2018/05/31

2018年5月31日(木曜)昨日30日、海外市場の動き

2018年5月31日(木曜)昨日30日、海外市場の動き

米株上昇、米金利も上昇、原油価格も上昇し、テーマと流れはリスク回避→選好へ急変。為替相場はEUR+NZD+CADはドルに対して1%超の上昇でドル売りをリード。USDJPYは108.90近辺で動けず円はクロスでは全面安。新興国通貨も上昇へ。

イタリア国債入札無事に消化し安心感にイタリア債利回りは低下へし、ポピュリスト政権に亀裂も見られる。さらに、独CPIの前年比は2.2%と予想1.8%を大幅に上回り、2.0%のECBターゲットを上回り6月14日のECB理事会に影響を与える可能性もあり、EUR買いが強まる。

一方、米GDPの前年比は2.2%と予想・前回2.3%を下回り、ADP雇用統計も予想に届かず、卸売り在庫も弱い。さらに、中国との貿易問題で制裁発動期日の6月15日を前にしてナバロ氏とムニューシン氏は対立へ。

カナダ中銀は金利据え置き、声明で利上げサイクルに自信を深め、7月を含め年内2回の利上げ期待が強まり、カナダドル急伸。

原油価格(WTI)は、OPECと非OPECは年末まで協調減産を継続、産在庫減少と供給不足に2%を超える上昇へ。

欧米株は強く、ダウ+306.33(+1.26%)、NasdaqとS&P500も0.89~1.27%の上昇へ。米10年債利回りは2.854%(+0.078)、2年債も2.416%(+0.088)と上昇。原油価格(WTI)は68.23+1.49(+2.25%)上昇。

USDJPYはEURとCADにとって代わられテーマにならず。米国市場に入り南欧諸国の債券と株は強く、リスク回避の巻き戻しとドル売りの間に挟まれ動きは予想外に緩慢で、108.75~109.08の狭いレンジで推移。一方、EURJPY+AUDJPY+NZDJPY+CADJPYは1.0%超で円は他通貨では全面安。

EURUSDはアジア市場の1.1519~1.1549の狭いレンジから、欧州市場に入り独ザクセン州CPIが強く、欧州株高+南欧諸国の債券利回り低下に流れは変化。イタリア国債入札無事に消化し、イタリア・ポピュリスト政権に亀裂も見られ、独CPIの前年比は2.2%と予想1.8%を大幅に上昇し1.1647まで上昇。オプションカットでは一時1.1590台まで値を下げるも6月のECB理事会での変化も期待され、フィキシングから急伸し1.1676まで上昇し高値圏で推移。

USDCADも、カナダ中銀の金融政策後のタカ派声明を受け1.3011→1.2836まで急落。年内2回の利上げ期待が強く流れの変化も感じる。

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21:00    GER 5月 消費者物価指数・速報値=前月比0.5%(予想0.3% 前回0.0%)、前年比2.2%(予想1.9% 前回1.6%)、HIPC前月比0.6%(予想0.3% 前回-0.1%)、HICP前年比2.2%(予想1.8% 前回1.4%)→ 予想を上回り一時EURUSDのピークをつける。ただし、ECBのターゲット2.0%を上回り6月14日のECB理事会に影響を与える可能性も。

21:15    USD 5月 ADP雇用者数=前月比17.8万人(予想18.5万人 前回20.4→16.3万人)→ 前月が下方修正され予想を下回る

21:30    USD 第1四半期 GDP・改定値=前年比2.2%(予想2.3% 前回2.3%)、GDP価格指数(デフレータ)=前期比1.9%(予想2.0%  前回2.0%)、個人消費=前年比1.0%(予想1.2% 前回1.1%)、コアPCE価格指数(デフレータ)前期比=2.3%(予想2.5% 前回2.5%)→ 予想と前回を下回る
21:30    USD 4月 卸売在庫・速報値=前月比0.0%(予想0.5% 前回0.3→0.2%)→ 予想・前回を下回る

