2019/09/15

今週の為替相場を考える(9月16~20日)

今週の為替相場を考える(9月16~20日)

際立っているのは、米株の続伸、米債利回りの急反発、GBPUSD急反発、AUDUSDの続伸、USDJPYの続伸。これらの動きが今週も続くのだろうか?

要因はそれほど複雑ではなく、米株の上昇はFRBのみならずECBをはじめ世界的に金融緩和の継続+新たな緩和策の動きを意識したもので、一時株価のピーク期待からポジションの減少やショートにした動きの反動に思える。

米債の上昇は、米債券利回りは金利低下期待や世界を取り巻くリスク回避に選好された債券買いが一部の国から米債売りを吸収しながら低下傾向にあったことは間違いない。ただ、日本は米債を買い増ししさすがに米10年債利回りは1.5%を割り込むと、米債の売りもそれほど継続できるものではなかったようである。

取り巻くリスク環境の変化にファンド勢はポジションを巻き戻し債券売り(利回り上昇)へと動いている。しかしながら、金利動向は一度動き始めると長期間継続することは常で、今回の反発局面が根本的な相場の変化となってると言い切る自信もない。

GBPの急伸は、ジョンソン首相が主張してやまない10月31日の合意なきEU離脱のリスクに積みあがったGBPショートの巻き戻しに利食いのポンド買いが入ったと思われる。議会は離脱の3か月延長を決め議会の解散も退けEUとの交渉の変化も期待できるのでは?

ダウは過去3週間で1600ドル近く上昇、米10年債利回りは1.496→1.896%へ急伸、GBPUSDは1.1958のボトム→一時1.2504まで上昇、AUDUSDも0.6687→一時0.6895まで上昇、USDJPY104.45→一時108.26まで上昇している。結果論となるが、GBPJPYは128.19→135.18と7円近くの大幅な上昇となっている。

トランプ大統領は来年の米大統領選の再選を目指して可能な限りの表技・裏技を駆使してくると思われる。FRBにはドル高が理由とした国内経済の低迷の責任を転換し、対中国との通商政策は強硬姿勢を維持しながらも、なんらかの妥協策を模索し自己の実績の評価としてPRしたいことであろう。

つまり、米中間はお互いに表向きは握手をしながら、裏では相手の靴を踏んづける状況と考えたほうがいいだろう。さしずめ、9月から12月は表向きで握手をしている状態を維持することで、お互いの国民に対して交渉の成果を誇示する動きになるように思えてならない。


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USDJPY 予想レンジ(107.20~108.70)

どこまで円売りが続くのであろうか? 取り巻くリスク回避の巻き戻しに 円ブル派の戻り売りも効果がなく続伸しており、IMMシカゴのポジションは円ロングを解消しきれず。過去値動きでは一連ドル買い動きは一定期間(10日、20日間)続くことが多いが、今週月曜が10日目にあたる。FOMC、トランプ発言、米中貿易交渉の動きなど、相場変動要因は多数横たわっていることに変わりない。

テクニカルベースでは、予想外に下押しが少なく3週連続で上昇傾向が続き、短期・中期とドル買いに変化しているが、長期は売りの流れに変化は見られず。今週の上値の重要なポイントは108.70、それと、200日MA=109.47でこれを超えてくるようなら円先高期待はギブアップだが、そこまでの円安は想定せず。下値のポイントは107.45、107.20円でこれを割り込むと円売りの流れの変化も。


EURUSD 予想レンジ (1.0950~1.1200)

ECB理事会も終わり、期待通り利下げQEと、とりあえず退任近いドラギECB総裁の主張が取り入れられた形になっているが、年内の追加利下げを期待する声はそれほど強くない。英国の合意なきEU離脱の可能性も弱まり、イタリアの政局もひとまず安定に向かい、市場参加者はEURショートの巻き戻しを継続中。

Dailyは売り圧力は残るも、Weeklyでは目先ボトムアウトしている可能性も残り、ECB理事会後の動きは直後の急落を除くと大枠で1.100~1.1100とそれまでのレンジ相場に逆戻りし、緩やかな上値を試す動きを期待したい。

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