2019/09/28

2019年9月28日(土)昨日27日、海外市場の動き

2019年9月28日(土)昨日27日、海外市場の動き

週末の金曜日。「トランプ政権は米投資ポートフォリオの中国流入制限策を検討」とある。もし実行したら「両国が互いに賦課した巨額の関税にとどまらない大規模な混乱を引き起こす可能性がある」とブルームバーグの報道も。ただし、実現性はないのか金融市場の動きは予想外に鈍く、市場の関心はトランプ大統領の弾劾の有無と「その対応と反撃手段!」 

為替相場は日中の上下変動から終わってみればGBPUSDの-0.26%の下げをトップに主要通貨では前日比で大きな変動は見れず。クロスでは実需の動きもありEURGBPは+0.43%と上昇幅は大きい。

米株は上昇からスタートし一時170ドル近く値を下げるも結局は-70.87ドルと小幅安で終了。米10年債利回り一時1.72%台へ上昇するも結局は1.68%と前日終値1.69%台から低下。原油価格(WTI)は55ドル割れの下げから56ドル台を回復するも、強さは見られず。

米耐久財受注は予想外に強く、個人所得は前回を大幅に上回り、個人支出は予想外に弱いがコアPCEデフレータは前年比1.8%(上方修正された前回1.7%)と強く、ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は強く93.2と予想と前回を上回り、インフレ期待5年は2.4%と前回2.3%を上回る。

EURUSDは、EURにとってネガティブ材料が豊富ながら、実需筋の動きが強いのか底堅い動きが続くも継続性は疑問。EURUSDはアジア・欧州市場の1.0900台をボトムに米国市場では「米投資ポートフォリオの中国流入制限策」の報道一時1.0959まで上昇し1.0940で終了。ユーロ圏景況感指数は弱く2015年2月以来の低水準、仏CPIも予想と前回を割り込み、独輸入物価指数はマイナス幅が拡大。一方の米経済指標は強さが目立っている。

ECBでは、タカ派でドイツ出身のラウテンシュレーガー専務理事が突然辞任を表明しドラギECB総裁と同じく10月31日で退任する。市場はECB内部の対立を懸念すると同時に今後の緩和期待が強くEUR売りの材料として残る。レーンECB専務理事は火消発言をするも「個々で意見の相違があることは間違いない」と語る。

GBPUSDは、GBPにとってブレグジットをめぐる動きがはっきりするまでGBP買いは限定的で、発言により上下変動する局面とボラティリティの高さは変わらず。ブレグジットを巡りジョンソン首相と議会で攻防が激化し止まらず。ジョンソン氏は野党陣営に対し、内閣不信任案を提出して、総選挙に臨めと挑発するも、野党陣営は首相の辞任を一斉に要求。EUは英政局の混乱に今後5週間での状況打開をほぼ諦めているとの報道も。EUサミット(10月17~18日)まで何ができるのだろうか?

タカ派のサンダースBOE政策委員は「ブレグジットをめぐる不確実性に、世界経済成長の下振れが続くようなら、ある時点で緩和するのが適切と思われる」と利下げ支持に変化(?)。この影響を受け欧州市場の序盤でGBPUSDは1.2320台→一時1.2270まで急落し、その後の欧米市場ではこのレンジ内での相場展開で、「米投資ポートフォリオの中国流入制限策」の報道」でもGBP買いは見られず。

USDJPYは、最近の黒田日銀総裁のハト派発言に追加緩和を期待する動きが強い。リスク回避の円買いの流れと、米債利回りに連動したUSDJPYの動きもやや薄れてJPY売りの流れが続き、欧州市場に入り108.17まで上昇し、フィキシング後には一時108.18まで上昇するも、先の高値108.48は超えられず。トランプ政権の「米投資ポートフォリオの中国流入制限策」の報道にリスク回避の円買いが復活し(?)一時107.79まで下落。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

21:30    USD 8月 耐久財受注=前月比0.2%(予想-1.0% 前回2.1→2.0%)、除く輸送機器前月比=0.5%(予想0.2% 前回-0.4→-0.5%)→ 予想を上回る