21:30    CAD 第1四半期 経常収支=前期比-195億カナダドル(予想-181.5億カナダドル 前回-163.5→-164.9億カナダドル)→ マイナス幅は予想を上回る

21:30    CAD 4月 鉱工業製品価格=前月比0.5%(予想0.6% 前回0.8→0.9%)、原材料価格指数=前月比0.7%(予想 前回2.1%)→ 予想と前回を下回る

23:00    CAD 5月 カナダ中銀 金融政策発表=政策金利1.25%の据え置きを決定、予想通り

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【北米】
マティス米国防長官=南シナ海で「航行の自由」作戦継続へ。

カナダ中銀=金融政策発表=政策金利1.25%の据え置きを決定、予想通り。

カナダ中銀=将来の金利動向を「慎重」、「緩和的な金融政策の必要性」という文言を削除。「インフレを目標近傍に維持するため利上げが必要になる」、「緩やかな政策調整のアプローチを取る」とあり、利上げサイクルに自信を深めていると思われ、7月を含め年内2回の利上げ期待が強まりCUSDCADは急落しカナダドル高へと動く。

地区連銀経済報告(ベージュ・ブック)=世界的な貿易戦争への懸念が台頭する中でも米製造業者が4月下旬から5月初旬にかけて生産を増やした。経済活動は「控えめから緩やかなペース」で拡大していると評価。製造業部門については「一段と高いギアにシフトした」。ただ「製造業者の主な懸念は通商政策」。

JPモルガン=米第2四半期GDP見通し2.25→2.75%へ上方修正。

ナバロ米国家通商会議(NTC)委員長=中国との貿易戦争は「保留」だとした発言は「遺憾だ」として、ムニューシン米財務長官を批判、米中の間には解決しなくてはならない紛争が存在

WSJ紙(30日)=新たに関税賦課が警告されたことで、予定されている協議が中止になる可能性もあると

トランプ米大統領=ジェフ・セッションズ氏を司法長官に任命しなければよかったと、ツイッターに投稿

【欧州】
ドイツ商工会議所(DIHK)=ドイツ経済成長率が予想を下回る可能性も。 2018年の成長見通しを2.7→2.2%へ下方修正。

ムーディーズ=イタリアの6銀行の長期預金格付けを格下げの方向で見直しへ

イタリア:ポピュリストに亀裂=五つ星のディマイオ党首はマッタレッラ大統領との会合後、「サボーナ氏と同等の力量を持つ人材を見つけよう」とフェイスブックで呼び掛け、「同盟が合意すれば、政権樹立はなお可能だ」とポピュリスト政権の樹立を目指す。「同盟」のサルビーニ書記長は、ポピュリスト政権樹立を目指そうという「五つ星運動」からの提案を退け、選挙の早期実施を訴えた。、「政権を樹立できることを望む。数時間以内にはっきりするだろう」と述べるにとどめた。

イタリア国債入札無事にこなしたことで安ど感が広まりイタリア債利回りは低下。

【アジア・その他】
NZ中銀金融安定化報告=NZの金融システムは健全で広く効果的。過去6か月間の銀行の収益はわずか上昇。金融セクターには家計部門債務、酪農セクター負債、銀行システムの国際的なリスクで、これらは過去6か月間、おおむね安定。

NZ中銀=オーストラリアで現在行われているような不正調査を正当化するような「広範囲かつシステミックな問題の兆候」は見られず。

インドネシア中銀=臨時会合で政策金利0.25%引き上げ4.75%に決定

IMF=中国2018年のGDP予想値6.6%に据え置く。

サウジアラビアに近い関係筋=OPEC加盟国と非加盟国は、昨年1月に開始した協調減産を計画通り今年末まで維持する方針だが、供給不足が発生した場合は段階的に調整する

OPEC加盟国と非加盟国などは年末まで協調減産を継続する→ 在庫減少と供給不足もあり2.5%近く上昇へ。

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