2018/05/15

2018年5月15日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

2018年5月15日(火曜)アジア・欧州市場序盤の動き

注目の英雇用統計とEUR圏GDPの発表を前にして、アジア市場で米金利が上昇しドル買いをリードし、独GDPが予想に届かず弱くドル買いが強まる。

豪中銀議事録は「目先は金利を変える強い根拠はないと言いながら、も、成長見通し2.4%→3.0%に上方修正し、賃金の伸びとインフレ加速は段階的」とある言う。デベル副総裁は「金利はある時点で上昇する可能性が高いとあるが、短期的調整に強い根拠はない」と強弱混在に動けず。

中国の鉱工業生産は強く、小売と固定資産投資は弱く、こちらも強弱が混在し影響の強いAUDUSDの動きは緩慢。独第1四半期GDP速報値は前年比2.3%と予想2.4%・前回2.9%と弱く、これが一時的な要因なのか成長のピークアウトなのか判断できず、とりあえず18:00時発表のユーロ圏GDPを見てみたい。

さて、本日注目の英雇用統計は、最近の弱い経済指標が続いていることを考えれば、弱いい数字が予想しやすく、「予想外に悪い数字」となればGBP売りと反応せざるを得ない反面、GBPUSD1.3500割れでややボトム感も感じられテクニカルにも売られすぎ状況にあり、仮に「予想外に強い数字」ともなれば急反発するリスクも秘めており決め打ちできにくい状態にある。

さて、アジア・欧州市場序盤の為替相場は、午後に入って米10年債利回りが3.0%割れの水準から3.028%まで上昇したことを引き金にドル買いが強まる。

USDJPYは109.70台→110.00まで上昇。110.00~25近辺ではオプション絡みの動きも強く、110円台では本邦輸出筋のドル売り意欲も強そうである。また、ハガティ駐日大使は「日米通商協議が新たな枠組みの中で急速に進むだろう」と発言、通商問題で円高リスクが残っていることも忘れられず。

EURUSDは1.1938を高値に1.1923~38の狭いレンジで推移していたが、午後に入り米金利の上昇を引き金に1.1910台へ下落。予想を下回る独GDPに下値を試すも1.1910を割り込めず。英雇用統計とユーロ圏GDPに持ち越し状態となっている。


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11:00    CNY 4月 鉱工業生産=前年比7.0%(予想6.4% 前回6.0%)→ 予想を上回る

11:00    CNY 4月 小売売上高=前年比9.4%(予想10.0% 前回10.1%)→ 予想を下回る

11:00    CNY 4月 固定資産投資=年初来前年比7.0%(予想7.4% 前回7.5%)→ 予想を下回る

13:30    JPY 4月 第3次産業活動指数=前月比-0.3%(予想-0.2% 前回0.0%)→ 予想を下回りマイナス幅が拡大

15:00    GER 第1四半期 GDP・速報値=前期比0.3%(予想0.4% 前回0.6%)、前年比(労働日数調整済)2.3%(予想2.4% 前回2.9%)、前年比(季調前)1.6%(予想1.7% 前回2.3%)→ 予想を下回るEUR売りが強まる


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【欧州】
スペイン・カタルーニャ州議会はトラ新首相を選出=独立派の新州政府が発足した。ただ、同氏は強硬な独立派として知られており、中央政府との対立が今後も続くとみられる。

【アジア・その他】
豪中銀議事録公表(5月1日分)=賃金の伸びが低水準にとどまり、インフレ率が目標水準を下回っていることから、目先は政策変更する「強い根拠」はないとの認識で一致。景気が想定通り活性化するとすれば次の行動は利下げよりも利上げの可能性が高い。

豪中銀議事録公表(5月1日分)=向こう数年にかけて一段と力強く(経済が)成長すると見込まれていた。これが経済における余剰能力を減らし、失業率のさらなる段階的な低下につながる可能性があるが、経済における余剰能力は緩やか減少し、賃金の伸びとインフレの加速は段階的になる。

豪中銀議事録公表(5月1日分)=向こう2年で成長率が昨年予想2.4%→3%をやや上回ると上方修正へ

デベル豪中銀副総裁=失業率は徐々に低下する見通しに自信。金利はある時点で上昇する可能性が高い。政策金利の短期的調整に強い根拠はない

政府と日銀の共同声明=政府は物価2%目標の早期実現を目指す日銀の方針を共有しており、これに変更はないとする答弁書を決定。日銀が2%の物価安定目標を「できるだけ早期に実現することを目指す」としていることを挙げ、「内閣もこの方針を共有しており、これに変更はない」

ハガティ駐日大使=日米通商協議が新たな枠組みの下で急速に進むだろう。米通商代表部(USTR)の職員が、詳細を詰めるためこの1週間で来日した。環太平洋連携協定(TPP)の新協定「TPP11」を巡る日本の努力は、二国間協定を望む米国と対立するものではない。

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