21:30    USD 8月  個人所得=前月比0.4%(予想0.4% 前回0.1%)、個人支出=前月比0.1%(予想0.3% 前回0.6→0.5%)、PCEデフレータ=前月比0.4%(予想0.3% 前回 0.6→0.5%)、前年比1.4%(予想1.4% 前回1.4%)、コアPCEデフレータ=前月比0.1%(予想0.2% 前回0.2%)、前年比1.8%(予想1.8% 前回1.6→1.7%)

23:00    USD 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値=93.2(予想92.1 前回92.0)、景気現況指数=108.5(予想 前回106.9)、消費者期待指数=83.4(予想 前回82.4)、インフレ期待1年=2.8%(予想 前回2.8%)、インフレ期待5年=2.4%(予想 前回2.3%)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

米上場の中国株廃止を検討
◎米トランプ政権が米証券取引所に上場する中国株の廃止など、米投資ポートフォリオの中国流入制限策を検討。
◎検討している選択肢には、中国企業の米株式市場での上場廃止や、政府年金基金を通じた米国民の中国市場へのエクスポージャーを制限することなどが含まれる。
→ 資金フローの締め付けは、両国経済を巡る摩擦において新たな対立点をさらすことになり、両国が互いに賦課した巨額の関税にとどまらない大規模な混乱を引き起こす可能性がある。

ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁
◎今月決定した追加利下げに反対する立場を表明した。経済は力強くで、金利に関して断固とした立場を守るべき
◎インフレは現時点で目標を下回り、2%の成長率はあと1年半から2年は続くと予想。堅調な労働市場と個人消費が成長継続とインフレ上昇につながる。

コーブニー・アイルランド外相
◎ブレグジットをめぐり英EU双方にとって時間切れが迫っている
◎責任は英国側にある、離脱延期は合意なき離脱より望ましい離脱延期を受け入れる考え。

レーンECB専務理事(主任エコノミスト)
◎ラウテンシュレーガー専務理事が突如退任したことを受け、ECB内部で深刻な内部分裂がECB内で進行しているとのうわさを否定。
◎ECBの対応を巡り、個々で意見の相違があることは間違いない。国債買い入れの役割といった構造的な問題や、他の技術的な問題で意見が異なる
◎金融緩和の必要性についてはかなり大きなコンセンサスがある

EU当局者・ブレグジットで(ブルームバーグ)
◎今後5週間での状況打開をほぼ諦めている
◎英政局の混乱はEUにとってもはや余興ではなく、実際の離脱交渉に弊害をもたらしている
◎EU首脳らは10月17-18日のEUサミット期間中に交渉を行うことを拒否している
◎合意のためにはEUサミット(10月17~18日)前に合意の成立が必要で。できなければ、EUは英国の離脱期限を延長するか、合意なき離脱に向けた緊急対策を協議するか二択。

トランプ大統領
◎イランは話し合いのために制裁解除を要求しているが、ノーと答えた。

クオールズFRB副議長
◎米経済は非常に強い

黒田日銀総裁
最近のハト派発言から中短期金利が低下。マイナス金利の深掘りを予測した取引が強まる。

 中東からアジア向けの主要な原油タンカー運賃が27日に最大28%上昇
◎イラン産原油輸送に関与したとして米国が中国大手の中国遠洋運輸(COSCO)傘下部門に制裁を科したことを受けたもの。

サンダースBOE政策委員(タカ派にも関わらず)
◎ブレグジットをめぐる不確実性に、英中銀は利下げを迫られる
◎合意なき離脱を回避したとしても、ブレグジットを巡る高度の不確実性はくすぶり、すでに潜在成長率が低下している英経済にマイナスに働き続ける。
◎特に世界経済成長の下振れが続くようなら、ある時点で緩和するのが適切と思われる
→ GBPUSDは1.2320台→一時1.2270まで急落。

レーンECB専務理事(チーフエコノミスト)
◎金利は必要であれば追加措置が可能

サウジアラビア
◎イエメント部分的停戦で合意。