2%)、前年比1.8%(予想1.7% 前回1.7%)、コア前月比0.3%(予想0.2% 前回-0.1%)、コア前年比2.3%(予想2.2% 前回2.1%)→ 前月比以外は予想と前回を上回る

23:00    USD 7月 卸売売上高=前月比0.3%(予想 前回-0.3%、卸売在庫=前月比0.2%(予想0.2% 前回0.2→0.1%)

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トランプ大統領
◎中国が一部の米国製品を追加関税対象から除外すると発表したことについて「大きな動き」だとして歓迎。

トランプ大統領
◎中国は通商協議で合意を望んでおり、米製品の一部追加関税の免除措置はジェスチャー。

トランプ大統領
◎インフレは存在しない! FRBに政策金利をゼロかマイナス圏まで引き下げるように要求。
◎他の国がすでにやっていることを認めようとしないのは、ばか正直なジェイ・パウエルとFRBだけだ。

トランプ大統領
◎対イラン制裁を緩和する可能性を示唆。

中国財務省
◎米国からの輸入品に対する追加報復関税について、16品目を免除の対象へ。→ 10月初めに再開される米中通商協議でなんらかの合意期待が強まる。

オランダ議会
◎マイナス金利で投資を行うことを余儀なくされている年金基金に対し不公平となるとの決議を採択
◎ドラギECB総裁に、金利の階層化に反対する書簡を送る。

ECB関係者
◎理事会で2019、2020年のGDP成長見通しを引き下げる。

 ドイツのキール世界経済研究所
◎独第3四半期GDPは、前期比-0.3%となり、景気後退に突入する。独第2四半期のGDPは前期比-0.1%.
◎今年の成長率予測は0.6→0.4%に下方修正、2020年1.6→1.0%に下方修正へ。特に自動車産業をはじめとする製造業で生産の減少。

メルケル独首相
◎英国がEUと合意した上で円滑に離脱する可能性はなお残っている。
◎ドイツは合意のない無秩序な離脱となった場合にも備えを進めている

ジョンソン英首相
◎英国のEU離脱合意案からアイルランドのバックストップの削除を求め、この削除が合意に達する唯一の方法。

スコットランド最上級裁判所
◎ジョンソン首相による10月13日までの議会閉会は、「一般に認められている公的機関の行動基準を順守していないことは明白」と違法と判断。→ 政府報道官は英最高裁に上訴する方針。

ロンドン高等法院(高裁)
◎9月6日にジョンソン首相の議会閉会差し止めを求めるも仕立てを拒否するも、最高裁への上訴は可能とし、9月1日に最高裁で審議が始まる。

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