2016/05/01

今週の為替相場を考える(5月2日~5月6日)



201651日(日曜) 今週の為替相場を考える(52日~56日)

円高が加速するのか? それとも、抑制できるのか? 政府・日銀の懐しだい! 105円はサイコロジカル、テクニカル共に重要なポイント。

28日(木曜)日銀の緩和据え置きと、黒田日銀総裁の発言に失望し、先週は激しい株高と円高となったが、この急変は円ブル派やベア派の両方にとっても、まさにサプライズ。

先週29日(金曜)は日本の祭日に当たり、日本は週末を挟み3連休で、政府・日銀は激しい株高と円高への対応は取りにくかったことが予想される。今週は53日(火曜)~5日(木曜)は日本の祭日で、営業日は2日(月曜)と6日(金曜)の二日間と非常に限定されるが、当局の手腕を試される週となっている。

この2日間でどのような対応をとり、市場に安心感を与えることができるのであろうか? これが今週の円相場にとっては非常に重要であり、対応の方法次第では円高+円安どちらでも動き安くなっている。

先週は106.50円近辺をボトムと考え下げ止まると考えていたが、米経済指標も弱く、週末のぎりぎりその水準を割り込んだが、引き続き106.50円近辺は重要なポイントになっている。

また、105円はサイコロジカルにも、テクニカルにも、共に重要なポイントで、20149月から円安が加速、ドル円が上昇をスタートした水準ともなっている。この水準を割り込むと100円の大台が見えてくるのだが、そうたやすく割り込む水準とも思えない。

44日に円安のきっかけを作った弱すぎる日銀短観では、2016年度想定為替レートを自動車117.45円、電気117.65円と想定していた。現在の水準でもすでに10%以上円高に振れており、7月の衆議院選挙を前にして指をくわえてみていることも考えにくい。

連休が終わった翌59日の週では間延びしすぎており、タイミングと少ない営業日を感gなえれば、52日(月曜)と6日(金曜)の二日間に何らかを期待したくなる。特に、6日(金曜)は米国の雇用統計を控えており、相場が急変するリスクも気になる。

ただ、現在の水準でも円売り介入までは踏み込むことは難しいのでは? 米国の輸入物価指数は412日の発表では前月比プラス転換しているが、前年比は-6.2%と引き続き高水準で、貿易赤字も-470.6億ドルと増加し高水準で、独り勝ちの経済情勢も若干ながら限りが見え始めている。逆に日本の貿易収支も2月、3月と黒字の状態である。

 となると、新たなインデックスなどを含め株価対策で株価を支え、円安を狙う戦略以外にないのでは? 
今週のドル円の予想レンジは、105.50108.00円で、当局の株安+円高対策を期待した予想となっている。

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◎【EURUSD 予想1.13001.15001.1600

先週末は1.1445近辺で終了し、週終値ベースでは昨年の515日の週に並ぶEUR高の水準となっており、1.1500の大台が直前に見えている。ユーロ圏の状況はと言えば、強さが見られないユーロ圏経済、移民問題、ギリシャ問題、英国のEU離脱を問う国民投票のリスク、ECBの連続した緩和策など、相変わらずマイナス要因が多い中でのEUR反発でもある

EURJPYの急落は別として、EURGBPEURAUDなどのクロスでのEUR買い戻しも強く、原油価格の上昇や、英国のEU残留の可能性上昇などもユーロを支えている。IMM通貨先物のEURショートポジションが減少傾向を続けるなど、EURショートポジションの巻き戻しが続いている可能性が高く、底値は切り上がっている。

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◎【GBPUSD 予想1.44501.4700

原油価格の上昇とEU離脱を問う国民投票で、残留指示の拡大に強気なポンド相場が続いている。先週は1.4600台を高値に3日間上値トライが失敗し、週末にようやく終値ベースでは1.46台を達成してはいるも、今年21日の週の再来なのか、以外にもポンド買いの勢いは見られない。

GBPJPYが先週後半の3日間で700ポイント近く下落した影響が響き、EURGBP0.7730台を底値とし、先週は0.7750以下の買いは予想外に強く、ポンドの弱さはその影響を受けているようにも思われる。

1.46台は過去の推移を見ても重要なポイントにあり、また、623日の国民投票で白黒の決着が判明するまでは、積極的にポンドをロングすることもできないことも確かではある。

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◎【AUDUSD 予想0.75000.7750

上昇傾向が続いているが、先週27日に発表された、予想外のマイナスとなったCPIに急落した影響もあり、週後半は、戻り売りと押し目買いに挟まれて予想外に狭いレンジで推移している。

一方の、NZDUSDは金融政策の据え置きに逆に続伸し、AUDNZD4日連続の下落、週足では37日の上昇スタート地点に逆戻り。更に、AUDJPY5.5円近く急落した影響もAUDUSDの上値を重くしている。

商品価格・原油価格の上昇や、落ち着きを取り戻している中国経済など、以外と底堅さも感じられ、0.7500をボトムに再上昇を狙っているように思われる。

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