2019/09/05

2019年9月5日(木)アジア・欧州市場序盤の動き

2019年9月5日(木)アジア・欧州市場序盤の動き

米中ハイレベル通商協議は、10月1日に中国の建国70周年記念を意識したのか? 10月初めへと当初の予定より1か月延期して開催することで合意。中国株は上昇、米債利回りも上昇、日本株も強く流れはリスクオン。(ただし、どこまで続くかは不明)

海外ではイタリア政局の安定期待、英国の合意なきEU離脱の回避期待、リスクオン期待が膨らみ、上昇した米国市場の株高の流れを受け、さらに、米中通商協議の10月開催合意の安心感に、日経平均株価は+2.12%と大幅安。上海総合も+1%近くと強く、10年債利回りは1.5%台を回復、2年債も1.48%台へ上昇。

為替相場は、リスク回避の巻き戻しが強く、株高もあり、リスク選好にJPY+EUR売りへと動き、AUD+NZDは小幅高を維持。注目のGBPは合意なきEU離脱のリスクはやや弱まるもどのような方向に進むのかは不明で、昨日と様変わりでGBP売りの流れとなっている。

USDJPYは106.75を高値に106.40台まで軟化。106.50~80の売りを消化しながらの上昇で、引き続き107円の大台を意識した流れへ。3日に米ISM製造業景気指数の悪化に急落したイメージは払しょくできず、今日の米国市場で発表される米ISM非製造業景気指数の結果も気になる。

GBPUSDは1.2250台の上値は重く欧州市場に入り1.2210台と小幅低下している。ジョンソン英首相の10月31日に合意なくても離脱する方針を貫けるのか? 英下院は既に離脱を3か月間延長する「合意なき離脱」措置法案を可決し上院でも可決する見通しである。これを阻止すべき解散総選挙には議員の2/3の賛成票が必要だが、現実問題として非常に難しい状況と言われている。市場は合意なきEU離脱が避けられるとの期待感は膨らんでいるが、結局は何一つ決まっていないのが実情ではないか?


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10:30    AUD 7月 貿易収支=72.68億豪ドル(予想72億豪ドル 前回80.36→79.77億豪ドル)

14:45    CHF 第2四半期GDP=前期比0.3%(予想0.2% 前回0.6→0.4%)、前年比0.2%(予想0.9% 前回1.7→1.0%)→ 前回分は下方修正され、前年比は予想外に低下

15:00    GER 7月 製造業新規受注=前月比-2.7%(予想-1.4% 前回2.5→2.7%)、前年比-5.6%(予想-4.2% 前回-3.6%)→ 予想外にマイナス幅が拡大

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劉鶴中国副首相、閣僚会議を10月初めに先送り(新華社)
◎ライトハイザー、ムニューシン両氏と電話し、米中通商交渉の閣僚級協議を9月初め→10月初めに先送りすることで一致。
→ 中国は10月1日に建国70周年の記念行事を開く予定で、国内では祝賀行事を妨げかねないリスクを排除する動きが進む。習近平指導部は9月に協議を開き、決裂してさらに米中摩擦が悪化する事態を懸念したとみられる。(日経新聞)

英「10月末離脱」へ攻防(日経新聞)
英議会下院でEUからの離脱を延期する法案が可決。ジョンソン首相は解散カードを手放さず。ただ、解散総選挙には下院総議員の3分の2の賛成が必要で、野党の賛成は欠かせない。野党は延期法案が成立する前の解散の誘いには乗らない方針だ。

EUのバルニエ主席交渉官(FT紙)
◎27加盟国の外交官に対し、ジョンソン英首相の交渉担当責任者からアイルランド国境問題をめぐる行き詰まりを打開するための提案がなく、離脱交渉は「まひ状態」に陥った。
◎離脱期限まで2カ月を切り、ジョンソン氏(の与党)が英議会下院で過半数を割り込んでしまった今、ブリュッセル(EU本部)では、英国とEUは10月31日の「合意なき離脱」に向かって進んでいるとの危機感が高まっている。

ANZ
◎豪中銀は2020年5月までに現在1%の政策金利を従来時通しの0.75→0.25%まで引き下げると予想。今年10月、来年2月と5月に利下げが実施されると予想。→国内景気の急な減速の影響が労働市場に波及する中、中銀は世界的な政策決定への対応を余儀なくさせられる。

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