2019/09/29

今週の為替相場を考える(9月30日~10月4日)

今週の為替相場を考える(9月30日~10月4日)

今に始まったことではないが、最近つくづく思い知らされることがある。経済指標の予想外の結果で相場が動くことは間違いないが、発言や政治的な動きが結果的に米債利回や株価を変動させ、為替相場の流れが一変してしまうことが多いように感じられてならない。

今、世界的に注目しているのはウクライナ疑惑による弾劾の有無で、ボルカー・ウクライナ担当特別代表が辞任し、米下院はポンペオ国務長官に召喚状が送り、国務省当局者5人に今後2週間に証言するよう求めている。万が一事態となる可能性は残るも、百戦錬磨のトランプ氏だけに問題を抑えることを期待したいが、事の結末が見えてくるまでドル相場に強気になれず。

GBPUSDは、英国のEU離脱は10月31日に合意の有無にかかわらず実施されるのか、それとも素直に延長されるのだろうか? ジョンソン英首相は議会解散を阻止され、休会も阻止され、スキャンダルも加わりながらも「予定通り離脱させる」と強がるも取り巻く環境は延期の可能性が強まっている。ただし、どのような形で延期するのかによりGBPUSDの相場変動が決まってくる。最近の動きは議会主導の動きを期待し「合意なきEU離脱」の可能性が弱まったとの判断にGBPショートの買い戻しが続いているが、そう簡単に混迷を脱することは期待できず、今週発表の英第2四半期GDP確保値も前期で前回と変わらず-0.2%と沈んでいる。GBPも手放しで強気になれず下落リスクは変わらず。

USDJPYは、ウクライナ疑惑の程度次第で、ベアにもブルにもなる。10月から消費増税が始まり、週末にはスーパー等では増税前の買い物客がごった返し状態。10月1日に発表される日銀短観では弱い数字が見込まれており、日本のCPIも弱い。この決定による日本経済にとってネガティブ材料と考えた円売りもあるが、日本以外の主要国は金融緩和か据え置きの動きが続き、金利差縮小が円高材料と主張する人もいる。黒田日銀総裁の最近の発言ではさらなる緩和を期待する動きもあり、複雑。しばらくは方向性を見守る動きが続きそう。

EURUSDは、弱いユーロ圏の経済指標、特にドイツ。英国との貿易減少、中国との貿易減少、米国とは通商問題を抱える中で、ユーロ圏最大の経済大国のドイツがこけてしまうとユーロ圏全体も沈んでしまう状態は変わらず。ドイツは第3四半期にマイナス0.1%の成長に陥り、今週発表となる独9月CPI速報値は前期比0.1%と前回マイナス0.2%から回復が見込まれるも、財政出動の動きもメルケル首相の急伸力が低下するなか、どこまでできるのか? 引き続き底値感は見えず緩やかな動きへ。

AUDUDは、何とか住宅価格も下げ止まり感が見られるが弱い流れが続いている。対中貿易の関連性が高く米中通商協議の影響を受けながらも、中国経済の伸び悩みに強さは感じられず。1日に豪中銀は政策金利を0.25%引き下げることを織り込みながらも、追加利下げを継続するのか今後の動き次第で、ニュートラル。


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USDJPY 予想レンジ(107.30~108.40)

日足は107をボトムに3日連続上昇するも108円台で終われず。前週のコアレンジ「107.50~108.50」のレンジに逆戻りするのか、それとも「107.00~108.00」に切り下がるのかいずれかと思われる。週足は8月26日の週から上昇をつづけながらも、2週前は上値が重く上髭が長く上値の重さを確認し、先週は下髭が長く底値の硬さを確認し、ちょうど上下均衡している状態で、次の方向性が示された方向に動きやすくなっている。

日足のポイントは、下値107.20、107.38、上値は108.48、109.20、週足のポイントは下値107.00、上値は108.37。


EURUSD 予想レンジ(1.0900~1.1020

日足は今までの下限となっていた1.1920~30を割り1.0900の大台直前で何とか下げ止まっている。週足は続落傾向が止まらず過去2週間は陰線引けで2017年5月以来のEUR安水準を継続中で底値感が見られず。

日足のポイントは、下限は過去に2日間のボトム1.0900~20で、上限は1.1100。週足のポイントは下限が1.0900で重要、上値は1.0970、1.1020と、1.0900を割り込むと下落へ。 


GBPUSD 予想レンジ(1.2240~1.2400)

日足は1.2500を高値に盛り上がったGBP買いも一巡し、英議会のドタバタ騒動に続落、1.2200~1.2400のレンジに、週足は9月9日の週のレンジとなる1.2230~1.2500のレンジに逆戻りしているように思える。

日足のポイントは、下値は1.2230~50、上値は75週MAの1.2370。週足のポイントは下値が1.2240、1.2150、上値は1.2400、1.2600。

AUDUSD 予想レンジ(0.6730~0.6880)

日足は0.6900直前までの調整を経て、0.6750アンダーは買い、0.6800アッパーは売りと先のコアレンジに逆戻り。週足は2週続けての上昇から2週続けての下落へと変化するも、終値を見ると予想外に底堅い。

日足のポイントは、下限が0.6730、上限は0.6800.週足のポイントは下限が0.6680、上限は0.6890。

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