2019/09/27

2019年9月27日(金)17:30時ごろ

2019年9月27日(金)17:30時ごろ

PIMCOのフェルズ氏は、世界経済がリセッションに陥る可能性は50%という。結局は、バーキン・リッチモンド連銀総裁が言う通り「英国のEU離脱、米中通商交渉、中東情勢の緊迫化、政治を巡る逆風のはざまで、企業は安定した基盤を感じることが難しい状況」との発言はもっとも。

アジア市場では、日経平均株価は下落、上海総合は小幅な上昇にとどまり、米10年債利回りも1.69%台と変化は見られず。WTIはIEAのネガティブ材料とサウジ石油関連施設の急回復に小幅安。

肝心の為替相場は、チャート分析の結果は別として、どちらに転ぶか不透明で決め打ちできない状況は変わらず。ただ、今日は週末の金曜日で、四半期末でもあり昨日も実需筋の動きが目立っていた。今日も何等かの影響をうけるのだろうか?

EURUSDは、欧州発の経済指標は弱く、今日の独輸入物価指数もマイナス幅が拡大、仏HICPの前月比はマイナスで、前年比も1.1%と4か月ぶりの低水準。市場ではタカ派で知られる「ラウテンシュレーガーECB専務理事」の予想外の辞任に、ハト派支持者が有利に展開することは間違いない。朝から1.0905~26の狭いレンジで何とか下げ止まっているが、投機筋は虎視眈々とEUR売りを狙っていることだろう。18:00時に発表のユーロ圏景況感指数も気になる。

USDJPYは、108円が重くトップなのか、それとも107.20~50がボトムなのか? 実需筋も売りと買いが交錯しているように思われる。今日は仏財務相が100億ユーロ超の減税を含む来年度予算案を公表していたが、逆に日本は来週に消費増税を決行する。見渡せば世界中の中銀が利下げをして景気浮上とデフレ対策を講じているのに、景気がそれほど良くなく東京都区部CPIは弱い中の日本、円相場はどのように動くのだろうか? 相場感は円高なのだが、取り巻く環境は円ベアばかり。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

8:30    JPY 9月 東京都区部消費者物価指数=前年比0.4%(予想0.5% 前回0.6%)、除く生鮮前年比0.5%(予想0.6% 前回0.7%)、除く生鮮・エネルギー前年比0.6%(予想0.6% 前回0.7%)

15:00    GER 8月 輸入物価指数=前月比-0.6%(予想-0.3% 前回-0.2%)、前年比-2.7%(予想-2.7% 前回-2.1%)

15:45    FRN 9月 消費者物価指数・速報値=前月比-0.3%(予想-0.2% 前回0.5%)、前年比0.9%(予想1.0% 前回1.0%)、HICP前月比-0.4%(予想 前回0.5%)、HICP前年比1.1%(予想 前回1.3%)→ 4か月ぶりの低水準

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長
◎世界経済がさらに悪化した場合、2019年と20年の世界の石油需要見通しを下方修正する可能性

WTO(航空機への補助金を巡るEUと米国の対立を巡り)
◎米国に年間約75億ドル相当の欧州製品に報復関税をかけることを認めた。

タカ派のラウテンシュレーガーECB千務理事の辞任
◎任期満了を待たずに10月末に退任すると発表した。
→ EUR売りが強まり一時1.0905まで下落。

EUのバルニエ主席交渉官
◎英国は交渉の行き詰まりを打開し得る「合法的で実効性のある」提案を示していない。

複数の外交筋(ロイター)
離脱後の税関検査のあり方などについて具体的な提案を記した最新版の文書を英国が今週提出した。

バーキン・リッチモンド連銀総裁
◎英国のEU離脱、中国との交渉、中東情勢の緊迫化、政治を巡る逆風のはざまで、企業は安定した基盤を感じることが難しい状況にある。
◎中国ではGDPの伸びが減速し、ユーロ圏では停滞、こうした弱さが、米国に影響するリスクがある

フランスのルメール財務相
◎100億ユーロ超の減税を含む来年度予算案を公表

米国のペロシ下院議長
◎NAFTAに代わる新たな貿易協定「米・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」について、民主党が多数派を占める下院では、批准に向けて作業を進めている。

PIMCOフェルズ氏
◎世界の経済成長は「弱さの窓」に入ろうとしており、今後1年でリセッションに陥るか持ち直すかは、ほぼ五分五分の確率
◎米国の経済成長率は今年の2.2%から2020年には1.25-1.75%に低下
◎中国経済は6.1%成長から5-6%成長に減速すると見込む
◎リセッションリスクを注視すべき主な地域として挙げられるのが欧州

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※